北九州市議会 > 2018-09-14 >
09月14日-03号

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  1. 北九州市議会 2018-09-14
    09月14日-03号


    取得元: 北九州市議会公式サイト
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    平成30年 9月 定例会(第3回)議 事 日 程 (第3号)                          平成30年9月14日(金曜日)午前10時開議(開 議)第1 一般質問(散 会)会議に付した事件日程第1 一般質問出席議員 (56人)   1番 上 野 照 弘  2番 吉 田 幸 正   3番 佐 藤   茂  4番 田 仲 常 郎   5番 渡 辺   均  6番 奥 村 祥 子   7番 戸 町 武 弘  8番 香 月 耕 治   9番 片 山   尹  11番 佐々木 健 五   12番 井 上 秀 作  13番 日 野 雄 二   14番 村 上 幸 一  15番 鷹 木 研一郎   16番 西 田   一  17番 宮 﨑 吉 輝   18番 田 中   元  19番 吉 村 太 志   20番 佐 藤 栄 作  21番 三 原 朝 利   22番 金 子 秀 一  23番 冨士川 厚 子   24番 渡 辺 修 一  25番 中 島 隆 治   26番 渡 辺   徹  27番 本 田 忠 弘   28番 岡 本 義 之  29番 成 重 正 丈   30番 山 本 眞智子  31番 木 下 幸 子   32番 村 上 直 樹  33番 松 岡 裕一郎   34番 木 畑 広 宣  35番 世 良 俊 明   36番 森   浩 明  37番 森 本 由 美   38番 浜 口 恒 博  39番 白 石 一 裕   40番 大久保 無 我  41番 奥 村 直 樹   42番 中 村 義 雄  43番 河 田 圭一郎   44番 福 島   司  45番 三 宅 まゆみ   46番 大 石 正 信  47番 田 中 光 明   48番 荒 川   徹  49番 石 田 康 高   50番 柳 井   誠  51番 出 口 成 信   52番 山 内 涼 成  53番 高 橋   都   54番 藤 沢 加 代  55番 藤 元 聡 美   56番 讃 井 早智子  57番 村 上 さとこ欠席議員 (1人)   10番 中 島 慎 一説明のために出席した者の職氏名 市長      北 橋 健 治  副市長     梅 本 和 秀 副市長     松 元 照 仁  副市長     今 永   博 会計室長    石 井 佳 子  危機管理監   東   義 浩 技術監理局長  石 松 毅 彦  企画調整局長  大 下 徳 裕 総務局長    小 林 一 彦  財政局長    小 牧 兼太郎 市民文化 スポーツ局長  久保山 雅 彦  保健福祉局長  阿 髙 和 憲 子ども家庭局長 江 副 春 之  環境局長    近 藤   晃 産業経済局長  加茂野 秀 一  建設局長    横 矢 順 二 建築都市局長  柴 田 卓 典  港湾空港局長  木 本   仁 消防局長    土 田 久 好  上下水道局長  有 田 仁 志 交通局長    吉 田 茂 人  病院局長    古 川 義 彦 公営競技局長  上 野 孝 司  教育長     垣 迫 裕 俊 行政委員会 事務局長    小 坪 浩 子職務のために出席した事務局職員の職氏名 事務局長  窪 田 秀 樹  次長        古 澤   玲 議事課長  馬 場 秀 一             ほか関係職員                  午前10時00分開議 △日程第1 一般質問 ○副議長(木下幸子君) ただいまから、本日の会議を開きます。 本日の議事は、お手元配付の議事日程により進行いたします。 日程第1 一般質問を行います。26番 渡辺徹議員。 ◆26番(渡辺徹君) 皆さんおはようございます。きょうは一般質問の第1番、トップということで、始めよければ全てよしということですので、市長並びに各局長、それなりの答弁よろしくお願いいたします。 それで、また、きょうは足元の悪い中、こういう傍聴においでいただきまして本当にありがとうございます。 それでは、早速始めさせていただきます。 初めに、災害対策についてお伺いします。 平成30年7月豪雨では、西日本を中心に記録的な大雨となり、平成以降では初めて死者が200人を超える大きな災害が発生しました。本市でも人的被害、住宅被害、崖崩れなどが多数発生し、甚大な被害となりました。門司区奥田では、御夫婦が土砂災害に見舞われ、とうとい命をなくされました。門司区の議員として痛恨のきわみでございます。改めまして、謹んでお悔やみを申し上げますとともに、被災された方々に対しお見舞い申し上げます。今回の災害を決して忘れることなく今後の災害対策に生かしていただきたいとの思いを込めて、数点お尋ねいたします。 1点目に、市長は奥田の被災現場に足を運ばれたそうですが、現場を視察されての感想とともに今後の復旧や災害対策についての決意をお聞かせください。 2点目に、今回の豪雨により多くの課題が浮き彫りになってきました。崖崩れによる土砂災害、特に川の氾濫、雨水による浸水被害の拡大です。特に門司区は、門司駅前、門司港駅付近などの平地や、相割川、スタヌキ川、高瀬川などの周辺の浸水被害が多く見られます。こうした現状を踏まえると、根本的に河川の治水対策に取り組む必要があると考えますが、見解をお伺いします。 3点目に、倉敷市では、今回の豪雨の犠牲者の大半が70歳以上の高齢者だったそうです。ひとり住まいの方が多く、夜間に自力で動くことの難しさや情報不足が避難のおくれにつながり、犠牲を出してしまったとされています。こうした教訓を生かし、高齢者だけでなく、障害者や外国人など、要配慮者の避難を少しでも円滑に進めるよう、地域の実情に応じた手だてを講じていく必要があると思いますが、見解をお聞かせください。 次に、北九州空港の活性化についてお伺いします。 まず1点目に、本市ではこれまで北九州空港に路線を誘致し、利用者をふやすためのさまざまな事業に取り組んでまいりました。その結果もあり、平成29年度の空港利用者数は約164万人、前年度比で117%と大きく増加しました。その内訳を見ると、東京、名古屋、沖縄の国内定期便3路線は135万人、前年度比104%、大連、仁川、釜山の国際定期便3路線が約25万人、前年度比で335%と、国内、国際いずれも過去最高記録を更新するという大きな成果を上げています。更に、本年5月には韓国の襄陽線、務安線が就航し、10月には台湾・台北線が新たに就航する予定です。これらの路線が今後定着し、北九州空港が更なる飛躍を遂げることを大いに期待いたします。 また一方、特にジンエアー韓国路線の利用状況について、インバウンド需要に依存しているといった課題があります。今後、路線の安定化に向けてアウトバウンドの集客対策にも努めていくと聞いていますが、具体的にどのような対策を講じるおつもりかお聞かせください。 2点目に、北九州空港の滑走路延伸についてお伺いします。 現在、北九州空港の滑走路は2,500メートルで、長距離向けの大型航空機が就航するには重量制限があるとお聞きします。特に、貨物拠点化を標ぼうしている北九州空港にとって、一般に大型の航空機が使われる貨物専用機の就航が制限されることは好ましいことではなく、また、福岡空港の運営事業者が提案している北九州空港への貨物専用機を誘致する上での足かせにもなり、福岡空港との連携を深めていくことにも支障を生じるものと考えます。福岡空港との連携を深め、広く福岡県域の航空ネットワークを充実させるためにも、大型航空機の就航に制限がなくなるよう、3,000メートル級の滑走路延伸の実現に向けて取り組みを強化していただきたいと考えますが、見解をお聞かせください。 次に、ベンチャー企業の創出、育成についてお伺いします。 本市では、平成25年3月に策定した北九州市新成長戦略の中で、ベンチャー企業の創出、育成を重要な戦略の一つと位置づけ、スタートアップ企業に寄り添う支援により、日本一起業しやすい街を目指しています。平成27年4月には、起業を目指す人たちが交流できる場として北九州スタートアップネットワークの会を立ち上げ、法律や融資に関する相談や先輩企業によるアドバイスが気軽に受けられ、参加者同士が課題解決や新たなビジネスを生み出すような成果にもつながっていると聞いています。 更には、本年6月、創業支援施設である北九州テレワークセンターを国内最大級のコワーキングスペース、コンパス小倉としてリニューアルオープンさせ、スモールビジネスから世界に通用するグローバルビジネスまで、町ぐるみで創業を応援する取り組みをスタートさせました。この取り組みが創業を志す人たちを後押しするものとなることを期待していますが、一方で克服すべき課題もあります。 私は先日、京都市のものづくりベンチャー戦略拠点事業を見てまいりました。そこで課題となっているのが、試作を制作し、量産化に行き着くまでの間に挫折してしまうベンチャー企業が非常に多いということです。京都市では、他都市との連携により量産化を支援する企業ネットワークを形成し、支援を行っているとのことです。本市には、官営八幡製鉄所の創業以来100年を超えるモノづくりの歴史の中で培われてきた技術と人材という大きな財産があります。この財産を生かしてコンパス小倉を中心にこれからの若い人たちのビジネスを力強く支援していただきたいと思います。 そこで、2点お伺いいたします。 1点目に、コンパス小倉がリニューアルしてから3カ月がたちますが、コンパス小倉ではどのような支援を行っているのかお聞かせください。また、この施設の利用状況やその手応えについてお伺いいたします。 2点目に、私も先日、コンパス小倉を訪問しましたが、休日に高校生向けの起業家育成に関するイベントが開催されており、活気ある様子をかいま見ることができました。若者へのアプローチは大変に重要であると考えます。そういった若者たちの知恵やアイデアを引き出す場所、また、経験を育む場所がまさにコンパス小倉になるものと考えますが、より多くの若者たちに利用してもらうためどのような工夫がなされているのか、また、今後の展開についてお聞かせください。 次に、都心、副都心の活性化についてお伺いします。 本市と西鉄バス北九州株式会社が共同で提案したJR小倉駅周辺と小倉都心部の主な観光、商業施設をつなぐ巡回バスの実証実験が観光庁の事業として12月から始まるとのことです。来年2月末まで続けて採算性が確認できれば、同社が本格運用を検討することになっています。私はこれまで北九州市内の主な観光地をめぐる巡回バス運行の提案をしてきましたが、今回小倉都心部のみとはいえ、新たに踏み出すことを大いに評価いたします。しかし、12月から2月という極めて寒い時期の実証実験であります。バス停の寒さ対策や特に外国人向けの無料Wi-Fiが使用可能となるような環境整備をお願いいたします。 さて、この巡回バスの運行予定ルート内にコレットがあります。ここはまさにバスの実験が終わる来年の2月末に閉店することが発表されました。非常に残念でありますが、ピンチをチャンスに変え、都心、副都心の活性化につなげていってほしいという気持ちを込めて、今後の対策についてお伺いいたします。 1点目に、本市は井筒屋がJR小倉駅前のコレットとJR黒崎駅前の黒崎店を来年5月までに順次閉店することを受け、8月17日に影響を受ける企業の経営に関する相談と従業員の再就職など雇用の相談を受ける2つの窓口を開設しました。当分の間ということですが、開設以来どの程度相談が寄せられていますか。また、現在経営相談と雇用相談を分散して行っているようですが、両者とも産業経済局が対応しており、ワンストップでの相談ができる体制をしくべきではないでしょうか、考えをお聞かせください。 2点目に、コレット近くにある魚町商店街振興組合の関係者は、買い物客を小倉市街に引きとめるため、コレットを含む大型店と連携して対策を打とうと協議を始めていたと述べています。コレット閉店後の後継店対策だけでなく、魚町商店街を含む小倉駅小倉城口周辺一帯の振興策、活性化策を講じることが重要と考えますが、本市の見解をお聞かせください。 3点目に、小倉以上に深刻な影響を受けるのが黒崎井筒屋の撤退です。本市の商業・サービス産業政策課によると、昨年10月の調査では、JR黒崎駅一帯には約380店舗あり、そのうち約70店舗が空き店舗になっているとのことでした。こうした状況の中、昼の顔とも言える唯一のデパートがなくなれば、地域経済に大きい影響が出ることは避けられません。本市として、黒崎地区の地域経済や市民生活に与える影響をどう考えているのか、見解をお聞かせください。 次に、ひきこもり支援策についてお伺いします。 内閣府が2015年に行った調査によると、15歳から39歳までのひきこもりの若者は推計で約54万人いるとのことです。2010年の調査時点より約15万人少ないものの、ひきこもりの期間は7年以上の人が約35%に及んでおり、長期化していることが浮き彫りになっています。加えて、ひきこもりの高齢化も大きな問題です。ひきこもりが長期化すると親も高齢となり、収入がなくなったり病気や介護で生活が困窮するケースも顕在化し、80代の親と50代の無職の子供が同居し、社会から孤立して困窮する状況は8050問題と呼ばれています。こうしたことから、新たな支援のあり方を考える段階を迎えているとして、内閣府は今年の秋に、40歳から64歳の中高年を対象としたひきこもり調査に乗り出すとのことです。5,000世帯から、本人や家族にひきこもりになった理由や家庭状況、必要とする支援などを尋ねる方針です。ひきこもりの人にどう社会で活躍してもらうか、訪問支援を含めたきめ細かな支援を強化する必要があると考えます。 そこで、3点お尋ねいたします。 1点目に、本市では、ひきこもり地域支援センターすてっぷにおいて18歳以上の方の個別相談や居場所づくり、家族交流会などの取り組みを行っています。一方で、ひきこもりの高齢化により、生活困窮を初めとするさまざまな問題が加わり、複合的に絡み合って、より深刻な状況になるケースがふえています。こうした状況に対処するためには、部局を超えた取り組みが必要かと思いますが、今後の対策についてお伺いします。 2点目に、ひきこもり地域支援センターすてっぷの事業報告には、今後の課題の一つとして、ひきこもりサポーターの養成、登録、派遣事業の検討が挙げられています。国においてもひきこもりサポーター養成研修や派遣事業を実施しているものの低調であり、さまざまな指摘を受け、今年度から事業の見直しを行っています。こうした中、本市におけるひきこもりサポーターの活用はどうなっているのかお伺いします。 3点目に、国は今年度、家族や友人、地域住民等との関係が希薄な、直ちに一般就労を目指すことが難しいひきこもりなどの支援メニューとして、地域におけるアウトリーチ型就労準備支援事業を実施しています。具体的には、対象者への訪問支援や身近でなじみのある地域の行事、商店街、企業等の就労体験先を開拓し、マッチング等を行う自治体に対して補助を行う事業となっています。本市においてもこの事業を活用し、ひきこもりの就労支援を充実させていくべきと考えますが、見解をお聞かせください。 最後に、関門地域の活性化についてお伺いします。 私は、本年2月議会で関門連携について質問させていただきました。関門海峡が関門ノスタルジック海峡として平成29年4月に日本遺産に認定されました。これは地域の歴史的魅力や特色を通じて我が国の文化伝統を語るストーリーを文化庁が遺産として認定するものであり、ストーリーを語る上で欠かせない魅力あふれる有形や無形のさまざまな文化財群を地域が主体となって総合的に整備、活用し、国内だけでなく海外へも戦略的に発信していくことにより地域の活性化を図ることを目的としています。 そこで、3点お尋ねいたします。 1点目に、関門にかかわるストーリーの構成文化財42件のうち、本市には26件が存在しており、これらを地域が主体となって総合的に整備、活用していくとのことですが、本市の構成文化財のうち、16件が国、県、市の文化財などの指定や登録を受けていません。文化庁は、日本遺産魅力発信事業の一環として、未指定の構成文化財を対象とした資料収集などの調査研究事業を推進することとしています。こうした現状について本市はどのように考えているのか、見解をお聞かせください。 2点目に、北九州市立大学が2016年に行った調査では、地域外の住民の半数以上が関門地域という名称、概念を知らないと答えており、特に若い世代や女性に顕著な傾向が見られるとのことです。また、関門地域は、美しい、変化に富んだというポジティブなイメージとともに、寂しい、古いというネガティブなイメージもあり、対外的な都市イメージの向上戦略を実施することにより、地域の知名度向上や観光資源の広報につながるとしています。そこで、関門地域以外の人々、特に若者や女性をターゲットにしたネガティブイメージを逆手にとるぐらいの広報戦略によりイメージアップを図り、認知度を高めていく必要があると考えます。市として今後の関門地域のイメージアップや認知度向上についてどのように考えているのかお聞かせください。 3点目に、公益財団法人アジア成長研究所は、2015年3月、北九州市活性化のために必要な国の規制改革を公表し、その中で北九州の観光施設の整備を主張しています。着地型観光の充実のため産業遺産群を関門海峡の眺めと連携させる必要があり、特に関門海峡の眺めを見ながら勉強できる幕末の古戦場博物館をつくることは北九州ならではの観光資源をつくり出すことになると提案しています。関門海峡は、日本史の表舞台に幾度となく登場してきた場所です。例えば現在、城跡が残っている門司城は、源平合戦の折、平知盛が築城したと伝えられており、関門海峡や関門橋を一望できるすばらしい場所にあります。そこで、このような場所に歴史を感じつつ、絶景を楽しむことのできる記念館や資料館といった滞留型の施設をつくることを検討してはどうかと考えますが、本市の考え方をお聞かせください。 これで私の第1質問を終わります。ありがとうございました。 ○副議長(木下幸子君) 市長。 ◎市長(北橋健治君) おはようございます。渡辺徹議員の御質問にお答えいたします。 まず、災害対策であります。 今回の豪雨では、本市でも初めて大雨特別警報が発表されるなど記録的な大雨で、市内各地に甚大な被害が出ました。7月6日の朝、奥田一丁目におきまして土砂崩れが発生し、2名の方が土砂に巻き込まれているという第1報を聞きました。お二人の無事を心からお祈りし、一刻も早い救出を指示し、早い段階から自衛隊へも出動の要請を行ったところです。しかし、お二人ともお亡くなりになるという最悪の結果となったことは、まことに痛恨のきわみであります。私も9日に災害現場に出向きました。都合3回、現場に行っておりますが、山肌が数十メートルにわたり崩れ落ち、土砂が家屋を直撃するという、余りに壮絶な現場を目の当たりにしまして、自然災害の恐ろしさに大変大きな衝撃を受けたところです。 この場所が土砂災害警戒区域、いわゆるイエローゾーンで、土砂崩れが発生した時点では避難情報を発令していない区域だったため、人命の保護を第一に避難勧告などの発令の運用を見直すことにいたしました。これまでは、まず、土砂災害特別警戒区域、いわゆるレッドゾーンに避難勧告などを発令し、大雨特別警報が発表されると、イエローゾーンまで段階的に拡大しておりました。これを最初からイエローゾーンまで拡大した上で、今回の豪雨により被災し、危険だと思われる箇所を加えまして一斉に発令するといたしました。今回の豪雨災害で、市民の命を守るという市の責務の重さを改めて痛感をしております。再び犠牲者を出さないという強い意志を持って、市民の安全確保のために全力で取り組んでまいります。 今回の豪雨では、道路、河川の損害だけでなく、民地を含む崖で多くの被害が発生しております。既決の予算により既に復旧に着手したものもありますが、補正予算にも災害復旧費などの経費を計上しております。今後、スピード感を持って取り組んでまいります。また、これまで要望の多かった民地の崖崩れへの対応につきましては、既存の支援制度に加え、本市が創設、拡充した事業などをフルに活用して市民に寄り添った支援を鋭意進めてまいります。 次に、北九州空港の活性化について、どのようなアウトバウンド集客対策を講じるかという御質問がございました。 空港の利用促進は、本市の地方創生戦略における重要な政策の一つであります。平成32年度までに空港利用者の数を200万人にするという数値目標、KPIを掲げております。このKPIの達成に向けて、知事とのトップ会談において平成28年度からの3カ年を北九州空港将来ビジョン推進強化期間と位置づけ、福岡県との連携のもとでこれまで以上に路線誘致に熱心に取り組んでまいりました。その結果、国際6路線、国内1路線が新たに就航又は就航予定であり、昨年度過去最高の利用者数を記録するという成果を上げることができました。これも市議会、産業界を初め、市民各界の皆様の御尽力のたまものであります。この場をおかりして心から御礼を申し上げたいと思います。 ジンエアーの韓国路線でありますが、昨年度の国際定期路線の9割以上がジンエアー、仁川線、釜山線の利用者です。両路線が国際線の基幹路線だと考えます。利用状況は、仁川線の利用者が14万6,000人、利用率は75.5%です。釜山線が8万2,000人、利用率72.6%となっています。一方、その内訳は、利用者の9割以上が外国人であります。韓国からの旺盛なインバウンド需要に依存しているという現状にあります。私自身、ジンエアーの社長と数回、直接お会いして、利用促進に関する協議を行ってまいりました。その中でも路線の安定化にはアウトバウンド対策が重要課題ということを強く認識しております。 そこで、関係部局のみならず、市役所一丸となって韓国路線の利用促進を図るよう指示しております。これまで北九州圏域を中心に、山口県、大分県など広域においてさまざまなアウトバウンドの集客対策を講じております。具体的には、路線を広く周知するための方策として、テレビ、新聞、雑誌の活用やチラシ配布などの街頭PR、多くの来場者が見込まれるイベントへの出展など、集客活動の強化に努めております。また、ターゲットを絞った方策として、韓国との関連が深い団体への訪問や、海外出張が見込まれる企業に対し、仁川空港経由で世界各国への渡航を提案するなど、個別の営業活動も展開しております。また、北九州空港の利用を促すためのキャンペーンとして、空港駐車場の2日間無料や、8月にはパスポートを取得しての韓国便利用者に対する最大5,000円の支援も新たに開始いたしました。 このような集客対策を講じてきた結果、今年度は前年の2倍以上の日本人がジンエアーを利用し、利用者に占める日本人の割合もこれまで1割弱だったものが2割弱まで向上するなど、着実に成果が上がってきております。今後も路線安定化に向け、これまでの集客対策の効果を見きわめながら、福岡県、周辺市町などとの連携のもとで、より効果的なアウトバウンド対策を講じてまいります。 次に、ベンチャー企業の創出、育成について、特により多くの若者たちに利用してもらうため、どのような工夫をされているかと、そういう御趣旨の御質問がございました。 本市では、日本一起業家に優しい町を目指して、町全体をインキュベーションエリアとして捉え、町ぐるみで起業を応援する体制を整えてまいりました。その中で、コンパス小倉を起業支援の中核施設と位置づけ、6月にリニューアルオープンいたしました。起業に関する情報の発信やさまざまな主体との交流を通じた新たなビジネス創出などに取り組んでおります。 リニューアルのポイントですが、内装を明るくし、イベントスペースやカフェバーを設置しました。また、17時だった閉館時間を22時まで延長し、土曜日も開館するようにいたしました。また、オフィスについては、コワーキングスペースを新たに増設し、企業の成長段階に応じて柔軟に選択できるようにしました。同時に、多様な交流を生む仕掛けとして各種セミナーやイベントを開催しております。また、創業の個別相談に応じ、支援機関や専門家、先輩起業家を紹介するなど、伴走支援を行っております。このようにハード、ソフトの両面から機能を大幅に見直しました。その結果、6月のリニューアルから8月末までの現状でありますが、個人を含む入居企業の数が17社から40社に増加しております。イベント開催数が26回、来館者が延べ約6,500人となっています。 若い世代の起業に関するアプローチであります。 新しいビジネスや社会課題の解決に取り組んでいる先輩起業家に触れてもらうことでチャレンジ精神を学ぶ場として活用していただきたいと考えております。そのきっかけづくりとして高校生を対象に、元アイドルのユーチューバーと一緒に起業について考えるイベントやユニークな起業家とのワークショップなどを開催しております。 ベンチャー企業のモノづくりに関する支援体制であります。 一般にベンチャー企業は、アイデアを形にすることが極めて難しいと言われています。本市ではそのような課題に応えるため、最先端の加工機械を有する北九州高専やプロダクトデザインに知見のある西日本工業大学とモノづくり支援の協定を結びました。このような支援体制を生かして、昨年度、全国の起業家を対象にIoT製品とビジネスプランを短期間でつくり上げるコンテスト、北九州でIoTプロジェクトを実施しました。応募には全国から85件、この中には首都圏など市外から56件が含まれます。このビジネスプランが寄せられるなど、大きな反響がありました。コンテストで採択された案件は、北九州高専で試作品を製作し、地元の中小企業と連携し、さまざまなアドバイスや技術支援を行い、事業化をサポートしました。その結果、首都圏のベンチャー企業が本市に新たな開発拠点や新会社を設立するなどの動きにもつながっております。この中で最速の案件として、猫のIoTトイレがスタートから9カ月後に商品化され、8月8日の発売以来、現在までに1,000台以上が売れております。起業家からは、他の都市では難しい案件が北九州では実現できたと感謝の声が寄せられております。 コンパス小倉のリニューアルから約3カ月が経過し、ベンチャー企業の集積、交流の活性化を通じて、更なるビジネス創出に大きな手応えを感じております。今後もこの町の財産を生かしたさまざまな仕掛けを工夫することで、地域の創業支援の中核施設として役割を果たしてまいりたいと考えております。 残余の質問は、関係局長からお答えさせていただきます。 ○副議長(木下幸子君) 建設局長。 ◎建設局長(横矢順二君) 災害対策のうち、門司区の相割川、スタヌキ川、高瀬川などの治水対策についてお答えいたします。 本市の河川整備につきましては、水害が発生した際、甚大な被害となる紫川など一、二級河川では、河川法で定める整備計画を河川管理者の国や県が作成し、計画的に治水対策に取り組んでおります。一方、比較的規模が小さい準用、普通河川につきましては整備計画の策定が定められていないことから、浸水実績などを考慮し、河川管理者である市が緊急度の高い河川から整備を行っております。 今回の豪雨において門司区で時間70ミリの雨を記録し、相割川やスタヌキ川、高瀬川を含む12の河川でいっ水、川から水があふれることでございますが、市民の皆様に御迷惑をおかけいたしました。いっ水した河川につきましては、これまでに土のう設置や流木撤去など、応急的な対応はおおむね完了しております。 二級河川の相割川では、昭和63年から本市で河川改修に取り組んでおり、完成した区間ではいっ水は発生せず、整備効果はあらわれてきております。今回、浸水被害が起きた箇所は、現在河川整備に取り組んでいる区間であり、まずは災害復旧を早急に行い、河川整備も着実に推進を図ってまいりたいと考えております。 普通河川のスタヌキ川、高瀬川につきましては、これまで高潮対策を目的としました高さ1メートル程度のパラペットの築造工事を行ってきました。今回の浸水は、いっ水した水がうまく排水できない箇所や支流との合流部などで起きており、今後原因を調査し、関係部局と連携し、短期対策や中期対策の検討を行うこととしております。 今回、浸水被害が発生した市内の他の河川におきましても、地元の方々より早期対策を望む声をいただいております。引き続き護岸の整備や堆積した土砂の撤去、パラペットの築造などの対策を進めることで河川の治水安全度の向上を図り、市民の安全・安心の確保に努めてまいりたいと考えております。以上です。 ○副議長(木下幸子君) 危機管理監。 ◎危機管理監(東義浩君) 災害対策のうち、要配慮者の円滑な避難のため、地域の実情に応じた手だてを講じる必要があるのではないかとの御質問にお答えいたします。 本市では、避難行動要支援者避難支援事業として自治会などを中心に、避難の際に支援が必要な一定の要件を満たす高齢者や障害者の方々の避難誘導や福祉避難所での受け入れを支援する仕組みを設けてございます。また、外国人向けの取り組みといたしまして、本市や北九州国際交流協会のホームページなどにおきまして多言語による情報発信を行っているところであります。こうした取り組みのほか、防災リーダー研修や社会福祉協議会によります福祉救援体制づくりなどで共助の大切さをお伝えし、配慮が必要な方の避難行動を助ける地域主体の活動への理解を深めたいと考えてございます。 これらに加え、みんなde Bousaiまちづくり推進事業は、地域の連絡網や避難態勢などを地区防災計画として取りまとめるものでありまして、みんなで助け合う仕組みづくりの支援を行っております。これまでの実施校区の中で、今回の豪雨の際、高齢者福祉施設の地域の会議への参加によって要配慮者を当該施設に受け入れてもらったといった事例も見られ、今後も事業を推進してまいりたいと考えております。このみんなde Bousaiまちづくり推進事業を初め、地域住民の参加するさまざまな取り組みとも連携しながら、今後も地域の実情に応じて迅速な避難ができる仕組みづくりを支援してまいりたいと考えてございます。以上でございます。 ○副議長(木下幸子君) 港湾空港局長。 ◎港湾空港局長(木本仁君) 北九州空港の滑走路延伸に向けた取り組みについての御質問にお答えいたします。 滑走路の3,000メートル化を含めた北九州空港の施設や機能の拡充については、今日まで市議会を初め各界の皆様の御協力を得ながら、国に対する働きかけを行ってきたところでございます。国への要望事項の中でも滑走路の3,000メートル化は優先的に取り組むべき項目であると考えております。 滑走路の延伸に向けました実際の取り組みとしては、これまで主に航空貨物の定期便やチャーター便などで北九州空港への大型航空機の就航需要を示してまいりました。記憶に新しいところでは、本市の誘致活動が実りまして、本年4月と6月の2回にわたりまして、全国的にもまれな超大型の貨物専用機アントノフによりますシーアンドエア輸送の実現をいたしまして、更なる成果を上げたところであります。こうした特殊な航空機や貨物のハンドリング経験により培われたノウハウは、他空港にない大きな特徴になってきております。その一方で、滑走路が2,500メートルであるため、就航実現に至らなかった事例も多数ございます。国に対しては、こうした逸失機会の情報もあわせまして、実績とポテンシャルを示してきたところであります。 いずれにしましても、北九州空港の滑走路の3,000メートル化のためには、国に対する実績のアピールを続けていくことが重要であると考えており、更なる利用促進に取り組み、一日も早い滑走路の3,000メートル化の実現に向け全力で取り組んでまいる所存でございます。以上でございます。 ○副議長(木下幸子君) 産業経済局長。 ◎産業経済局長(加茂野秀一君) 幾つかの御質問にお答えいたします。 まず、井筒屋関連の相談窓口についてです。 本市では、7月31日の井筒屋閉店発表後、直ちに同社を訪問し、営業終了に至る経緯や従業員の処遇についてヒアリングを行いました。また、8月10日には、井筒屋が主催した取引先テナント説明会に参加しまして、市における支援内容について直接説明を行いました。更に8月17日には、中小企業振興課と雇用政策課に特別相談窓口を設置し、市のホームページ上で周知したところでございます。 9月10日現在で、相談問い合わせ件数は25件でございます。閉店まで期間があることから、経営に関する相談はなく、再就職の相談が1件、逆に離職する従業員を自社で雇いたいという問い合わせなどが24件でございます。御指摘のとおり、相談窓口は分かれておりますが、どちらに相談がありましても、ニーズに沿った丁寧な対応ができるよう情報交換を密に行い、必要に応じて2つの課の担当者が同席して応対するということにしております。今後、相談内容が多岐にわたるなど、相談窓口での対応が混雑する場合には、利便性向上のため一本化も検討してまいります。 次に、小倉城口周辺の活性化策と小倉地区への影響についての見解にお答えいたします。 小倉駅小倉城口周辺の活性化策につきましては、近年増加するインバウンド客による町なか消費の拡大を狙いまして、小倉城周辺魅力向上事業の実施、国家戦略特区を活用したエリアマネジメント、英語版及び韓国版のグルメマップの作成、留学生によりますモニタリングツアーの実施、ループバスの実証実験、キャッシュレス決済の実証実験、SNS活用などをテーマとした定期的な勉強会の開催などに取り組んでおります。市としましては、このような取り組みをより一層積極的に行い、商店街など町全体の魅力を磨き上げ、新たな需要を取り込むことで、小倉駅周辺のにぎわい創出に努めてまいりたいと考えております。 一方、黒崎地区につきましては、地元百貨店の閉店によって町が寂しくなり、買い物に不自由を感じる方もいらっしゃると考えております。施設を所有するメイト黒崎は、井筒屋黒崎店の退店後も引き続き営業を続けるとともに、新たなテナント誘致を初めとした施設の活用等について関係者と協議を行っているところでございます。 黒崎地区は交通の結節点であり、病院や図書館、商業施設などの都市機能が充実していることから、近年居住人口が増加しております。そのような中、国家戦略特区のエリアマネジメントを活用したにぎわい創出イベントの開催、商業者が消費者にノウハウを伝授する黒崎まちゼミの実施、大乾杯イベントの開催、若手経営者による商店街のリノベーションなど、これまでにない動きが出てきております。今後とも熱意を持ってみずから行動する事業者にしっかりと寄り添い、商業者のニーズに応じることでエリアの魅力向上に努めてまいりたいと考えております。 都心、副都心における井筒屋退店後の施設の活用につきましては、施設所有者が会社の理念や経営の観点から株主や地権者、金融機関等と協議し、今後の施設運営の方針を検討しているところでございます。市としては両施設が今以上に魅力あるものになるよう期待しておりまして、所有者と密に連絡をとり合いながら、要請に応じて県や商工会議所等と連携して施設の再生に向けて最大限の支援をしていきたいと考えております。 次に、関門地域の活性化のうち、歴史や絶景を楽しむ施設についての御質問にお答えします。 関門海峡は、数々の歴史舞台となってきたことに加え、高台から臨む眺望はすばらしく、貴重な観光資源でございます。門司港レトロエリアには、関門海峡を臨む眺望を生かして海峡をテーマとした関門海峡ミュージアムを本市と福岡県が共同で整備しており、年間約50万人の観光客が訪れる同地区の主要な観光施設となっております。本施設は開館から15年が経過したことから、新たな観光資源として磨き上げを行うため、国の地方創生推進交付金を活用し、現在展示更新に取り組んでいるところであります。 更新の主な内容としましては、4階のプロムナードデッキでは豪華客船内をイメージした空間で眺望を楽しむエリアを無料で提供いたします。中央の海峡アトリウムでは、関門海峡の一日や古今海峡絵巻をテーマとして巨大なスクリーンに高解像度の映像を投映し、照明、音響演出とあわせ、来館者に楽しんでいただきます。3階では、関門海峡の歴史を人形で再現した海峡歴史回廊を強化して、関門海峡の歴史を学べるようにいたします。本施設はまさに絶景を楽しむことを主眼に来年秋のリニューアルオープンを予定しており、議員御提案の滞留型施設につきましては、本施設のリニューアル後の状況を見きわめながら研究してまいりたいと考えております。以上です。 ○副議長(木下幸子君) 保健福祉局長。 ◎保健福祉局長(阿髙和憲君) ひきこもりの支援について3点お答えいたします。 まずは、ひきこもりの高齢化で、より深刻な状況になるケースがふえていて、部局を超えた取り組みについて今後の対策を問われました。 議員御指摘のように、親の介護や生活困窮などの複合的な不安を抱えた40代以上のひきこもり世帯のニーズに十分に対応するというのは現実になかなか困難な場合が多いです。実際に平成29年10月から11月にかけて行いました、先ほど質問の中でも出てきましたが、すてっぷ利用者へのヒアリング調査をやりましたが、まず40歳をタイムリミットと意識して就職への焦りがある、それから自分は社会へ出て働けるのか全く自信がない、更には親がいなくなった後、子供はどうやって食べていくのか、こういった当事者や家族から切実な悩みが多く寄せられております。また、地域包括支援センターが介護に関する相談のために高齢者宅を訪問したところ、支援を必要とする40代のひきこもりの子供さんが同居していたという事例もございます。 こうしたことから、今後は長期化、高齢化した当事者や家族の悩みに対応するために、これまでの青少年支援のネットワークとあわせて高齢者支援や生活困窮者支援なども含めたチームアプローチの強化が必要と考えております。具体的には、まず行政の関係部局による協議の場を設置いたしまして、今後予定されております国の調査結果も参考にしながら、どのような支援が有効であるか検討してまいりたいと考えております。 2点目に、本市のひきこもりサポーターの活用状況について問われました。 国のひきこもりサポーター養成研修、派遣事業、これはひきこもり経験者の社会参加にもつながる試みでありますが、ひきこもりの訪問相談に当たりましては、精神疾患の見きわめなど、高い専門性が求められることがありまして、全国的には実施はなかなか広がっておりません。本市では現在のところ、サポーター事業の導入には至っていないという状況でございます。 その一方で、すてっぷでは毎週の茶話会、やわらかカフェといいますが、これを初め写真、合唱などのサークル活動、保護者による語り合いの会など、当事者が主体となった支え合い活動を展開しておりまして、不安を抱えたひきこもりの方の総合支援の場として定着しているところであります。 こうした試みは他都市でも広がりつつあり、国におきましても戸別の訪問から集団活動へとひきこもりサポーターの活動の場を広げるために平成30年度からはひきこもりサポーター事業の内容を一部見直して、家族会、当事者グループと連携した居場所づくりへの支援を事業内容に追加したところでもあります。このため本市におきましても、今後はひきこもりサポーターの養成や活用も視野に入れながら、すてっぷの魅力を生かした当事者活動の更なる強化について検討してまいりたいと考えております。 最後に3つ目ですが、地域におけるアウトリーチ型就労準備支援事業、これについてお尋ねがありました。 そのすてっぷでは、当事者の思いに寄り添いながら無理のない形で社会参加や就労が体験できるように、すてっぷの活動を支援する個人や団体で構成された縁が輪ネットワークというのがありますが、この関係者とともに飲食店やコンビニエンスストアでのアルバイト、スポーツイベントでのボランティア体験など、さまざまな試みを進めてきております。 例えば、一例を申しますと、飲食店の就労体験の事例ですが、店主がすてっぷからの申し出に応じていただきまして、当事者を受け入れていただいて、少しずつ仕事を任せる中で、本人の抱える生きづらさとか純粋さ、真面目さ、ひたむきな思いといった、その方の当事者の魅力をよく理解していただいて、君だったらできるからと励ましていただいて、ハローワークへの相談を後押ししたということが、その結果、就労につながったという例もあります。 今回、国が示した地域におけるアウトリーチ型就労準備支援事業は、当事者にとって身近でなじみのある地域の行事、商店街、企業などを活用した就労体験の取り組みが有効であるとの考えのもとで地域で就労体験先の開拓やマッチングの取り組みを推進しようとするものであります。仮にこの国の事業を取り入れる条件が整えば、就労体験の場所や体験回数の拡大につながるということで、可能性がより広がるのではないかと考えております。本市では今後ともひきこもりを経験した人が自分らしい働き方を選ぶことができるよう、まずは先ほどお答えいたしました協議の場において、就労体験の方法や体験先の開拓について検討してまいりたいと考えております。以上です。 ○副議長(木下幸子君) 市民文化スポーツ局長。 ◎市民文化スポーツ局長(久保山雅彦君) 関門地域の活性化についてのうち、日本遺産に関する質問にお答えいたします。 日本遺産とは、地域の文化伝統を語るストーリーを文化庁が認定する制度でありまして、本市では下関と共同で関門ノスタルジック海峡~時の停車場、近代化の記憶~というストーリーとして提案し、平成29年4月に日本遺産として認定を受けました。 構成文化財についてですけれども、関門地域にはレトロな建造物群など、ストーリーを語る上で不可欠な魅力ある文化財が数多く存在をしております。これらの魅力を発信するため、指定等を受けていない文化財についても既に資料収集等を行いまして、公式ホームページでの紹介や案内板の設置等の取り組みを進めているところであります。 文化財の指定についてですけれども、文化財の指定に当たりましては、所有者の意向と学術上の知見に基づいた調査が必要となります。また、指定等を受ければ、修理に係る助成措置等がある一方で、現状変更に規制が課されるといった課題もございます。 今後とも日本遺産を国内外に広く発信し、多くの方が関門地域に訪れるように取り組むとともに、文化財の指定につきましては所有者の意向を踏まえ、適切に対応していきたいと思っております。以上でございます。 ○副議長(木下幸子君) 企画調整局長。 ◎企画調整局長(大下徳裕君) 最後に、関門地域の活性化のうち、関門地域のイメージアップや認知度向上についてお答えいたします。 関門地域は世界に誇れる海峡の景観を初め、歴史や文化、食など、人を引きつける魅力の宝庫でありまして、観光地として潜在力がとても高い地域であります。関門地域に寂しい、古いといったイメージを持つ方もいるとの調査もありますが、実際に訪れた観光客からは、落ちついた雰囲気でゆっくり過ごせた、歴史を感じられるすばらしいところだったといった好意的な声も多く聞かれます。この関門地域の魅力を地域ぐるみで広く発信し、認知度向上を図るとともに、実際に訪れた観光客がその魅力を体験し、再発信するという好循環につながる取り組みが重要でございます。 そこで、関門地域の持つ歴史、文化、そしてゆかりの人物など、独自の魅力を絡めて発信する取り組みを始めました。第一弾として、世界的に有名な宮本武蔵に思いをはせるツアーの企画を民間事業者と一緒に行いまして、間もなくツアーが商品化される見込みでございます。また、外国人観光客、特に若者、女性をターゲットとした認知度向上策といたしまして、関門の景観を生かしたフォトウエディングと周辺地域の観光とを組み合わせた旅行商品づくりにも取り組んでおります。撮影された場所はフォトスポットとしてSNS等を通じて広く再発信され、地域のイメージアップにもつながっております。更にこれらの取り組みを進める中で、外国人による起業の動きも生まれておりまして、今後フォトウエディングの聖地と呼ばれるように地域として盛り上げてまいりたいと考えております。 地域のポテンシャルを最大限に活用していくことは、地方創生を図る上で極めて重要でございます。今後も下関との連携のもと、関係事業者との協力を更に強め、関門地域のイメージアップや認知度向上に努めてまいりたいと考えてございます。以上であります。
    ○副議長(木下幸子君) 26番 渡辺徹議員。 ◆26番(渡辺徹君) 御答弁大変にありがとうございました。 市長におきましては、災害時に門司の奥田まで足を運んでいただきまして、地域の皆さん大変感謝申し上げております。 ベンチャー企業のことに関しましては、私が2質で考えていたことまで触れていただきましたので、質問が1つ減りましたけど、しっかり対応していきたいと思います。 まず、災害対策なんですが、一応根本的なことでちょっとお聞きしたいんです。今回の災害は大変いろんな意味で初めてというか、皆さんいろんな想定外ということで、いろんな形で今協議していただいております。建設局長も今からしっかりそういった整備もやっていくということをお聞きして、もう大変安心しました。 ただ、門司区は他区に比べて非常に平地が少ないということです。それで、急傾斜地といいますか、そういったところに山合いに多くの住宅があるわけであります。その少ない平地の中でも市街化調整区域に指定されている区域ばかりで、宅地開発が全くできないというのが今回、余計露見されたと思うんです。ですから、もう大変厳しい難しい問題ではあるとは思いますが、こういった現状を踏まえて、災害時の被害を減らす観点から必要と考える場合は、市街化調整区域を市街化区域に編入する検討を、そういったところをしっかり、人の命、財産を守るためにということで、やはり大分放置された土地もありますので、見直しをぜひしていただきたい。これについては余りいい答弁はできないかもしれませんけど、ぜひ聞かせていただきたいと思います。 ○副議長(木下幸子君) 建築都市局長。 ◎建築都市局長(柴田卓典君) 本市では、人口減少ということで、持続可能なコンパクトなまちづくりを目指しております。そういった中で災害時の被害を減らすという観点での市街化調整区域を市街化区域に編入するのはなかなか難しいところがございます。ただ、山合いの斜面地住宅、議員御指摘のとおり、土砂災害危険区域とか宅地造成の危険区域、こういったのが広くございます。そういった部分で、そういったところは空き家っていう問題も大きくなってきておりまして、防災上の課題に加えまして地域コミュニティーや居住環境の課題というのもございます。こういった部分を対象としまして、この斜面地の住宅地のあり方をどうしていくのかということを検討する必要があると考えてございます。 ○副議長(木下幸子君) 26番 渡辺徹議員。 ◆26番(渡辺徹君) ありがとうございます。 大変難しいことではありますが、ぜひいろんな協議をしていただいて、見直しをまたお願いしたいと思います。 今、局長から言われたんですが、空き家対策、これは公明党、実は100万人アンケートということで全国的にそういうことを実施させていただきまして、その中で防災のことでやはり一番気になるのがそういう空き家対策、こういった災害があった時点で、原因になるのがその空き家、そういったところからの被害とか、ですから持ち主がわからなくて大変困っているというふうな被害を受けた方だけが大変に苦慮しているというような現状もあったりしますので、そういった対策もぜひ引き続き頑張っていただきたいと思います。 続きまして、北九州空港のことについてお聞きしたいと思います。 これまず最初に、もう時間がありませんので、要望からさせていただきます。 災害時における北九州空港の活用策について、福岡大学の木下教授が興味深い提案をしておりまして、我が国に東海、東南海、南海の3つの連動型地震が発生した場合、羽田、中部、そして関西空港は津波の影響を受ける可能性があり、東日本大震災のときの仙台空港のようにしばらく機能が停止するのではないかとの指摘のもと、北九州空港はこれらのバックアップ拠点になり得るとの話があっております。そして今回、目の当たりにした2つの自然災害、9月4日、関西地方に甚大な被害を及ぼした台風21号では、関西空港が高潮被害を受け機能停止、今なお完全復旧にはまだ至っておりません。物流、人流などに大きな影響を及ぼしています。また、畳みかけるように9月6日未明に発生した北海道の胆振東部地震では、新千歳空港がビル被災し、丸一日機能を停止する出来事がありました。災害は予期せぬもので憂慮すべきことですが、北部九州は自然災害が少なく、その中で24時間使える北九州空港は今回のようにやむなく機能停止した他の空港をバックアップできる空港の一つだと思っております。 更に、こうしたバックアップの拠点性を高めていくためには、現在の連絡橋、1本しかありませんので、そういったものをしっかりとアクセス手段を海上とか鉄道、そういった複数のアクセス手段、経路を確保していくことが重要と考えており、特にアクセス面で機能強化に力を注いでいただきたいと、これはもう要望ですけども。いろんな北九州の方向性として200万人突破すれば鉄道がどうとか、いろいろあっていますが、北九州空港は今岸壁は完備されておりますので、そういったところで門司のフェリーにつなげるとか、それとかまた関西でいろんな周遊等をやっていますので、四国とかやっている、そういったところを直接北九州空港に着けていただいて、それから飛行機で帰っていただくとか、何か使い道はいろいろあると思いますので、そういったところをしっかりと講じていただきたいと思います。これはもう要望とさせていただきます。 それと、先ほどお話しした2,500を3,000メートルに延伸してくれということも結局はそういうバックアップ機能化を目指すためには大変必要なことだと思いますので、こういったときだからこそ、そういう理由をつけてぜひ3,000メートルも取り組んでいただきたいと、そういうふうに思っております。 また次に、これは質問と思ったんですが、要望というか、こういったことがあります。 実はコンパス小倉に私行ったときに、事業化に向けて高校生たちが自分はパンが好きやけど、年ごろですから多く食べると太るからカロリーがないパンをつくりたいということで、それを一生懸命になって大人の方と協議をして、じゃあこういうふうにしよう、ああいうふうにしようとかという話も熱心にやっている方、いろんな方がいらっしゃいました。そんな中でいろんなそういう子供たち、グループごとに分かれて、それでまた与えられたテーマをもとに事業化に向けたディスカッションをやっている様子が本当に頼もしく感じました。ある高校生は、御自身の考えを述べた、いろんな提案した後に、そうすれば北九州のためになるという言葉が自然と出ていたんです。高校生がそういうふうに北九州のためにということでしっかり発言ができる、その言葉に僕は感動をしました。そういうお子さんをしっかり守り育てるためにもこういったものを利用しながら、市長も大変力強い言葉をかけていただきましたが、時間がなくなりましたんで、以上で終わります。ありがとうございました。 ○副議長(木下幸子君) 進行いたします。15番 鷹木議員。                (副議長退席、議長着席) ◆15番(鷹木研一郎君) おはようございます。自民党の鷹木です。 このたびの自然災害で被災された全ての皆様にお見舞いとお悔やみを申し上げ、そして災害支援に当たられる自衛隊の皆様に心から敬意をあらわし、質問に入らさせていただきます。 ではまず、折尾地区総合整備事業についてお尋ねします。 現在、折尾駅周辺では、筑豊本線や鹿児島本線の高架工事が急ピッチで進んでいます。筑豊本線の高架橋はほぼ完成し、その上にホームなどの建築工事が始まった様子を見ることができます。昨年12月に駅の北側の学園大通りと国道3号を結ぶ折尾中間線が通行どめとなり、駅の西側へのう回路となる折尾堀川町線が供用を開始しましたが、これにより折尾駅周辺の交通環境は大きく変わりました。また、駅の北側では、折尾四丁目の交差点から駅を結ぶ歩行者通路や日吉台光明線の車道の段階的な切りかえなど、この事業がいよいよ完成に向かい本格化してきていると感じます。このような光景を見ると、私もこの事業の一日も早い完成を切に望むとともに、工事期間中も町のにぎわいを絶やさないように、これからも地域の方々と一緒になって折尾の町を盛り上げていきたいという思いがますます強くなってきているところです。 そこで、2点お伺いします。 まず、連続立体交差事業について、平成30年度末に筑豊本線の高架切りかえを行う予定だと聞いています。筑豊本線の高架切りかえは、駅前の幹線道路である日吉台光明線の鉄道踏切が廃止となり、本事業の目的の一つである交通渋滞の解消に向けた大きな前進であると認識しています。現在の駅周辺の高架工事の進捗状況や今後のスケジュールをお聞かせください。 次に、筑豊本線の切りかえは、平成29年1月の鹿児島本線の高架への仮線切りかえに続き、折尾地区総合整備事業としても大きな節目であり、多くの方々の関心や注目の集まるところだと思います。前回の鹿児島本線の仮線切りかえの際には、JR九州や地元団体、学校、市など、地域が一丸となって高架ウォークや地元イベント、おいでよ!オリオなどを開催して大盛況に終わり、工事期間中のにぎわいづくりにつながったと記憶しています。今回の筑豊本線の切りかえも同様に、にぎわいの創出につながる大きなチャンスと捉え、折尾のにぎわいづくりへの支援に一層積極的に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。 次に、東アジア文化都市の選定についてお尋ねいたします。 平成29年に日本を訪れた外国人観光客は、史上初めて2,000万人を超えた平成28年を大きく上回る、前年比19.3%増の2,869万人となるとともに、その旅行消費額も過去最高を更新して4兆4,162億円となるなど、インバウンドの勢いは加速しており、観光は我が国の経済を支える産業へと成長しつつあります。現在、政府は、2020年に訪日外国人旅行者数4,000万人、訪日外国人旅行消費額8兆円などの新たな目標と、その達成に向け各種施策を盛り込んだ明日の日本を支える観光ビジョンを策定し、具体化されたさまざまな施策に取り組んでいます。 このような中で、本市の外国人観光客数は6年連続の増加となる過去最高の68.2万人を記録しました。これは国の前年比19.3%増を大きく上回る前年比95.4%の驚異的な増加となりました。近年の訪日旅行意欲の高まりが背景にあるものの、これまで本市が行ってきた韓国や台湾などへの継続的セールスや官民一体となっての精力的なPR活動などが実を結んだ結果であり、これまでの取り組みに対して関係者の方々の御尽力に敬意をあらわしたいと思います。 また、この勢いをオリンピック・パラリンピックイヤーである2020年に向け更に加速させることで、外国人観光客の増加を本市の経済活性化に結びつけることが重要です。文化庁では、文化芸術の対外発信や国際文化交流の推進、文化芸術の国際的な創造、発信拠点の形成を図るためのさまざまな事業を展開しています。その事業の一つで、文化庁のビッグプロジェクトである東アジア文化都市の2020年開催地に、本市が九州で初めて選定されました。本市としても、これまで培ってきた漫画やアニメ、映画といったメディア芸術など、文化的特徴を生かしたコンテンツの魅力向上や情報発信などの更なる取り組みが加速され、外国人観光客の増加につながるものと考えています。 そこで、2点お伺いします。 まず、東アジア文化都市は、日中韓から選定された3都市が1年間にわたりさまざまな文化事業を開催するもので、観光振興に大変意義のあることだと考えています。本市の提案概要と今後の展開についてお聞かせください。 次に、本市は昨年度、文化庁の先進的文化芸術創造活用拠点形成事業にメディア芸術の分野で、全国で唯一採択されました。更に今年度は、地域の文化芸術の力を活用した国際発信拠点の形成による訪日外国人の増加、魅力ある豊かな地域社会の実現を目指した国際文化芸術発信拠点形成事業にも採択されています。これまでの主な取り組みと今後の期待される効果についてお聞かせください。 次に、災害時の政令市への権限移譲についてお尋ねいたします。 政令指定都市の災害対応権限を強化する改正災害救助法が第196回通常国会で成立をいたしました。大規模災害時の避難所設置や応急仮設住宅の供与などの権限を都道府県から政令指定都市に移譲することが可能になり、今まで以上に迅速な支援体制をとることが可能になると思います。また、指定都市市長会会長から、指定都市は国会及び政府の期待に応え、被災した地域全体の住民の方々を円滑に支援するため、都道府県と連携し必要な準備を進めてまいりますとの談話がありました。 しかしながら、全国知事会は大規模災害時に迅速かつ公平な救助を実施するためには、救助主体を一元化することが必要であり、権限移譲ではなく、従来からある事務委任制度を活用することで対応すべきであると主張し、もともと法改正には反対の立場を表明していたので、都道府県の意見を十分反映させるよう、国に強く求めるとの声明を出しています。 こういった状況もあり、国では、都道府県、指定都市、関係団体関係者が参加し、救助実施市の指定基準とともに、都道府県の広域調整による物資の円滑な調達、配分の仕組みや関係団体との連携方策について協議する場とし、救助実施市指定基準検討会議を設置いたしました。私は北九州市の状況を考えると、十分に救助実施市としてやっていけると思いますし、当然やるべきであると思っております。ただ、実施に当たっては、今まで法改正に反対の立場をとっていた県と十分な協議をしていかなければなりません。 そこで、お尋ねいたします。 今回成立した改正災害救助法に関して、権限移譲に関する市の考えと福岡県との協議の状況についてお聞かせください。 最後に、北九州空港の将来の運営形態についてお尋ねいたします。 北九州空港は、これまで国が管理し、地元が利用促進を担っており、地方にある多くの国管理空港と同様に行政主体の空港運営が行われてきたところです。近年の北九州空港の利用者数の増大や路線の拡大状況を見るにつけ、北九州空港において培われた行政による高い運営手腕を評価しています。 一方、近年、国は、国管理空港の運営権を売却し、民間に運営を委ねる形で空港経営改革を進めており、これまでに関西国際空港、大阪国際空港の一体的な運営業務や、仙台空港、高松空港の運営業務が民間委託され、来年4月からは福岡空港、更には北海道の7つの空港の一体化、熊本空港、広島空港と、続々と民間事業者が運営する国管理空港がふえていっています。 中でも、地元でも注目の事業となっていた福岡空港の民間委託事業は、西鉄や九州電力などの福岡の地元企業を事業主体とする福岡エアポートホールディングスが優先交渉権者に選定され、8月には同社が設立した福岡国際空港株式会社が国との運営権実施契約を締結したところであります。私としましても、民間らしい創意工夫を凝らした事業が、福岡空港のみならず広域に波及していくことに期待を寄せています。 今回、福岡国際空港株式会社が提案した事業の中で、北九州空港との連携策については、24時間空港の特性を生かし、早朝、深夜便の就航を希望するエアラインを北九州空港に誘導する、貨物専用機の更なる誘致を進め、貨物ハンドリング支援を通じ、北九州空港の貨物拠点化を支援するという2つの考え方が示され、その他にも福岡空港と九州や中国地方の都市等を結ぶバスアクセスの充実など、幾つかの提案事業が北九州空港にも影響してくるものと考えています。 そこで、お尋ねいたします。 北九州空港の将来に大きな影響を及ぼすとされ、事業の行方を注視してきた福岡空港の将来の運営形態と事業の方向性が少しずつ見えてきた中、北九州空港の将来の運営を今後どのようにしていくのか見解を伺います。 以上で私の第1質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(井上秀作君) 市長。 ◎市長(北橋健治君) 鷹木議員の御質問にお答えいたします。 まず、東アジア文化都市の選定についてであります。 これまで東アジア文化都市の2020年の国内開催地について鋭意誘致に取り組んでまいりましたが、去る8月に文化庁より北九州市での開催を決定したという連絡がありました。京都、奈良から西では、この事業の開催は初めてとなります。大変うれしく思っております。また、この2020年オリンピックイヤーのこの年でありますが、日中韓の文化大臣会合も北九州市で開催されることになっております。身の引き締まる思いであります。 このプログラムの策定をして、政府の審査を受けるわけでありますけれども、アーツディレクター会議、6人の専門家から成る文化芸術を振興するため専門的な助言をいただく機関をつくりまして、この2年間、鋭意議論をして、この中で提案内容について幅広く意見をいただいて集約をして、文化部で総力を挙げて精査をし提案をして採点をされたということであります。これまで御支援をいただきました芸術文化の専門家の皆様方には厚くお礼を申し上げたいと思います。 今回の企画提案の概要ですが、テーマをアジアのアーツゲートウエー北九州、コンセプトを文化創発、多様なアートが新たな価値を生み出すとしまして、本市の特徴、強みを生かした内容といたしました。具体的には、世界水準の日本伝統芸能や本市の地域伝統芸能を生かしたステージによる開会式典や閉会の式典、また青少年やアーティストによる交流事業を日中韓の開催都市で連携して取り組むことにしています。本市独自の国際的な事業でありますが、すぐれた日本文化を発信する東アジア伝統芸能のきょう宴、また、映画、漫画、アニメをテーマとするアジアメディア芸術祭、文学をテーマとする東アジア文学会議、東田地区を会場とする屋外アートイベント、Art for SDGsなど、4本の柱で取り組むことにしています。あわせまして、国際音楽祭、障害者芸術祭など既存事業へのアジア色の取り込みや、東アジア文化都市を記念した市民企画事業の公募など、一年を通じて多彩な文化芸術イベントを実施していくこととしております。また、文化庁の関係者からはぜひ食文化というものも考えてほしいと、各方面からそのようなリクエストも来ているところであります。 今後の展開であります。今後は、まずは市民の皆様に東アジア文化都市の取り組みを知っていただきたいと。そして、その開催機運を盛り上げるために、記念フォーラムを開催する予定であります。また、芸術の専門家や地元の各団体など、芸産学官の各界から御参加をいただいて、できるだけ早期に準備委員会を立ち上げまして基本構想の検討を練り上げていく予定であります。更に、2020年は東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されます。世界の目が日本に向けられる特別な年であります。多くの外国人が日本を訪れますから、本市としてもこの機を捉え、インバウンド対策として多言語化の推進やおもてなし対応の充実など、体制の整備に取り組んでまいります。 東アジア文化都市は単なる文化イベントの開催ではありません。本市が目指す創造都市・北九州を実現する上で大きな推進力になると考えております。事業の実施に当たりましては、地元の文化芸術団体を初め、市民の皆さんと一丸となって、東アジア文化都市が本市のレガシーとなっていくように全力で取り組んでまいりたいと考えております。 次に、北九州空港の将来の運営形態について御質問がございました。 今年度、開港から空港は12年目となります。今日まで利用促進に取り組み、定期路線数は国内国際合わせて過去最大の8路線、また利用者数は平成29年には過去最高の160万を数え、飛躍的な成長を見せております。市議会を初め、各界によるこれまでの御支援、御協力に感謝を申し上げます。 空港の将来の運営形態について、本年2月、片山尹議員の御質問に、福岡空港の民間委託事業の提案内容を見きわめ、その上で北九州空港の発展、ひいては都市圏域経済の発展につなげるという視点で最適な運営形態が何かを検討すると答弁させていただきました。これまでの間、福岡空港との連携を意識して先行事例の調査研究や国、県との情報交換を行ってまいりました。この福岡空港は来年4月から西日本鉄道株式会社など、福岡の地元企業を主体とする福岡国際空港株式会社が運営することに決定しました。 本年7月には、この事業者が提案した福岡空港と北九州空港との連携の考え方が示されたところです。両空港の連携事業は、空港の将来の運営形態に大きな影響を及ぼすと考えられるため、今後どのように具体化されていくか、事業の行方を注目してまいりたいと考えております。一方、国は国管理空港を民間に委託するに当たりましては、地域の実情などを踏まえることとしております。実際には、地元の意向をまとめた意見具申を受けてから、個別空港ごとに民間委託事業を実施しております。これまでに関西国際空港と伊丹空港の一体化や仙台空港、高松空港の民間事業者による運営が開始され、更には今回の福岡空港、広島空港、熊本空港など、続々と国管理空港の民間委託化が進んでいるところであります。 こうした状況を踏まえ、今後の動きとしましては、本議会に補正予算案を上程しております国の先導的官民連携支援事業などを活用して、将来想定される空港の運営形態ごとにメリット、デメリットを明らかにし、論点を整理していくことにしております。この調査をたたき台とした上で、市議会、経済界ほか地元の合意形成を図りつつ、県とも協力して最も望ましい方向性を定めてまいりたいと考えております。 残余の質問は、関係局長からお答えさせていただきます。 ○議長(井上秀作君) 建築都市局長。 ◎建築都市局長(柴田卓典君) 折尾地区総合整備事業についてお答えいたします。 まず、連続立体交差事業についてです。 鹿児島本線については、平成29年1月に高架への仮線切りかえを行い、現在平成32年度の本切りかえに向けた高架工事を進めております。また、筑豊本線については、これまで行ってきた駅北側における高架工事、西折尾地区におけるトンネル工事がおおむね完了しております。現在、ホームの建築工事、列車の運行に必要となる線路設置工事などに着手したところであり、平成31年3月に筑豊本線を高架の上に切りかえる予定です。これにより駅北側の交通渋滞の要因の一つである日吉台光明線の国道踏切が廃止されることで、交通環境の改善が図られ、事業効果の一部を実感していただけるものと考えております。更に、平成32年度の新駅舎の開業、平成33年度の短絡線の高架切りかえを経て、連続立体交差事業を平成34年度に完了させる計画でございます。 次に、にぎわいづくりについてお答えいたします。 折尾地区総合整備事業は長期にわたる事業であり、町のにぎわいに少なからず影響があると思われております。このため地域のにぎわいづくりを市が積極的に支援してまいりました。具体的には駅周辺の店舗を紹介するタウンマップの作成、堀川でのカヌーレースなどを行うオリオンピックの開催、夜間のにぎわいを創出する折尾駅周辺イルミネーションの設置など、地域の方々とともに取り組んでおります。特に平成28年12月の鹿児島本線仮線高架ウォークでは、地域と一体となって取り組んだことで6,000人を超える参加者があり、にぎわいにつながったと考えております。 来年3月の筑豊本線の高架への切りかえは、事業の進捗を実感できる貴重な機会であり、また議員御提案のとおり、にぎわいの創出につながる大きなチャンスでもあると考えております。このため、筑豊本線高架ウォークの開催について、JR九州と確認し、早速地元と一緒に取り組みを開始したところでございます。今後とも地域の皆様とコミュニケーションを大切にしながら、新たなまちづくりが一日も早く実現できるよう、全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。 ○議長(井上秀作君) 市民文化スポーツ局長。 ◎市民文化スポーツ局長(久保山雅彦君) 東アジア文化都市の選定についてのうち、残りの質問にお答えいたします。 本市は昨年度、文化庁の先進的文化芸術創造活用拠点形成事業に採択されたことを受けまして、北九州ポップカルチャーフェスティバルの拡充、韓国での日中韓新人MANGA選手権への選手派遣、メディア芸術に関するプロデュース人材育成講座の開催等に取り組んでまいりました。加えて今年度からは、東京以外では初となる海外マンガフェスタの開催や海外メディアの招へい、海外ロケ誘致等による国際情報発信等にも取り組んでいくこととしております。 このような取り組みが国内外から高い評価を受けまして、漫画ミュージアムがアニメ聖地88に県内唯一で選定されるとともに、2019年アジアMANGAサミット日本大会の本市開催決定等につながったものと考えております。 更に、今後は漫画の街・北九州や映画の街・北九州などの本市のブランド力の向上、芸産学官連携によりメディア芸術人材の育成を図るとともに、メディア芸術産業の創出による雇用の促進等の効果が期待できるものと考えております。引き続き本市が国際発信力のあるメディア芸術拠点となるよう取り組んでまいりたいと思います。以上でございます。 ○議長(井上秀作君) 保健福祉局長。 ◎保健福祉局長(阿髙和憲君) 最後に、災害時の政令市への権限移譲についてお答えいたします。 現在、国におきまして、災害時の政令市への権限移譲の際の指定基準の策定で、大規模災害の経験のある県や政令指定都市などによる救助実施市指定基準検討会議というのが平成30年8月28日に行われまして、10月にも2回開催されるという予定がございます。また、全政令指定都市を包括する道府県へのヒアリングも行われておりまして、本市もこのヒアリングを来週9月20日でございますが、受ける予定となっております。国は、これらの検討結果やヒアリング内容を踏まえまして、平成30年10月下旬に関係政省令を公布すると言っております。 一方、本市では、改正法の成立後、平成30年7月5日に福岡県の担当者と初めての意見交換を行いまして、今後本市と福岡県の間で協議が円滑に進むよう連携していくことを確認しております。権限移譲につきましては、それに伴う組織体制の構築や災害救助基金の積み立てなどが必要でございますが、本市が救助実施市となることで迅速かつ円滑な救助を主体的に実施することが可能となると考えておりまして、今後は国において定められる指定基準などを踏まえながら検討してまいりたいと考えております。以上です。 ○議長(井上秀作君) 15番 鷹木議員。 ◆15番(鷹木研一郎君) ありがとうございました。 それでは、質問した順番から第2質問をさせていただきたいと思っております。 にぎわいづくりについての答弁もいただきました。本当にありがとうございます。そういった観点から、今週の9日の日曜日、第3回となる堀川でカヌーの競技をメーンとしましたオリオンピックが開催をされました。地元の若手有志によって実行委員会が結成されておりまして、私もその一人なんですけれども、そのときも行政の皆さんからも多くの参加をいただきまして、地域と地元、そして行政、本当に信頼関係を持ったイベントを築かせていただくことができました。この場をかりてお礼を申し上げたいと思っております。 そこで、1つ提案なんですけれども、今後にぎわいという観点から欠かせないJRの高架下というものが生まれてまいります。これからそういった高架下のJRとの協議が本格化してくると思います。私たちもJRに常に意見を申し上げているんですけれども、なかなかこれといった答えが実はまだ返ってきておりません。 そこで、提案なんですけれども、私はこのような協議はトップ同士による協議が本当に効果的であると思っております。ぜひともここは市長がみずから先頭に立っていただいて、JR九州と協議を力強く進めていただきたいと思いますけれども、それについての御見解をお聞かせ願えませんでしょうか。 ○議長(井上秀作君) 市長。 ◎市長(北橋健治君) さまざまな方の意見をお伺いしながら折尾のまちづくりを進めてまいりました。先日、私みずから大学生、たくさんここには学校がありますので、折尾地区の将来、若い世代の方に意見を聞いてみようということで、市役所にわざわざお越しいただきまして、大学生の皆さんと意見交換の場を持ちました。折尾地区の学校に通っておりますので、大変地理にも詳しいし、いろんな思いを聞かせていただきました。その中で駅周辺に多目的に使用できる施設があるとよいと、そうした御意見とか、高架下の活用を検討する上で大変参考となる御意見を聞かせていただいたところです。 この高架下の所有者であるJR九州に対しましては、これまでも地域全体のにぎわい、また経済活動、いろんな面で活用については配慮してほしいということを、協力を要請してきているわけであります。JR九州はこの高架下の空間に加えまして、駅南側の土地区画整理事業においても土地を持っております。まちづくりの一員として、本市にとりまして重要なパートナーだと考えております。今後とも地域の声をよく承り、JR九州とも連携をして、折尾が発展していくように努力をしたいと思いますし、その過程の中でトップ同士での胸襟を開いて対話をしていくということも考えたいと思います。 ○議長(井上秀作君) 15番 鷹木議員。 ◆15番(鷹木研一郎君) ぜひよろしくお願いいたします。やはりトップ同士の会談ということが本当に効果的であると思っております。 時間がなくなってまいりました。東アジア文化都市の選定について。 2020年、さっき市長も指摘されましたようにパラリンピックとオリンピックのイヤーであります。この年に東アジアの文化都市としてさまざまなイベントが開催されますし、北九州市の魅力を海外に向けて発信できることは本当に北九州市にとって貴重なチャンスであり、機会と思っておりますので、ぜひアーティストの方々や市民、産業界と一丸となって取り組んでいただいて、外国人の観光客の増加に更に進めていってもらえるようにお願いしたいと思っております。 続きまして、災害時の政令指定都市への権限移譲について。 実際にこの権限移譲を受けるには、先ほど言いましたように、救助実施市の指定を受けなければなりません。その際に、救助実施市は救助費用の財源に充てるため、都道府県と同様に災害救助基金を積み立てなければならないとも聞いております。新聞報道などによりますと、仙台市では、積立金の額を約6億2,000万円と試算をしているとお聞きをいたしました。北九州市としてはどのくらいの積立金が必要なのか、さっきちょっと積立金のことについてお話をいただきましたけれども、額をお聞かせ願えませんでしょうか。 ○議長(井上秀作君) 財政局長。 ◎財政局長(小牧兼太郎君) 災害救助法によりまして、災害救助基金の積み立てが義務づけられております。その中でその最低基準額というものも決められておりまして、これをもとに算出しましたところ、北九州市におきましては約5億7,000万円と算出してございます。 ○議長(井上秀作君) 15番 鷹木議員。 ◆15番(鷹木研一郎君) 5億7,000万円、わかりました。必要な予算であると思いますし、ぜひ理解をいただけるように市民の皆さんに私たちも伝えていきたいと、そう思っております。 昨今の状況を見ますと、本当に大規模災害はいつ発生してもおかしくないと思っております。仙台市では、救助実施市の指定を一番に受けられるように準備をしていると意欲を高らかにしているところであります。北九州市としましても、先ほど県とお話をしていただいたという話も聞きました。この時期を逸することなく、救助実施市の指定に向けて頑張ってもらいたいということを強く要望させていただきたいと思っております。 もう時間なくなってまいりました。空港なんですけれども、今からさまざまな議論が始まってくると思います。我が自民党会派といたしましても、これから始まる議論の場に積極的にアイデアを出させていただきながら協力をさせてもらいたいと思っております。 これ将来の運営ということで、時間がないかな、間に合うかな、お聞かせいただきたいと思うんですけれども、もう新聞等でいろいろ報道されておりますけれども、海上空港の弱さとか、そういったことが前面に出まして、いろんな新聞に取り上げられました。関西空港があのようになりましたし、北九州空港と関西空港とは違うということをここで一つアピールしてもらえませんでしょうか。あと27秒しかありませんけど、よろしくお願いいたします。 ○議長(井上秀作君) 港湾空港局長。 ◎港湾空港局長(木本仁君) 北九州空港の場合は、既往の最高潮位と空港の高さの差が約3メートルぐらいございます。これは関西空港の場合はそれよりももう少し少ない差だったということで今回のような結果が生まれているところが大きいと思います。そういったところが大きな違いかと思っております。以上です。 ○議長(井上秀作君) 進行いたします。3番 佐藤茂議員。 ◆3番(佐藤茂君) 自民党の佐藤茂でございます。きょうは数え切れないほどの傍聴席の皆様、心から感謝申し上げます。ありがとうございました。また、執行部の皆様におかれましては、答弁は結果にコミットする答弁を期待して質問に入ります。 まず初めに、出所者の社会復帰についてお伺いいたします。 犯罪者の過去は変えられません、しかし、未来と自分は変えることができます。反省は一人でもできますが、更生は一人ではできません。社会の中に帰る場所、仕事、そして相談ができる方がいないと、本人がせっかく更生しようという気持ちになっても、その決意は揺らいでしまいます。やはり地域社会の支援が必要だと思います。私は、出所者が再犯を起こさないよう、住まいと就労の機会を与え、一人でも多くの社会復帰を願い、ことし7月に自立準備ホームを立ち上げました。 なぜ今、再犯の防止が重要なのか。日本全体を見たとき、犯罪の約60%は実に再犯者によるものです。また、再犯をする人の約70%が職のない人で、有職者の約3倍というデータもございます。国においては、再犯の防止等の推進に関する法律に基づき、国民が犯罪による被害を受けることを防止し、安全で安心して暮らせる社会の実現を図るため、今後5年間で政府が取り組む再犯防止に関する施策を盛り込んだ再犯防止推進計画を昨年12月に策定したところでございます。この計画に基づいた地域再犯防止推進モデル事業について、本年2月議会において我が会派の片山団長から質疑を行い、当局はモデル事業の応募について検討したい旨の前向きな答弁をいただき、6月に採択を受けたと伺っております。 そこで、お伺いいたします。 まず初めに、この地域再犯防止推進モデル事業は、3カ年の国の委託事業と聞いていますが、本市では具体的にどのような事業を行うのか、お聞かせください。 次に、昨年12月議会で、法務省が再犯防止推進法のもと、全国の都道府県、政令指定都市等に再犯防止の担当窓口の設置を依頼しており、本市にも担当窓口を早急に設置することを要望いたしましたが、現在の検討状況についてお伺いいたします。 次に、私はかねてより再犯の要因として大きな影響を及ぼすのが住まいと仕事であり、過去にも質問をさせていただきました。仕事に関しては、国の事業で協力雇用主制度があり、協力雇用主の拡大と支援のために本市としてさまざまな支援を行っているとお伺いいたしました。しかし、雇用主にとって犯罪をした者を雇用することについて不安を感じているのも事実だと思います。法務省では、平成25年度から保護観察対象者を非常勤職員として雇用しています。また、地方公共団体でも平成28年に50の団体が直接雇用する取り組みを行っております。その数は年々増加しています。 例えば、神奈川県では、県の保護司会連合会と保護観察対象者の就労支援に関する協定を締結し、保護観察対象者の社会復帰に向けて、保護司会連合会から推薦を受けた対象者を非常勤職員として雇用し、民間企業などへの就労につなげていく取り組みを行っています。資料整理やデータ入力などの事務補助業務を行っているそうです。市や市の関連団体でも就労支援策としてこういった事務補助業務や軽作業で雇用し、民間企業などへの就労につなぐことはできないでしょうか。雇用主が実際に雇用する際に感じる不安を取り除くことが重要であり、そのためにも市で雇用していたというお墨つきが得られれば雇用しやすくなるのではないでしょうか、見解をお尋ねします。 次に、町のにぎわいづくりについてお伺いします。 平成29年、北九州市を訪れた外国人観光客数は68.2万人を記録し、平成28年の34.9万人に比べ約2倍となっています。また、平成29年度の北九州空港の国際線利用者数が過去最高の28.2万人を記録しました。更に、10月28日からスターフライヤーの台北線が定期航路を運航開始いたします。外国人観光客数の更なる増加が期待されます。今後の本市の町のにぎわいを考えると、こういったインバウンドの需要をしっかりと取り組むことが非常に重要なことだと思います。特に2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催や先日選定を受けた東アジア文化都市の事業実施など、本市に多くの観光客を呼び込み、あわせて本市の観光経済に潤いを与える効果が期待されます。また、福岡県警によると、工藤会への頂上作戦や小倉繁華街PR大作戦の活動が功を奏し、北九州市暴力追放推進会議が市内の事業所を対象に実施したアンケートでは、小倉や黒崎の繁華街で暴力団の影響を感じないという意見が多く、繁華街を利用している人が大幅にふえていることがわかります。 そこで、お尋ねいたします。 先日、9月11日に工藤会への頂上作戦から4年が経過いたしました。先ほど御紹介した小倉や黒崎の繁華街での暴力団の影響を感じないというのは市民の皆様の意見であります。5年目を迎え、市長はどのような所感をお持ちなのかお聞かせください。 次に、昨年から小倉繁華街の中心にある堺町での屋台の整備について質問をさせていただきました。特に12月議会では、市役所の関係部署が集まったプロジェクトチームが発足し、さまざまな課題の整理を進めるという答弁をいただき、一歩一歩前進しているのではないかと思います。そこで、現在のプロジェクトチームの検討状況と具体的な実現性についてお伺いいたします。 次に、現在、市では公園の占用許可については3カ月で更新をしていく方向性と伺っております。更新されるといっても、3カ月の許可期間では事業者にとっては不安を感じるものであり、この事業に手を上げる事業者がいるのか疑問を感じます。当然、都市公園法の絡みがあることは承知していますが、前回答弁いただいた若手事業者が屋台に出店し顧客を獲得した後、近隣の空き店舗へとスキルアップするというビジネスモデルを考えると、3カ月という占用許可の期間は短いと思いますが、見解をお伺いいたします。 以上で私の第1質問を終わります。 ○議長(井上秀作君) 市長。 ◎市長(北橋健治君) 佐藤議員の御質問にお答えいたします。 まず、出所者の社会復帰についてであります。 昨年の12月、国が策定した再犯防止推進計画では、国及び地方公共団体の責務が明らかにされた再犯の防止等の推進に関する法律に基づいて、再犯防止等に関する施策を総合的かつ計画的に推進するための基本方針が示されております。この計画には、地方公共団体が取り組みを進める上で必要となる地域の実態の把握、地域のネットワークの構築などの取り組みを支援することなどが盛り込まれました。 地域再犯防止推進モデル事業は、こうした背景を踏まえ、地域における効果的な再犯防止対策のあり方を検討することを目的とした平成30年度から平成32年度までの法務省の委託事業であります。法務省では、矯正施設を経て出所した知的障害等のある人に対する再犯防止の取り組み、いわゆる出口の支援を進めてきたわけですが、今後不起訴や執行猶予となった場合にも支援、いわゆる入り口支援を充実することが求められております。受刑者のうち、知的障害のある方は、全般的に出所してから再犯に至るまでの期間が短いとされており、その多くが必要としている福祉的支援につながっていないと言われております。そのため、不起訴や執行猶予処分となった軽度の知的障害等のある人が再犯せずに健全な社会生活を送れるよう、早い段階から支援することを目的に今回のモデル事業に応募したところ、平成30年6月13日、法務省から委託決定の通知を受けたものであります。 具体的には、軽度の知的障害等にある人に対し、拘留中から弁護士や障害者基幹相談支援センターの職員が面会を行い、障害の特性や必要な支援内容を把握します。釈放後、速やかに適切な福祉サービスにつなぎ、心理的にも経済的にも不安定な状態とならないよう支援することとしています。今後は、今年度中に実態調査を行った後、実施計画書を法務省に提出し、平成31年度から平成32年度上半期までモデル事業を実施して、平成32年度下半期に効果検証した上で、実施報告書を法務省に提出をいたします。今回のモデル事業の着実な実施を通じ、軽度の知的障害等のある人の犯罪の常習化を防ぎ、出所者の自立支援を行う自立準備ホームなどとともに効果的な再犯防止を図ってまいります。 次に、暴力団の課題について御質問がございました。 一時期、工藤会による凶悪事件が本市で相次ぎ、市民生活に大きな不安を与え、都市イメージの低下を招き、経済活動にも影響を与える非常に深刻な問題でありました。県警察は平成26年、工藤会に対する頂上作戦によって最高幹部を逮捕し、更に組事務所の使用制限命令などにより組織の弱体化を図ってきました。本市においても、あらゆる事務事業から暴力団の排除を行うなど、市、警察、企業、市民が一丸となって暴力団排除の取り組みを推進してきました。市議会においても、平成26年9月議会における暴力追放に関する決議や各種暴力追放運動への参加など、全面的に協力をいただき、この場をおかりして改めて感謝を申し上げます。 こうした取り組みが実を結び、本市の暴力団情勢は劇的に改善され、近年ではTGC北九州やG7エネルギー大臣会合の開催、更に天皇皇后両陛下の行幸啓がとり行われるなど、大規模なイベントや行事が行われるようになりました。また、商業地の公示地価が去年24年ぶりに上昇しており、現在2年連続で上昇中であります。 小倉や黒崎の繁華街につきましては、平成27年12月、地元企業、地域、警察、行政が一体となり、繁華街魅力づくり推進協議会を設立し、防犯活動や多種多様なイベントを開催するなど、安全・安心とにぎわいのある繁華街づくりを進めております。その一環として、昨年度は小倉繁華街PR大作戦を実施し、小倉の町で働くダンサーやおかみさんなどが参加したPRムービーの配信や明瞭な料金体系、ポッキリ価格で安心して利用できる店舗の紹介など、ユニークな取り組みにより、全国に向けて生まれ変わった小倉をPRしました。黒崎では96の日やはしご酒大会など、地域が中心となった大小さまざまなイベントが開催されるようになりました。 こうした取り組みがあり、市民意識調査の市政評価では、防犯、暴力追放運動の推進が3年連続で1位となりました。更に企業を対象とした暴力に関するアンケート調査では、小倉、黒崎の繁華街において暴力団の影響力を特に感じないことから、接待などで利用する企業が2年前の調査より大幅に増加するなど、体感治安もよくなってきております。 県警察が頂上作戦を実施してから9月11日で4年が経過しました。新聞各紙やテレビ報道では、暴力団の弱体化や暴力団のイメージから脱しつつあるなど、安全になった本市の姿が大きく取り上げられるようになりました。この間の官民一体となった取り組みを思い起こすとまことに感慨深いものがあります。最近お会いする方々からは、町に若い方や女性がふえてにぎわっている、飲食店がふえて明るくなったという声が多く聞かれるようになりました。安全な町を実感できるようになりました。 課題は全国の国民に対してこの北九州の町が変わったと、劇的に治安がよくなったということをいかにして発信していくかだと感じています。今後も暴追の火を絶やすことなく、官民一体となった取り組みを進め、全国に向け安全で安心な町になった本市の魅力を広く発信していきたいと考えております。 残余の質問は、関係局長からお答えさせていただきます。 ○議長(井上秀作君) 市民文化スポーツ局長。 ◎市民文化スポーツ局長(久保山雅彦君) 出所者の社会復帰についての質問のうち、再犯防止の担当窓口の設置についての御質問にお答えいたします。 平成28年12月に策定されました再犯の防止等の推進に関する法律では、基本理念といたしまして、再犯の防止等に関する施策は関係行政機関の相互の密接な連携のもとに総合的に講ぜられるものとした上で、地方自治体の責務として国との適切な役割分担を踏まえ、地域の状況に応じた施策を策定して実施することと定められました。これを受けまして同月、法務省より全国の地方自治体に対しまして、再犯防止推進に係る情報提供や相互の情報共有のための窓口の登録について依頼がございました。 そこで、本市といたしましては、安全・安心のまちづくりの観点から、市民文化スポーツ局安全・安心推進課を法務省との連絡窓口として登録し、国の再犯防止推進計画や地域再犯防止推進モデル事業などの情報に適宜対応しているところでございます。今後とも法務省との連携を密にし、情報収集に努めるとともに、関係部局と連携して再犯防止の推進に努めていきたいと考えております。以上でございます。 ○議長(井上秀作君) 総務局長。 ◎総務局長(小林一彦君) 出所者の社会復帰のうち、市や市の関連団体での事務補助業務での雇用をすることで民間企業などへの就労につなぐことはできないかという御質問にお答え申し上げます。 出所者の円滑な社会復帰、再犯防止のためには就労の機会の確保が重要でございます。議員御指摘のとおり、就労支援として保護観察対象者などを雇用しようとする地方公共団体は平成28年時点で50団体となっており、政令市でも2都市が実施しているところでございます。これらの地方公共団体では、意欲のある人を非常勤職員として雇用し、一定期間の就労の機会を提供することにより、その後の民間企業等への就職定着を図っているところでございます。 その仕組みといたしまして、保護観察所や保護司会などの社会復帰支援機関、団体、ハローワーク、NPOなどの就労支援機関、団体と連携し、採用者の選考や雇用期間中の求職活動支援を行っていると承知してございます。 これらの地方公共団体の実施状況を踏まえまして、市や市の関連団体で非常勤職員として雇用する場合には、その後の民間企業等への就職定着など、当該雇用の目的を明確にするとともに、その目的に応じ、社会復帰の支援や就労の支援を行う機関、団体と具体的な連携関係を構築していく必要があると考えてございます。 また、円滑に受け入れを行い、効果的に就労の経験を積んでいただくためには、採用者の経験、希望に応じた育成方針の明確化、配属部署の選定、配属部署における上司、同僚職員の理解、支援の徹底、更に関係機関や団体による採用者に対する相談サポート体制の整備などが必要であると考えてございます。 いずれにいたしましても、出所者の円滑な社会復帰につなげるためには、制度設計から実施に至るまで丁寧な対応が必要だと考えてございます。このため、他の地方公共団体の実施事例をより詳しく調査するとともに、関係機関、団体との意見交換をさせていただきます。以上でございます。 ○議長(井上秀作君) 産業経済局長。 ◎産業経済局長(加茂野秀一君) 屋台村関係のうち、プロジェクトチームの検討状況と実現性についてお答えします。 国際航空定期便の就航などを受け、本市を訪れる外国人観光客数が大きく増加する中、インバウンド需要の取り込みは本市経済にとっても極めて重要であると考えております。更に、小倉の繁華街エリアにおいて、安全・安心に向けた取り組みや繁華街創生のプロジェクトが着実に進みつつあります。 議員御提案の堺町公園における屋台村は、町のにぎわいづくり、観光資源づくりに魅力的なコンテンツであると考えております。屋台村の設置につきましては、昨年11月に観光やにぎわいづくり、公園利用などに関係する部署によるプロジェクトチームを立ち上げまして、これまでに5回の関係課長会議を実施してまいりました。 会議におきましては、他都市の先行事例の情報収集や、まちづくりやイベント実施に実績のある事業者の意見も聞いてきたところでございます。この中で、屋台村を実施する場合に想定される課題を抽出した上で、営業形態の検討などを行いまして、現在、出展規模、公園の占有条件などの条件整理を進めております。 年内をめどに、これらの実施条件に基づいたガイドラインを作成する予定でありまして、それと並行してまちづくりに関心のある団体や事業者に対して、堺町公園が屋台村の用途で使えるよう検討しているということを周知しているところでございます。 実現性についてでございますけれども、これまでのヒアリングでは、民間事業者から屋台村をやりたいという意向はまだ伺っておりません。しかしながら、2020年のオリンピック・パラリンピックの開催等を控え、本市を訪れる外国人観光客の更なる増加が見込まれます。屋台村のプロジェクトが実現すれば、外国人観光客の夜間の消費につながる観光メニューの一つとなることが期待されます。引き続き出店に意欲のある民間事業者を探し、町のにぎわいづくりやインバウンド消費の更なる促進に取り組んでまいりたいと考えております。以上です。 ○議長(井上秀作君) 建設局長。 ◎建設局長(横矢順二君) 最後に、町のにぎわいづくりについてのうち、堺町公園の屋台村について、3カ月という占用許可の期間は短いという御質問にお答えいたします。 都市公園は誰でも自由に利用できることが原則でありますが、地域のイベントなどで一時的に独占して公園利用をする場合には、条例に基づき事前に公園管理者の占用許可が必要となります。地域のにぎわいづくりに資するイベントなどとして、市の共催又は後援により公園利用をする場合で、かつイベントなどを実施中は毎日仮設の占用物件などを移動させること、清掃活動を実施し、報告書を提出することなどの許可条件を満たしている場合は、継続的な地域のにぎわいの創出や公園の有効活用などが図られるという理由から、占用期間は最長3カ月まで許可しており、特段の問題がなければ更新も可能でございます。 御質問の堺町公園の屋台村につきましては、庁内プロジェクトチームの検討において、継続的な町のにぎわいづくりや夜間の公共空間の魅力の向上などにつながると位置づけております。屋台などの移動式店舗の占用期間は3カ月の許可及びその更新も可能と考えております。 また、民間事業者から具体的な実施方針や事業計画をお示しいただき、例えば2年間の事業計画であれば、2年間継続して使用することを前提に3カ月ごとの事業報告を受け、適切に使用されていると判断された場合は許可の更新を行うなど、今後は予定しておりますガイドラインの作成の中で占用期間の方針を定めてまいりたいと。以上でございます。 ○議長(井上秀作君) 3番 佐藤茂議員。 ◆3番(佐藤茂君) 答弁ありがとうございました。結果にコミットしなかったと思っておりますけども。 それでは、少し時間があるので、幾つか意見、要望させてもらいます。 まず、町のにぎわいの屋台についてですが、ようやく北九州も安全・安心な町になりつつあります。今、市長がお話しされましたように、これを全国に発信をしたいと市長の思いがあります。それであれば、やはり屋台を堺町公園に出して、当然ながらお隣に警察もあります。ということなんで、これは日本全国一の安心・安全な屋台やないかなと、そう考えております。どうか屋台についてはスピード感を持って整理をしていただいて前に進めていただきたいと思います。 また、占用許可について、やはり3カ月は短いかなと。今、答弁の中で2年の事業計画があればというお話もいただきました。そしてまた、今特区を活用して都市公園の規制など何かいろいろやっておりますので、できればしっかりと勉強させていただいて前に行くようにお願いをしたいなと思います。 なかなか手を上げていないという状況があるとお伺いしておりますけども、やはり現実、どういった内容なのかもわからないままで事業者というのはなかなか手を上げられないんじゃないかなと。言いましたように、さっき年度内にいろいろな条件整理をして、ある程度の告知をしていただいて、それからの話になるのかなと思っておりますので、どうか前向きに検討していただいて日本一の安全・安心な屋台村という形で進めていただければなと思います。 次に、出所者の社会復帰について、質問はありませんけども意見と要望をさせてもらいます。 まず、2010年4月に施行されました警察庁が示した暴力団排除条項、この中に5年条項というのがございます。暴力団を離脱後、5年を経過してない者に対して給料振り込み、水光熱、家賃などの生活口座、いわゆる通帳ができないんです。また、あらゆる保険に加入ができない、これが5年条項であります。この5年条項というのは、暴力団対策法逃れのため、偽装離脱の組員を排除するために設けられたものだと聞いております。 しかし一方では、更生しようという者を妨げてはならないといった要請も踏まえながら、偽装離脱なのか、真に更生しようとしているのかについて、現時点における組織との関係性を十分に見きわめながら判断するプロセスが徐々に形骸し、5年経過していないからアウトと容易に判断しているような結果もあるような感じはいたします。 このように離脱したとしても口座は持てないなど、社会に適合することが困難という現実の壁を目の当たりにし、結局は離脱をためらわせ暴力団として地位にとどまるか、より一層追い込まれることによって社会不安を増大させる危険分子になっていくというのもございます。 一方で、工藤会においては幹部が摘発され、最近、組織からの離脱を決めた組員が相次いでいるという報道を聞いております。このため、福岡県警が彼らの社会復帰を支援するため、福岡県やハローワークと連携した支援体制を強化するといったことも報じられております。報道によれば、2010年以降、福岡県で工藤会を含む暴力団からの離脱者は244人、このうち就職できたのは11人にとどまっているということで、1割にも満たないということです。残りの9割の方はどうされているかさっぱりわからないという状況でございます。 このように離脱者の社会復帰は困難な状態が続いています。自業自得と言われる方もいるでしょう。しかし、違う観点から考え、一人でも多くの離脱者を社会に復帰させ、生活基盤を確保するための支援が必要ではないかなと私は思っております。一人の社会復帰が一つの犯罪を減らす、組織からの離脱は死の危険と隣り合わせであることも意味します。このように離脱しようとする者の救済支援は喫緊の課題ではないかなと考えております。 私は決して犯罪者や暴力団を擁護しているわけではありません。これまでさんざん人に迷惑をかけてきたこと、犯した罪の事実は決して消えることではありません。犯罪は憎むべきことです。刑務所での1人に係る費用はおよそ200万円から300万円の税金が使われています。就労支援策については、再犯を犯す前に先行投資のつもりで支援策の検討を考えていただきたい。私は人生敗者復活戦だと思っています。出所者が真剣に社会復帰を望むなら、もう一度挑戦できる敗者復活のチャンスを与え、一人でも多くの方が敗者復活を勝ち上がり、社会復帰をかなえていただくことを願い、意見、要望を申し上げて、私の一般質問を終わります。 ○議長(井上秀作君) ここでしばらく休憩いたします。再開は午後1時といたします。                  午前11時58分休憩                  午後1時00分再開 ○副議長(木下幸子君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 一般質問を続行いたします。39番 白石議員。 ◆39番(白石一裕君) 皆様こんにちは。ハートフル北九州、白石一裕でございます。午後のトップバッターでございます。市長並びに関係局長の前向きな答弁を期待申し上げ、早速質問に入らさせていただきます。 まず初めに、受動喫煙対策についてお伺いをいたします。 喫煙は全てのがん、COPD、心筋梗塞、脳血管疾患、糖尿病、歯周病、さまざまな病気との因果関係が示唆されています。また、たばこの先端から立ち上がる副流煙には、喫煙者が吸い込む煙の何倍もの有害物質が含まれており、受動喫煙による健康影響が明らかにされています。厚生労働省のたばこ白書によれば、たばこの煙には約5,300種類の化学物質が含まれており、そのうち発がん性のある物質が約70種類含まれております。たばこを吸う本人のみならず、周囲にいる人の健康も害するとされています。また、肺がんや虚血性心疾患、脳卒中を初め、小児のぜんそくや乳幼児突然死症候群などのリスクも高まるとされ、特に肺がんの発症リスクは1.28倍に高まるとも言われています。たばこは健康に悪影響を与え、介護の原因となる脳卒中や認知症のリスクも高まることから、医療費だけでなく介護費にも影響を及ぼしていると言えます。 厚生労働省が実施した平成28年の国民健康栄養調査によると、習慣的に喫煙している人の割合は、男性で30.2%、女性8.2%、全体で18.3%となっており、この10年間で見ると減少傾向にはあるようです。しかし、喫煙による推定死亡者数は、年間死亡者数の約1割に相当するとされており、がん死亡に限ると喫煙による死亡者数は他の危険因子を大きく引き離している状況です。喫煙そのものを全否定するつもりはありませんが、健康づくりの観点からもこれは見過ごせないデータであると考えています。 一方、喫煙をしていない人も受動喫煙によって年間約1万5,000人が死亡していると言われています。現在喫煙していない人の受動喫煙の有無についての調査では、場所別にみると飲食店では42.2%、遊技場では34.4%、職場で30.9%、路上で30.5%が受動喫煙があったと回答しており、喫煙していない人が多くの場所で受動喫煙にさらされている状況になっていることがわかります。 こうした中で国において、東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年4月を全面施行とする改正健康増進法が成立をいたしました。今回の法改正では、望まない受動喫煙の防止を図るために、多数の人が利用する施設等については、施設の区分に応じて一定の場所を除いて禁煙にするとともに、その施設の管理権限を有する者が講ずべき措置等が法律に明記をされました。受動喫煙防止対策について規制を強化し、更に実効性を確保するために罰則も適用されるもので、今後の受動喫煙防止対策が一層進むものと考えています。 一方、自治体独自で受動喫煙対策を強化する取り組みも進められています。例えば東京都では、従業員を雇用している飲食店を原則屋内禁煙にするなど、改正健康増進法よりも厳しく、屋内禁煙の対象施設を広げる独自の条例を制定したほか、大阪府においても同様の検討が進められていると聞いております。 本市では、本年4月から5カ年の計画期間とする第二次北九州市健康づくり推進プランを策定し、オール北九州で健康寿命を延伸することをスローガンに、地域、企業、行政が一体となって市民の健康づくりを推進することとしています。本市の死因の第1位はがん、2位は心疾患、3位は肺炎と、いずれもたばこと因果関係があるとされている疾患が上位を占めています。特にがんについては前述のとおり、喫煙による死亡者数が他の危険因子を大きく引き離していることから、たばこ対策は第二次北九州市健康づくり推進プランで取り組むこととしている予防を重視したがん対策の推進の中では重要な対策になると考えています。 また、社会全体で市民の健康を支える環境づくりを支援するため、さまざまな関係団体と連携し、受動喫煙防止の取り組みを進めていく必要があると考えています。健康寿命の延伸を実現するために、たばこ対策、受動喫煙防止対策を積極的に取り組んでいただきたいと強くお願いし、質問をさせていただきます。 1点目に、改正健康増進法の成立を受け、本市としてはどのような対策を検討しておられるのか、また、完全施行の2020年4月に向けてどのようなスケジュールで受動喫煙対策を進めるのか、見解をお伺いいたします。 2点目に、第二次北九州市健康づくり推進プランにある市民の喫煙対策にはどのように取り組むのか、見解をお伺いいたします。 3点目に、きたきゅう健康づくり応援店事業においても、禁煙や分煙など、たばこの煙のない店を評価する取り組みを行っていますが、当該事業の実績と今後の課題はどうなっているのか、見解をお伺いいたします。 次に、市立病院の経営状況及び今後の取り組みについてお伺いをいたします。 人口減少や少子・高齢化の進展により医療に対する需要が変化する中、病院経営を取り巻く環境は将来的にますます厳しくなることが予想されています。このため、市立病院の経営基盤を確立し、政策医療を初めとする市民に必要な医療を安定的、継続的に提供していくためには、市立病院の運営についてスピード感を持って一層の改革を進めていく必要があると認識しているところです。 本市の市立病院のうち、医療センターと八幡病院については平成31年4月に地方独立行政法人化することが決定され、本年3月議会において、新しく設立される北九州市立病院機構の定款と法人の取り組みを評価する付属機関の設置が議決をされました。現在、病院局において独法化に向けた準備が進められている状況にあると思いますが、市立病院の経営と改革は市民にとって大変重要なことであり、地方独立行政法人化による市立病院の改革を大いに期待しているところです。 また、今年度の市立病院における大きな事業の一つである新しい八幡病院の12月オープンが近づいてまいりました。移転に係る作業や環境整備も順調に進んでいることと思います。新しい八幡病院が全ての市民の安全・安心な暮らしを支える拠点医療施設として役割を果たしていくことに期待するとともに、建物が新しくなることだけでなく、移転にあわせた利便性の向上など、周辺環境の整備にも期待するものです。 そこで、お伺いいたします。 1点目に、病院事業の平成29年度決算を見ると、平成27年度から3期連続で単年度実質収支が赤字となるなど、市立病院の経営は厳しい状況が続いていると言わざるを得ません。この状況をどう分析されておられるのか、また、経営改善に向けてどのような対応をしているのかお聞かせください。 2点目に、地方独立行政法人化によって病院経営や市民サービスがどのように変わるのか、見解をお聞かせください。 3点目に、新しい八幡病院がある八幡東区は高齢化率が高く、通院する高齢者にとって公共交通の利便性は重要であると考えています。これまでの報告では、車のアクセスについては病院駐車場の台数をふやすと聞いておりますが、バスやタクシーのアクセスについてはどうなるのでしょうか。 現在の八幡病院においては、病院の目の前にバス停があり、利便性がよいと思います。移転に伴ってバスのアクセスはどのようになるのかお聞かせください。また、タクシーについては現在、病院前の道路に停車して待機をしておりますが、新病院ではどのようになるのかお聞かせください。 次に、皿倉山の観光振興についてお伺いいたします。 皿倉山は市内のあらゆる場所から立派な山容を見ることができる本市のシンボルと言える山です。市街地にも近く、公共交通機関でも車でもアクセスよく訪れ、気軽に自然に触れることができるのが魅力の一つです。標高は622メートルで自然や植生が豊かであり、ハイキングや登山客も多く訪れる本格的な山であるとともに、ケーブルカーで気軽に登ることもでき、子供からお年寄りまで誰でも山頂からの雄大な眺めを楽しむことができます。また、山頂からの夜景は新日本三大夜景として認定されており、観光資源として重要な役割を担っているスポットです。 本市は、皿倉山の魅力づくりのため、皿倉山リニューアル計画を策定し、まずは平成28年度から麓の駐車場整備を行い、アクセスの利便性を向上させました。リニューアル計画ではおおむね5年をかけて施設の整備を進めていくとされていますが、皿倉山に市内外から多くの方が訪れ、楽しめるスポットになることを期待しています。 一方で、重要な観光スポットでありながら、集客への工夫が足りていないようにも感じます。来訪者からは、ケーブルカーで山頂に登っても景色以外に楽しめるものがないので、すぐおりるしかないという声もあります。夜景やケーブルカーなど単体で売り出しても集客の増加にはつながらないと考えます。夏には星空ビアガーデンなど、にぎわいを生む取り組みもされていますが、年間を通じた集客や国内外のお客さんに話題性のあるコンテンツなど、にぎわいの創出、また、ケーブルカーの利用者増加に向けた取り組みが必要だと考えます。 そこで、お伺いいたします。 1点目に、皿倉山の集客をふやすために他の観光スポットとの周遊によるケーブルカーの割引運賃を設けるなど、観光資源を連携させた取り組みが必要と考えます。今後、皿倉山を観光資源としてどのように生かしていくのか、見解をお伺いいたします。 2点目に、皿倉山では現在、皿倉山リニューアル計画に基づき、眺望以外にも楽しめるスポットとなるよう施設の整備等に取り組んでいますが、国内外からの集客を目指した新しい魅力づくりとして、皿倉山を生かした体験型のアクティビティの整備も有効であると考えます。そこで山頂にジップラインを設置することを提案したいと思います。ジップラインは、ハーネスという体をつり下げ、保持する装具をつけて、山頂からワイヤーロープを使って滑空しながら滑りおりるもので、そのスピード感と風を切る感覚は爽快かつスリリングで、子供や大人にも大変人気があり、既にびわ湖やハウステンボスなど、全国の有名観光地にも導入されています。眼下に市街地や洞海湾、関門海峡の雄大なパノラマが広がり、それを見ながらの滑空から得られる爽快感は他の地域や施設ではまねできないものであり、必ず注目を集める話題性の高いアクティビティになると考えています。皿倉山リニューアル計画の進捗状況とあわせ、皿倉山の新しい観光資源としてのジップラインの整備についての見解をお伺いいたします。 次に、土砂災害警戒区域の避難に関する考え方についてお伺いをいたします。 本市を襲った7月5日からの豪雨被害は想定を超えるものとなり、大きな被害をもたらしました。不幸にも門司区の土砂崩れにより2名の方がお亡くなりになりました。改めて衷心よりお悔やみ申し述べさせていただきます。 この豪雨により市内各地に崖崩れや土砂の流失、また、道路の決壊や床上浸水などが発生し、今なお避難生活を余儀なくされている方々もおられます。一日も早い復旧に向け、関係部署には引き続きの尽力をお願いしたいと思います。 市では今回の豪雨を踏まえ、避難情報をより早く出すことや、出す範囲を拡大するなど、避難に関する検討会での議論も踏まえ、今後の避難情報等の発令を見直すこととなりました。一方で、今回の大雨で実際に本市が指定する避難所に避難した人は対象者の1.7%程度と、避難情報が有効に活用されているとは言えない状況も明らかになりました。実際に私の自宅も土砂災害警戒区域にあり、テレビから流れる避難情報を不安に思う一人でもありました。私の場合、小さな子供や要介護者など避難が難しい家族がいないことを慌てて避難しなかった理由にしておりますが、勝手な都合をつくっているにすぎません。災害リスク学の広瀬教授によれば、逃げおくれには心理学で言う正常性バイアスという、変化に過敏に反応せず、異常事態も過小評価して平静を保とうとする心の働きにより、自分は大丈夫と過信することが一因にあるとのことです。避難しなくても大きな被害もなく済んだというのは結果論であり、想定外の災害が当たり前となった今日、避難勧告などの避難情報がいかに実際の行動に結びつくかが課題であると考えます。想定外の災害が当たり前になり、身近な災害で意識が高まっている今だからこそ、あらゆる面から災害対策や避難のあり方について考えるべきと感じています。 そこで、お伺いいたします。 1点目に、市が避難の心得やさまざまな災害の特徴、備えるべき災害を認識するためのハザードマップなどを掲載した防災ガイドブックを配布していますが、いざというときの情報は常に目を引くところに一目でわかる形で備えておくのが理想的ではないでしょうか。自分の地域の避難に関する情報を1枚物に整理し、マグネット式で冷蔵庫などに張れるようなものにしてはいかがと考えますが、見解をお伺いいたします。 2点目に、避難時には全て行政任せではなく、自助、共助の意識が重要になってきます。避難情報が出ても、高齢者や障害者など一人では避難が難しい方もおり、地域の中での連携が必要です。個人情報との兼ね合いもありますが、事前に要配慮者情報を地域で共有し、役割を決めておかなくてはなりません。また、避難所に行きさえすれば大丈夫というのもひっ迫した緊急時以外は改めるべきです。安全に避難できるうちであれば、自分なりに必要なものや食糧を準備して避難所に向かうことができます。安全な避難の重要性を示す上で、自助、共助の仕組みをしっかりと周知すべきだと思いますが、見解をお伺いいたします。 3点目に、避難しなかった方々の中には、避難所に指定されている市民センターなどの設備や環境に不安を抱いている方が多いようです。例えば避難場所となる広いスペースは床がかたく、特に高齢者には長時間滞在するには厳しいとか、プライバシーの面で女性や子供連れの方は遠慮しがちであるとか、さまざまです。あらゆる人が避難しやすい環境づくりとして取り組まれていることについてお伺いいたします。また、快適性という観点で、土砂災害警戒区域にお住まいの方々を対象に、避難指示が出た場合の避難所としてホテルなどの宿泊施設を格安で利用できるよう協定などを結ぶなどしてはどうかと考えますが、見解をお伺いいたします。 質問項目の最後として、旧八幡市民会館の今後の方向性についてお伺いいたします。 新しい市立八幡病院の建設に伴う敷地拡大の提言や公共施設マネジメントにおける総量抑制の考え方などを踏まえ、利活用が議論されていた旧八幡市民会館について、8月30日、市長の定例会見において、埋蔵文化財センターとして活用していく方針が発表されました。旧八幡市民会館の機能については一昨年3月末で廃止され、その後、建物の取り扱いについては民間活力の活用を前提として、八幡市民会館リボーン委員会などが提案なども行いましたが、採用には至りませんでした。今回の発表により新たな資産の有効活用、公共施設の集約化に加え、東田地区施設などとの連携も図られることとしています。これまで長い間、議論されてきた施設の利活用について、市長の決定、また、関係の皆様の尽力に敬意を表したいと思います。 しかし、全市的な問題で見てみると、市内には旧八幡市民会館のように著名な建築家が設計したなどの貴重な建物がほかにも多数あると聞いています。いずれこれらも老朽化し、建物の取り扱いが議論された場合、同様に存続を求める声が上がってくることが予想されます。市民に親しまれてきた建築物をいつまでも残してほしいという思いは当然理解ができますが、市の財政問題や公共施設の総量抑制にも大きく影響する重要な課題であり、これを機に一定の議論が必要であると考えます。これまでう余曲折のあった旧八幡市民会館の利活用ですが、改めて今回の決定と今後の施設活用の方向性について市長の考えをお伺いいたします。 この質問の最後に要望として、喫煙の問題につきましてはこれまでも本会議で4回ほど取り上げさせていただいております。今回の法改正もあり、受動喫煙対策については市としても重点的に取り組んでいただきたいと考えております。市役所の庁舎には多くの職員が働き、市民も訪れる場所であります。現在、本庁舎では1階の外に喫煙スペースが設けられておりますが、目隠しのような間仕切りだけで、煙は漏れており、受動喫煙対策が図られているとは言えません。庁舎の玄関口がそのような状況で、市が受動喫煙対策や健康づくりの取り組みを推進していると言えるのでしょうか。それにふさわしい対応を検討していただきますよう要望させていただき、私の第1質問を終わります。ありがとうございました。 ○副議長(木下幸子君) 市長。 ◎市長(北橋健治君) 白石議員の御質問にお答えいたします。 まず、受動喫煙防止対策についてお答えいたします。 全ての市民が健やかで心豊かに生活できる社会を実現していくため、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間をあらわすのが健康寿命ですが、この健康寿命を延伸することが重要な課題と考えております。健康寿命を延伸する上で、肺がんを初めとする多くのがんや脳血管疾患、虚血性心疾患、糖尿病など、生活習慣病の危険因子であるたばこに関する対策は重要な取り組みの一つと認識しております。 今回の健康増進法の改正は、公布日である本年7月25日から1年6カ月以内に、学校、病院、児童福祉施設、行政機関などに受動喫煙対策が義務づけられます。2020年4月からは、飲食店を初めとする対象施設の全てについても義務づけられるものであります。現在は国、地方自治体による事前の周知期間と位置づけられております。今後、施設に求められる喫煙室の構造などを定める技術的な基準や行政窓口への届け出などの詳細な事務手続は政令及び省令で示されることとなっています。公布後、事業者に対する説明会や相談対応などが実施できるように準備を進めてまいります。 本市では、平成28年度から、医師、学識経験者、飲食店、ホテルなど、業界団体の関係者などで構成する受動喫煙防止対策意見交換会を立ち上げております。市の取り組みや課題をここで共有し、第二次の北九州市健康づくり推進プランの策定においても意見を伺いながら禁煙対策や受動喫煙防止対策の検討を行ってまいりました。 昨年は、国の動向を踏まえた受動喫煙防止の啓発活動について議論を行い、独自のポスター、リーフレットを作成し、保育所、学校、病院などの施設などに配布や掲示、また、PTA新聞を活用した啓発を行うなど、健康増進法の改正を視野に入れた啓発を行いました。また、喫煙者に対して、より効果的に禁煙を促すため、医療機関や薬局、区役所において、市独自に作成した禁煙外来や、卒煙サポート薬局を紹介する禁煙支援施設ガイドブックを活用して禁煙支援を実施してまいりました。更に、第二次北九州市健康づくり推進プランの策定を受けまして、今年度からは健康マイレージ事業に禁煙の継続といった目標を追加したところです。 今後は、本市が実施している北九州市健康づくり活動表彰を通じて、例えば従業員の禁煙治療に助成を行うなど、事業者の先進的な取り組みについても広く市民に紹介をしていきたいと考えております。 一方、健康食育情報の提供や栄養成分の表示などに取り組む、きたきゅう健康づくり応援店の事業、ことしの8月末現在で752店舗になっております。この事業におきまして、たばこの煙のない店の登録数は、事業開始当初、これは平成25年4月にスタートしておりますが、44店舗でありますが、先月末で92店舗にふえております。今後もこの事業の認知度を高めるため、受動喫煙防止に取り組んでいることがわかりやすいよう現行の認証ステッカーの見直しや、率先して受動喫煙防止に取り組むことが利用者に伝わるようパンフレットやホームページの内容の見直し、SNSや飲食店情報を掲載するフリーペーパーなどを活用した情報発信の強化などに取り組むこととしております。更に、9月20日から配信する健康づくりアプリ、GO!GO!あるくっちゃKitaQで、利用者が来店時にポイントを付与することにより、登録店舗の利用促進につながるような仕組みについても検討します。 本市は、アジア地域で初めて持続可能な開発SDGsの推進に向けた世界のモデル都市として選ばれております。また、東京オリンピック・パラリンピックの事前キャンプ地となっております。このことから、2020年4月の改正健康増進法の全面施行に向けまして受動喫煙防止対策に積極的に取り組んでまいります。 次に、旧八幡市民会館の今後の取り扱いについて、方向性であります。 八幡市民会館は、平成28年3月、市民会館としての機能を廃止しました。機能廃止後の建物の取り扱いについては、民間活力の活用を前提として検討を行うことにし、その利活用策について八幡市民会館リボーン委員会から提案を受けました。平成29年6月、提案内容について検討した結果、事業性や持続可能性の点から提案を受け入れることはできないと回答いたしました。そして、旧八幡市民会館については、当面現状のまま保留とし、建物内部の活用については、市において公共施設マネジメントの視点を踏まえて検討するといたしました。 その後、市におきまして資産の有効活用や総量抑制という公共施設マネジメントの視点などを踏まえ、旧八幡市民会館の建物を用途変更し、既存施設の機能を移転できないか、検討を鋭意重ねてまいりました。幾つかの施設を対象に検討する中で、小倉北区にある埋蔵文化財センターが近い将来、老朽化対策として大規模な補修工事が必要になること、約4.6億円と見込まれます。周辺にマンションが立地するなど、高度利用が図られるべき地区に位置する、このような状況にあることから、当該センターを移転候補として検討を深めることにしました。旧八幡市民会館の建物を埋蔵文化財センターとして活用するためには、耐震を含めた改修工事が必要となります。設計費を除いた工事費用として17億円程度を要するという試算結果になりました。 一方で、埋蔵文化財センターの大規模な補修費が不要になること、跡地売却収入、これは約4億円から9億円と推定されますが、この収入と固定資産税の収入が見込まれること、公共施設の集約化、老朽化対策により、交付税措置もある有利な地方債制度の活用も想定できること、東田地区にあるいのちのたび博物館と今まで以上の連携が可能になることという効果が見込まれます。更に、地元では村野藤吾氏の建築物をまちづくりに生かしたいとの機運があります。旧八幡市民会館を埋蔵文化財センターとして活用することで、平野地区の国際色豊かで文化的なまちづくりにも資することが期待されるわけです。 議員御指摘のとおり、著名な建築家が設計した全ての建造物を保存することは難しく、個々の建造物の取り扱いについては、財政負担や公共施設の総量抑制など総合的に判断することが求められます。今回、こうした視点を踏まえ、埋蔵文化財センターを旧八幡市民会館に移転する方針を示したものであります。 今後は、効果的かつ効率的な観点から詳細に検討した上で、公共事業評価を行う予定であります。その中で、学識経験者や市民の意見も聞きながら丁寧に進めてまいりたいと考えております。 残余の質問は、関係局長からお答えさせていただきます。 ○副議長(木下幸子君) 病院局長。 ◎病院局長(古川義彦君) それでは、市立病院の経営状況及び今後の取り組みのうち、3点についてお答え申し上げます。 まず、3期連続の赤字の分析、また、経営改善に向けた対応についてでございます。 病院事業会計決算の単年度実質収支は、平成26年度に約7億5,000万円の黒字を計上いたしましたが、翌年度から赤字になり、赤字の幅は年々縮小はしているものの、平成29年度も約2億4,000万円の赤字となりました。 赤字が続く主な理由でございますが、新規の入院患者数がほぼ横ばいにもかかわらず、収入の根幹となります入院収益が減少していることにあると考えております。この主な要因は、効率的な治療方法の普及などにより入院日数が短くなり、それに伴う延べ患者数の減少を新規の入院患者でカバーできず、病床利用率が低下をしていることにあると考えてございます。 そこで、医療センターにおきましては、新規入院患者を確保するということのために、院長や各診療科の主任部長さんによる地域開業医の訪問、また、開業医の皆様が患者を紹介しやすくなる取り組みといたしまして、インターネットでカルテの閲覧、CT、MRIの予約ができる連携ネット北九州の活用促進、紹介患者の予約受け付け時間の拡充、予約枠の新設などを行っております。また、八幡病院におきましては、脳神経外科医を確保するなど、より多くの救急搬送に対応できるようにしたほか、地域の開業医を訪問し、新病院のPRについても積極的に行っているところでございます。 こうした取り組みもあり、今年度の4月から8月までの実績でございますが、昨年度と比較して新規入院患者が7,216人から7,707人と約6.8%増加、入院、外来収入の合計が約6億円増加するなど、徐々に取り組みの結果があらわれてきたと考えております。また、収入面での取り組み以外につきましても、後発医薬品の使用促進や物品管理の効率化といったコスト削減の取り組みも強化するなど、今後とも職員一丸となって経営改善に取り組みたいと考えております。 次に、地方独立行政法人化によって病院経営や市民サービスがどのように変わるかという点でございます。 現在、医療センターと八幡病院につきましては、先ほど答弁いたしましたとおり、足元の経営改善に取り組みつつ、平成31年4月に円滑に地方独立行政法人に移行できるよう準備を進めております。その上で独法化後は、制度のメリットでございます事業運営の柔軟性及び機動性を最大限に発揮しながら、更なる経営基盤の確立と市民サービスの向上に取り組む必要があると考えております。 独法化に当たりましては、まず政策医療を初めとした市立病院が行うべき医療について、市が策定する中期目標を具体的に明記し、議会の議決を経て法人に指示することになります。現在、策定中の中期目標案におきましては、政策医療として感染症医療、周産期医療、小児医療、小児救急を含む救急医療、それから災害時における医療を着実に実施すること、各病院の特色を生かした医療として、八幡病院は小児医療、医療センターはがん医療の充実を図ること、市民、地域、医療機関からの信頼を確保すること、理事長のリーダーシップのもと、自立的な運営体制を構築すること、経常収支を黒字化させ、財務基盤を安定化させることなどを明記しており、現在、パブリックコメントを実施してございます。 今後、この中期目標の実現に向けて中期計画を策定することとなりますが、独法化後は、医療の質の確保に努めるとともに、経常収支の黒字化に向けた病床利用率の向上、主体的、機動的なマネジメント体制の確立、法人固有の人事、給与制度や契約制度の導入、専門職として病院事務職員の採用など、柔軟で多様な職員採用による優秀な医療スタッフの確保などにしっかりと取り組んでいきたいと考えております。 いずれにしても、独法化して市立病院は更によくなったと市民の皆様から御評価いただけるように、市立病院の改革の実現に向けて全力で取り組んでまいりたいと考えております。 最後になりますが、新病院のタクシーの待機場所についてでございます。 現病院では、病院の敷地内にはタクシープールはなく、正面玄関の前の道路上に2台分のタクシープールがあります。利用者の方は、正面玄関から歩道まで一旦出て、タクシーに乗車していると、そういった状況にあります。新病院につきましては、八幡地区タクシー協会とも協議をいたしまして、正面玄関前ロータリーの中ほどの病院の敷地の中に4台分のタクシープールを確保しております。また、正面玄関の前には、タクシーと一般車送迎用の車寄せを整備しておりまして、その正面玄関との間には雨よけも設置しております。こういったことで、雨にぬれることなく乗車できるなど、利用者の利便性の向上が図れると考えております。以上でございます。 ○副議長(木下幸子君) 建築都市局長。 ◎建築都市局長(柴田卓典君) 市立病院の経営状況及び今後の取り組みについてのうち、残りのバスのアクセスについてお答えいたします。 現在の八幡病院へのバスによるアクセスは、議員御指摘のとおり、40番、91番などの4系統が病院の前の市立八幡病院前バス停に1時間に8便程度停車しております。また、旧電車通りの八幡駅入口第一バス停は、約350メートルの距離があるものの、1番系統を初めとする5系統が1時間に20便程度停車しております。病院の移転により新病院は、現在の市立八幡病院前バス停から約200メートル、旧電車通りの八幡駅入口第一及び尾倉町バス停から約300メートルの位置にございます。 そこで、新たなバス停の設置に向けて新病院の敷地内にバスを乗り入れること、旧電車通りについては、八幡駅入口第一と尾倉町の間に新たなバス停を設けることなどについて、西鉄バス北九州と協議を行っているところでございます。現在、西鉄バス北九州が新病院に乗り入れる系統や本数、ダイヤの見直し、バス停の新設などについて詳細な検討を行っているところであり、本年12月のオープンに合わせてバスのアクセス向上が図られるよう、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。 ○副議長(木下幸子君) 産業経済局長。 ◎産業経済局長(加茂野秀一君) 皿倉山の観光振興のうち、観光資源としての生かし方についてお答えします。 本市では、皿倉山への集客のため、夏のビアガーデン以外にも、ゴールデンウイークのこどもまつり、定期的な音楽ライブ、クリスマスイルミネーション、バレンタイン大作戦など、四季を通じてさまざまなイベントを実施しております。また、ケーブルカーの利用促進に向けましても、市内50以上のホテルの宿泊者に対する優待券の配布、福祉施設、保育所等の団体の無料送迎サービスなどを実施しております。こうした取り組みにより、ケーブルカー利用者数は、前年度比6%増加し、21万人を超えました。特にインバウンドは、韓国との定期便就航の効果もありまして、団体客数が前年度の3倍、約2万人にふえており、個人客も加えて大きな割合を占めるようになってまいりました。 議員御指摘のケーブルカー料金の割引は、運行会社であります皿倉登山鉄道株式会社の営業判断が必要となりますが、既にJR西日本のインバウンド向けレールパスやジンエアー搭乗券を提示した方への料金割引を行っているところでございます。市内を周遊する方の料金につきましても、今後、ほかの観光施設も含め検討してまいりたいと考えております。皿倉山は本市の主要な観光スポットの一つであります。一層多くの市民や観光客に足を運んでいただけるよう、今後も集客イベントや周遊観光の促進に運行会社とともに取り組んでまいりたいと考えております。以上です。 ○副議長(木下幸子君) 建設局長。 ◎建設局長(横矢順二君) 皿倉山の観光振興についてのうち、皿倉山リニューアル計画の進捗とジップラインの整備についての見解についてお答えいたします。 平成28年5月に策定した皿倉山リニューアル計画では、皿倉山を市民のみならず、観光客も周遊できる本市のシンボルの山として更なる魅力づくりを進めるため、絶景や豊かな自然と触れ合えるような空間づくりを進めることとしております。現在、整備はおおむね計画どおりに進捗しており、昨年12月には来訪者の増加に対応するため、山麓の立体駐車場が完成し、今年度はケーブル山麓駅周辺に身障者用の駐車場と、ケーブルカーを待ちながらくつろいで休憩のできる広場整備に取り組んでおります。 来年度には、森の中で自然を感じながら伸び伸びと遊んでもらうため、ビジターセンター前のアスレチック遊具の再整備を行う予定でございます。また、山頂周辺には、絶景を眺めながら遊べる草そりや大型遊具、恋人の聖地サテライトに認定された天空ドームの改修などの事業も計画しており、アクティブで記念になる体験ができるような空間づくりにも取り組む考えでございます。これらの施設周辺の整備に当たっては、自然公園や保安林などの規制がありまして、整備方法などについて関係機関との調整を精力的に行っているところでございます。 議員御提案のジップラインは、絶景を楽しみながらスリルを味わえる世界的にも人気のある施設でございます。一方で、安全のためハーネスを装備して行うため、ほとんどの施設でインストラクターを配置しており、びわ湖のジップラインでは、7つのコースをめぐるツアーの料金が3,800円と聞いております。皿倉山山頂でジップラインの整備を行うことは、保安林などの規制や勾配など、地形的な課題があるとともに、民間の活力を導入するなど、運営の仕組みを構築する必要があると考えております。まずは、現計画を着実に進め、ジップラインにつきましては他都市の事例を参考に勉強していきたいと考えております。以上でございます。 ○副議長(木下幸子君) 危機管理監。 ◎危機管理監(東義浩君) 最後に、土砂災害警戒区域の避難に関する3つの御質問にお答えいたします。 まず、自分の地域の避難に関する情報を1枚に整理することについてでございます。 自然災害による被害を防ぐには、市民がいざというときに命を守るための適切な判断や避難行動を行うことが重要でございます。平成27年6月に作成の防災ガイドブックは、そのために必要な避難の心得やハザードマップなどの情報を取りまとめて掲載しておりまして、市内の全世帯へ配布してございます。この防災ガイドブックの作成後、新たな土砂災害警戒区域や浸水想定区域などが国や県から公表された際には、その都度ハザードマップを作成し、対象世帯へ配布するなど、最新の情報を提供しているところであります。 ことしの4月には、紫川水系と板櫃川の浸水想定区域が公表され、平成31年度には金山川と竹馬川、これに加えまして高潮の浸水想定区域が公表予定でありまして、同様に最新の情報を提供することにしております。 議員御提案の自分の地域の避難に関する情報を整理した1枚物は、掲載する情報に限りがあり、多様な情報を1枚に盛り込む工夫が必要となりますが、家庭の見やすい場所に張ることで日ごろからの啓発が期待できること、また、簡単に持ち運びができることなどの利点もございまして、防災ガイドブックやハザードマップを作成する際の参考にしたいと考えてございます。 いずれにいたしましても、市民が安全に避難するための情報につきましては、防災ガイドブックのような紙媒体の活用を初めスマートフォンなど、さまざまな媒体の活用も考えられることから、他都市の事例などを含め効果的な情報提供のあり方を工夫してまいりたいと考えてございます。 次に、要配慮者情報を地域で共有するために、自助、共助の仕組みを十分に周知すべきとの御質問です。 災害時に命を守るための適切な行動を行うには、市民一人一人が防災意識を高めるとともに、日ごろからの共助体制を整えておくことが何よりも重要であると認識してございます。本市では、平成26年度から避難行動要支援者避難支援事業、これを開始いたしまして、災害時に自治会などが中心となって避難の際に支援が必要な一定要件を満たす高齢者や障害者の方々を適切に避難誘導するなど、地域における支援の仕組みづくりに取り組んできたところであります。 こうした体制づくりのほか、防災ガイドブックをテキストにした出前講演、また自治会などを対象とした災害図上訓練、DIGと呼んでおります。これに加えて防災リーダー研修、更には市民参加によるさまざまな防災訓練、こういうことを通じまして、自助、共助の大切さを伝えてまいったところであります。これらに加え、みんなde Bousaiまちづくり推進事業は、会議や訓練などを通じて地域の連絡網や避難態勢などを地区防災計画として取りまとめるものでありまして、要配慮者の避難も含め、みんなで助け合う仕組みづくりを支援しているところでございます。今年度実施中の9校区も含めまして、これまで23校区で実施しており、今後も土砂災害警戒区域などの危険箇所のある地域を中心に積極的に展開してまいりたいと考えてございます。こうした取り組みを重ねることで、自助、共助の大切さについて市民の理解を深め、日ごろからの備え、早目の避難につなげてまいりたいと考えてございます。 最後に、あらゆる人が避難しやすい避難所の環境づくりの取り組みと避難場所としてホテルなどを利用することについての御質問であります。 平成28年熊本地震の教訓を受けまして、本市では大規模災害時における避難所運営マニュアルを平成29年3月に改訂したところであります。このマニュアルには、災害時要配慮者などへの対応を掲げておりまして、避難行動要支援者避難支援事業に基づきます福祉避難所への誘導、妊産婦、乳幼児などへの生活環境への配慮、こういったものなどの要配慮者のニーズを把握しまして、多様な視点から支援を行うこととしてございます。 また、避難所運営にかかわる職員への研修や避難所運営に関する市民向けの出前講演、更には避難所運営ゲーム、HUGと呼んでおります。こういったものを実施する中で、要配慮者への支援の重要性を啓発し、円滑な避難所運営につなげたいと考えております。特に、避難所運営ゲームにつきましては、参加者が避難者に見立てたカードを避難者の配置を考察しながら、体育館の平面図が描かれた模造紙へ適切に配置していくもので、歩行困難な高齢者や重度の知的障害を持つ5歳の子、妊娠6カ月の母親など、さまざまな避難者を想定したケースで、それぞれのニーズに合った対処が行えるよう、指導、説明を行っているところでございます。 更に、避難所での生活に必要な備蓄品としまして、避難所のかたい床へ対応するため、クッション性を考慮した避難所シートやプライバシーを確保するための避難所用のパーティションの整備を進めておりまして、避難所での居住性の向上を図っているところでございます。こうした取り組みの積み重ねが多様なニーズを持った避難者が施設内で安心して過ごせる環境づくりにつながるものと考えておりまして、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。 なお、避難場所としてのホテル等の宿泊施設の利用についてでございますが、まずはホテル側のサービスとして対応が可能か、関係者から意見を聞きながら研究してまいりたいと考えてございます。以上でございます。 ○副議長(木下幸子君) 39番 白石議員。 ◆39番(白石一裕君) ありがとうございました。総じて前向きな答弁をいただいたと思っております。ありがとうございます。 幾分時間もありますので、要望と再質問をさせていただきたいと思います。 最初に今、最後に御答弁をいただきました災害対策であります。 先ほども申し上げましたけど、私の自宅もそういった地域でありまして、テレビから流れてくるテロップを見続ける一人であります。先ほど申し上げましたけど、1.7%しか避難はできてないという、管理監から御答弁ありましたけれども、実際にいただいたマニュアルとか、頭ではわかっているんですけど、実際の行動につながっていかないというのが現状だろうと思っています。実際に要避難者の対象者が全員、例えば避難所に出かけていったら、そこに入り切れるのかというさまざまな課題もまだあろうかと思います。そういった課題も含めて、我々はやはりそういった時期にしか思いをしないんですけれども、やはり市民のそういったふだんの啓発といいますか、物すごく大事なんだろうと思いました。私も過去からそうなんですけど、そういった避難の準備とか避難指示とか出た場合にも自宅で、よく言われている2階の山側じゃないほうで状況を見ているとかということがあるんですけれども、今度はちゃんと避難をして、どういった状況にあるのか、その後に出かけていってどういう状況だったというのは聞くことがあるんですけれども、そういったことも心がけて避難をどうやったらスムーズにできるのか、皆さんに対してこういった危ない状況の中で本当に人ごとではない状況を自分のこととしてどうやって捉えていくのかということも自分ももう少し考えを深めていきたいと思います。要望させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 それでは、再質問を少しさせていただきたいと思います。 まず最初に、皿倉山であります。 先日、地元のことでもありますし、星空ビアガーデン行ってまいりました。夏の少し終わりで平日だったので少し少なかったんですが、以前の活気に増してどうだったのかなとも思いましたけど、少し寂しい感じもしました。先ほど局長からも答弁いただきまして、来訪者もふえている、6%ふえていて二十数万人になっているとおっしゃいました。それで、リニューアル計画で投資される金額というのはかなりの金額なんですけども、それに見合ったという、費用対効果というような言葉はあるんですけれども、まだまだもっともっと倍増していくぐらいのにぎわいを持って、あそこを観光施設として我々としては捉えてもらいたいなというふうなイメージがあります。 それで、答弁にもありましたように、運営が皿倉登山鉄道株式会社となっていまして、会社の思いでさまざまなイベントとか企画をされていると思うんですが、もう少しやっぱり手を変え品を変えとまでは言いませんけども、さまざまな顧客がふえることについてのイメージ、アイデアというのが少し足りてないのではないかなとも思っています。 昨日の話でありました。私の妻が、夕食のときの話でありますけど、きょう買い物に行ったら、想像のほかに車がスーパーに多かった、何でって聞くと、何日か前に買い物すると、その日だけしか使えない割引シールをくれるんだそうです。私も見たことありますけれども、やっぱりそういったことでちょっとしたことなんですけれども、利用者とかお客様の気を引くっていうんですか、次に興味を持っていただく。 例えば皿倉山で申し上げると、ビアガーデンのチケットを買って、ビアガーデンを利用していただいて、ありがとうございました、さようならっていう感じなんです。私の感覚で言えば、もう一度年内ぐらいにもう一回山に来てほしいなという思いだとすると、例えば無料の片道のケーブル券を差し上げるとか、翌年にビアガーデンを使う方にはプラス何かがありますよとか、次につながるものが工夫がないのかなとも思ったりします。やはりちょっとしたことなんです。言葉はあれなんですけど、おまけとか割引とか、そういったことに結構敏感に反応する方々もおられると思います。そういうことで何か気を誘うっていうことではないんですが、工夫が少し足りてないんではないかなと思いました。 それで、先ほども答弁ありましたけど、下に駐車場ができているんですけども、立派な駐車場をつくっていただきました。それで、上の狭いというか、ケーブル会社の専用駐車場があるんですけども、そこに一般車が入れないようにコーンが置いてありまして、私終わった後にタクシーで帰ろうかなと思ってタクシーを呼んだんですけど、その出口まで来ていただけないです、コーンがあって。私は健常者ですから歩いていくのも何ともないんですけども、雨が降っていたり、小さいお子さんを抱えていたり、お年寄りだったりすると、やはりそばまで来てほしいとか、細かいところのアテンドがやはりできてないんではないかなとも感じました。皿倉登山鉄道に企画をお任せするっていうのも大事だと思うんですけども、局でその辺のことも全体として捉えていただいて、意見を出していただきたいなと思っています。 1つ、質問なんですけども、冬季のやっぱり利用客が少ない、寒いからだとも思うんですけども、以前にも申し上げたんですけど、景色がやはりすごくきれいなんですけれども、近隣のホテルにも外国のお客様がかなり来られていて、冬季はたしか5時で終わるんですね、運行が。それを楽しみにそこまでタクシーで出かけられた方が、え、もう終わってんのっていう感じになるそうです。できたら、通年をしてケーブルを運行していただきたいという要望があるんですけれども、これについては局長、いかがでしょうか。 ○副議長(木下幸子君) 産業経済局長。 ◎産業経済局長(加茂野秀一君) 御指摘のとおり、今10時までやっているのが、いいシーズンと土日、祝日ということで、5月、10月は数年前からやっと金曜日は頑張ってやるようにしているんですけれども、観光振興のために貢献していただくためにはやっぱり夜ずっと一年間いつでもやっているということになるとありがたいわけでありまして、今、皿倉登山鉄道株式会社は経営改善の途中で採算が厳しいこともございますけれども、そういうことについても対応することについてはいろいろとお話をさせていただきたいと思います。 今、団体客に関しては臨時便を出すというようなちょっと努力もさせていただいておりますので、今後も何ができるのか、一緒に考えてまいりたいと思います。 ○副議長(木下幸子君) 39番 白石議員。 ◆39番(白石一裕君) ありがとうございます。皿倉山は本当に大切な観光資源だと思いますので、何万人、少しふえたということで喜ばずにもっともっと倍増させていくぐらいの気持ちで我々も取り組んでいただきたいということを要望して終わりたいと思います。 次に、病院の経営であります。 先ほど局長から答弁いただきましてありがとうございました。少し不安を、やっぱり独法化になることに対しての不安というのもありますし、サービスって大丈夫なのって市民の方も問い合わせをいただいております。先ほど経営改善についてのるる御説明もいただいたんですけれども、私が聞いたところによると、平成29年度ですか、昨年度ですけれども、前半がかなり厳しい経営だったんですけれども、途中でどういうお気持ちなのかわかりませんけど、局長がみずから現場に出向かれてげきを飛ばされたと、それで経営改善が劇的に図られたんだというお話をよそから聞いたことがあるんですけど、そのことだけで改善が図られるとは思わないんですけど、げきを飛ばして改善を図るんだったら、もっとげき飛ばしてくれと思うんですけども、局長、そのあたり本当のところってどうなんでしょう。 ○副議長(木下幸子君) 病院局長。 ◎病院局長(古川義彦君) げきを飛ばしたかどうかというのはちょっと横に置いておきまして、議員御指摘のとおり、平成29年度の上期と下期で見ると、病床の利用率で5ポイント、下期が高うございます。また、入院収益で見ても3億6,000万円ぐらい下期が高いという状況でございます。 これ要因はということですが、これは先ほど答弁しましたように、やはり地域の医療機関との連携の強化が図られてきている、それから先ほど脳外の話をしましたけれども、医師の確保ができたということが私としては主な要因と考えています。ただし、医師を初め職員にしっかり経営感覚を持っていただくということは大変重要なことだろうと思います。これまでも適宜経営状況について理解を求めるために病院に出向いていろんな説明をさせていただいております。引き続きそういうこともしながら、市民サービスの向上、それから経営改善について職員一丸となってやるということが大事かなと思っております。以上です。 ○副議長(木下幸子君) 39番 白石議員。 ◆39番(白石一裕君) ありがとうございました。そうなんですよね、お一人お一人がやっぱり経営感覚を持って運営されるっていうことが最も大切なことではないかなとも思っております。引き続き人材確保も含めて安定的な経営をしていただきたいと思いますし、独法化に至る大事な時期でもありますので、引き締めてやっていただければと思っております。よろしくお願いいたします。 最後に、時間は少しありますけれども、受動喫煙についてお伺いをしたいと思います。 今回、先ほども言いましたけど、5回目になりますけども、初めて市長から答弁をいただきまして隔世の感があります。昨日もあったんですけれども、国際スポーツの誘致、大規模大会とかで外国の方もかなりお見えになります。先進的に取り組んでいる事例というのはたくさんあるんですけれども、本市は御存じのようにSDGs、あらゆる年齢の人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進するという項目が17項目中3番目にあるんですけども。言っても、市長、きょう私SDGsのバッジをつけさせていただいているんですけれども、誇らしく思います。そういった項目がある中で、ジャパンアワードで特別賞受賞だとか、SDGsのモデル都市としてOECDが国内初選定だとか、それを受けて国連に出向いて市長がスピーチするとか、華やかなことがたくさんありまして、我々もうれしく思っております。そういった中で、受動喫煙対策というのが、2020年の春ですから1年半後ぐらいにはもうすぐやってくるわけでありまして、そこについてはもう取り決められていることですから、やらないといけないということなんですけれども、わずかな期間ではあるんですけれども、やはり先んじて本市として取り組んでいくこともたくさんあるんではないかと思っています。 個人的な思いで言えば、先ほども触れましたけれども、飲食店の特にバーやそういった大人の社交場というところでは喫煙というのはそんなに気にならないんですけど、飲食を伴うところについてはすごく気になるようになります。先ほど市長からもありました健康応援店で5年間で48店舗ぐらいふえているんですけれども、年間わずか10店舗ぐらいなんです。これをやっぱりたくさんふやしていただいて、そういった取り組みをするお店を更に後ろ押しをしていただきたいと思っています。全国展開するレストランチェーンでもほとんどお客さんが減らないばかりか、ふえているお店もたくさんあるともお伺いします。一概に禁煙に取り組んだお店が売り上げが減るという考え方は明らかに間違っていると思っております。このことについて市長に最後答弁いただけたらと思っております。以上でございます。 ○副議長(木下幸子君) 市長。 ◎市長(北橋健治君) SDGs、持続可能な開発には17の目標がありますが、その中の一つの大事な項目は、全ての人に健康と福祉をであります。また、SDGs全体の大きなスローガンとして、誰ひとり取り残さないということもうたわれております。北九州市は今、環境先進都市としても、また、SDGsの面でも非常に評価をされて、内外から注目をされているわけであります。そうした意味で、今回の受動喫煙防止対策というのは積極的に取り組む課題であると、改めてこの国会における法改正を契機として感じております。 飲食店に受動喫煙防止対策が義務づけられるのは、オリンピックイヤーの4月であります。完全施行となりますが、健康づくり応援店はそのモデルとなるものであります。完全施行のタイミングを待つことなく、事業のPRを積極的に行いまして、登録店舗をふやしていくように努力をしたいと考えております。 ○副議長(木下幸子君) 39番 白石議員。 ◆39番(白石一裕君) ありがとうございました。 市長の決意もお伺いすることができました。環境モデル都市にふさわしい取り組みにしていただきたいことを要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○副議長(木下幸子君) 進行いたします。52番 山内議員。                (副議長退席、議長着席) ◆52番(山内涼成君) 皆さんこんにちは。日本共産党の山内涼成です。会派を代表いたしまして一般質問を行います。 まず初めに、会計年度任用職員について伺います。 地方公務員法及び地方自治法の一部改正法が平成29年5月11日に成立いたしました。その内容は、一般職の会計年度任用職員制度を創設し、任用、服務規律などの整備を図るとともに、特別職非常勤職員及び臨時的任用職員の任用要件の厳格化を行い、会計年度任用職員制度への必要な移行を図るものであります。 平成29年8月、総務省は各都道府県と政令指定都市などに会計年度任用職員制度の導入などに向けた事務処理マニュアルを通知し、地方公共団体が実施すべき事項や想定されるスケジュールなどについて示しました。想定されるスケジュールでは、平成29年内に、臨時・非常勤職員の実態を把握するとともに、会計年度任用職員の任用や勤務条件などの検討に着手し、職員団体との協議を経て、平成30年には、これらの任用や勤務条件などを確定することが必要とされています。平成30年5月1日現在、本市の臨時・非常勤職員は4,341人です。これまでの任用の実態を把握するに当たり、各任命権者のもと、どのような経過を経て現行の任用制度になっているかなど、現行の任用の実態についての見解と、今後会計年度任用職員の任用や勤務条件等の検討に着手するわけですが、職員団体との協議に当たっての問題点やその課題についての見解を伺います。 本市の臨時・非常勤職員は、会計年度任用職員制度への移行により、そのほとんどがパートタイム会計年度任用職員として位置づけられます。しかし、その実態は常勤職員の週の労働時間38時間45分の4分の3に相当する時間以上働いている職員も少なくありません。平成22年の枚方市非常勤職員一時金等支給事件では、常勤職員の勤務時間、その4分の3に相当する時間以上勤務している非常勤職員について常勤の職員と判定、また、平成20年の東村山市事件では、嘱託職員は勤務時間のみならず、その職務内容も常勤職員と同様であり、勤務実態から見て常勤職員に該当するとし、常勤職員と同じ仕事をしていれば常勤職員と判定しています。勤務時間だけでフルタイム任用職員とパートタイム任用職員に振り分けるのではなく、実態を踏まえた上で退職金などの対象となるフルタイム任用職員、又は常勤職員と位置づけるべきと考えますが、見解を伺います。 次に、交通政策について伺います。 建設建築委員会の行政視察で新潟市の交通政策が取り組まれ、その報告を受け私は大きな興味を抱き、更に勉強させていただくべく新潟市を訪れました。 まず、新潟市の交通政策について御紹介します。新潟市の人口は、平成30年7月末日現在で79万3,902人、平成19年4月の政令市移行に伴い、8つの行政区を設置しています。交通政策に取り組む背景としては、市内バス路線は民間事業者の1社独占で、バス利用者の減少により維持が困難となった路線の減便や廃止が行われ、結果としてバスが不便になり、利用者が更に減少するといった歯どめのきかない悪循環が続き、平成24年までの過去10年間で20%も路線バスの運行便数が減少していた。更に、運転手不足で郊外路線の増便ができない。また、町なかではある程度運行本数は確保されているものの、多くの路線が新潟駅に集中するために、乗車密度の低いバス等の影響で朝夕は大渋滞となり、車道で乗客をおろしたり、降車待ちをしているバスなど非効率な運行になっていました。 このため、町なかの渋滞の解消と郊外路線の増便を図るためには効率的なバスの運用が必要との認識に立ちました。 平成24年からBRTの導入計画に着手、BRT開業前の平成25年度から平成27年度にかけてまちづくりトークや各区説明会、地域のミーティングや障害者向け個別相談会など計186回、延べ7,433人に対して市長みずからも計画の説明に当たっております。平成27年9月、連節バスを使ったBRT輸送が開業し、多くの路線が町なかで重複していた区間をBRTの導入により集約、効率化し、それにより生じた余力、車両や運転手を郊外に投資し、全国的にバス運行本数が減少する中で郊外路線の302本の増便や、7つの路線の新設を含めたバス路線の再編を行いました。 また、交通結節点では、乗り継ぎに伴う待ち時間の環境整備や郊外の駅前広場への新たな乗り入れにより、鉄道との接続性も向上しました。その結果、利用者数は増加に転じ、1年目では前年と比べ0.8%増加、2年目では前年と比べ2.5%、約58万人増加しました。 新潟市の交通政策で注目すべきは、区バスと、住民バスと呼ばれる福祉的な政策です。 区バスは、平成19年4月の政令指定都市移行による区制の導入により運行が開始されました。運営主体は各区役所で、8区中、中央区を除く7区がバス事業者へ運行を委託しています。運営方法は有償運行で、均一運賃又は対キロ区間運賃制で、その欠損額は市が負担をすることとなっています。区役所への移動など区制に伴う移動ニーズや区のまちづくりへの対応が目的で、投資効果の観点からも多くの方が利用される区バスとするため、収支率30%以上が存続要件となっています。 住民バスは、平成14年の道路運送法改正で規制緩和により路線撤退などが容易になり、平成15年に民間バス事業者からの不採算バス路線の廃止の申し出があったことを受けて、平成17年4月から運行しています。運営主体は自治会などの住民組織で、地元、事業者、新潟市の3者協定により地元組織がバス事業者へ運行を委託しています。運営方法は均一料金又は対キロ区間運賃の有償運行で、その欠損額を市が支援することとなっています。地域主体の運営団体を組織して運行計画を作成し、補助基準は1日10便に対して地域特性を考慮し運行経費の70%から85%を上限に補助をする仕組みです。バス路線の廃止問題を抱える地域における地域住民の必要最低限の生活交通、病院、通学、買い物などの確保と、廃止地域に限らず公共交通の空白、不便地域における生活交通の確保への対応を目的としています。 区バスや住民バスは、利用者の声や利用状況を考慮しながら、持続的に運行できるようにさまざまな取り組みを行ってきました。その結果、年間の利用者数は、区バスが平成19年の開始時比266%、住民バスが平成17年度の開始時比230%に増加しています。BRT、区バス、住民バス、それぞれが住民と市が知恵を出し合い、課題を克服しながら、持続可能な幹線、支線、生活路線の位置づけを確立しています。 以上、新潟市の交通政策を紹介しましたが、そこで3点伺います。 本市もBRTについては実証実験をやったわけでありますが、市全体の交通政策としてBRTをどのような計画に基づいて導入しようと考えているのか、答弁を求めます。 2点目に、新潟市は平成19年の政令指定都市移行に伴って8つの区が誕生したわけですが、この時期は既に平成14年の道路運送法改正による規制緩和でバス路線の撤退や廃止が社会問題化しており、交通政策に対する市民感情も考慮されたのではないでしょうか。一方で、本市が誕生した時期は公共交通の最盛期であり、その後訪れる急速なモータリゼーションなど予測もつかず、交通政策は事業者が行うものという位置づけを今日まで引きずってきたと考えます。利益を生み出さなければならない民間事業者が公共交通を担うのはもう限界です。生活交通を守ってほしいという大きな市民ニーズに行政としてどう応えていくのかが今問われています。このままでよいとお考えですか、見解を伺います。 最後に、本市が生活路線として取り組んでいるおでかけ交通は全路線が赤字運営で、その欠損額は事業者が負担する仕組みで事実上破綻しています。公共交通のバス停までが遠い、バス停からの急な坂道など生活のための移動が困難な高齢者は、週1度でいいからタクシーで買い物に行けたら1週間分の食料を買っておくことができるけど、お金がかかるからと猛暑の中を歩いて行かれました。デマンド交通では、それぞれ出かける目的や買い物の時間が異なるという課題が残ります。本市独自の高齢者へのタクシー券が必要ではないでしょうか、見解を伺います。 以上、第1質問を終わります。 ○議長(井上秀作君) 市長。 ◎市長(北橋健治君) 山内議員の御質問にお答えいたします。 BRTをどのような計画に基づいて導入しようとしているかという御質問にお答えします。 本市では、コンパクトなまちづくりをより一層推進する必要があることから立地適正化計画と連携を図り、北九州市地域公共交通網形成計画を平成28年8月に策定しました。この計画では、持続可能な公共交通ネットワークの再構築を図るため、次世代都市交通システムの検討や幹線バス路線の高機能化など30の政策を掲げ、BRTの導入についても重点的に取り組んでいくことにしています。 その中でも、バス交通につきましては地域密着型バスネットワークの提供を進めることにしています。これは、幹線バス路線とそれを補完するフィーダー路線との効率的な組み合わせで、地域の実情に応じた輸送サービスの構築を目指すものであります。具体的には、幹線バスの路線では連節バスやバスレーン、公共交通優先信号などの高次の機能を備えたBRTの導入によって、定時性、速達性の向上を図ることにしています。また、待合環境改善のため、バス停の上屋、ベンチ、バスロケーションシステムの導入も進めることにしています。 更に、BRTなど幹線バスの路線に接続するフィーダーバス路線の設置や結節機能を強化する乗り継ぎ拠点の整備など、複数の事業を一体的に進めることが重要と考えております。 BRTの本市への導入につきましては、市内で最も利用者の多いバス路線である小倉~黒崎間、また、沿線に学校が多く通学時の学生利用が多い小倉~戸畑間、また、来訪する外国人観光客に対し連接バスのシンボル性が生かせる小倉~門司港間の3つの路線を計画しており、本年1月に連節バスの試走を実施いたしました。 この試走結果を踏まえ、バス停周辺の改良に加え公共交通優先信号の設置の可能性について、現在交通管理者など関係機関と調整を行っております。また、このような事業を進めるに当たり、連節バスの購入や整備場の建設、バスロケーションシステムの導入について、本年7月に西鉄バス北九州が環境省の補助事業に採択されたところであります。 今後とも、市民、交通事業者、行政が連携をし、それぞれの役割分担に基づきこの計画に掲げる政策を強力に推進して、バス路線を初めとする公共交通の維持、充実を推進してまいります。 残余の質問は、関係局長からお答えさせていただきます。 ○議長(井上秀作君) 総務局長。 ◎総務局長(小林一彦君) 会計年度任用職員について、大きく2点御質問いただきました。順次お答え申し上げます。 まず、現行の任用の実態への見解と、検討着手に当たっての職員団体との協議の問題点や課題についての見解という点でございます。 行政ニーズが多様化、高度化する中で、円滑な市政運営、市民サービスの維持、向上を図るためには、臨時・非常勤職員は正規職員と並び地方行政の重要な担い手であると考えてございます。このため、本市では地方公務員法に基づく特別職非常勤職員、臨時的任用職員について、正規職員との間の職の整理を行いながら委嘱、任用してまいりました。 また、任命権者において総務局とも協議しながらそれぞれの業務の内容、特質に応じ職を設定するとともに、必要な勤務条件の見直しを行い、さまざまな勤務形態の臨時・非常勤職員が任用されているところでございます。 一方、国では臨時・非常勤職員の任用や勤務条件の取り扱いが各地方公共団体でさまざまであったという状況を踏まえまして、任用根拠など制度の明確化を目的として平成32年4月を施行日とします法律改正を行いました。具体的には、特別職非常勤職員、臨時的任用職員の任用要件の厳格化や一般職の会計年度任用職員制度の創設、また、会計年度任用職員の任用方法、勤務条件等に関する考え方などが示されたところでございます。 この法改正を受けまして、現行の臨時・非常勤職員の職の再整理を行うとともに、任用方法や給与、手当、勤務時間、休暇など各種勤務条件について国の基本的な考え方に基づきまして具体的な制度設計を行う必要があり、現在検討を進めているところでございます。 平成32年度の施行まで時間が限られている中、非常に多岐にわたり制度の見直しを実行していくことが課題と考えておりますが、職員団体ともしっかりと協議を重ねながら精力的に準備を進めてまいりたいと考えてございます。 また、各任命権者とも連携を図りながら、市民サービスの維持、向上、簡素で効率的な行政運営の確立につながる見直しを行ってまいりたいと思います。 続きまして、勤務時間だけでフルタイム任用職員とパートタイム任用職員に振り分けるのでなく、実態を踏まえた上で任用すべきだという御質問にお答え申し上げます。 今回の法改正では、今申し上げましたとおり特別職非常勤職員、臨時的任用職員の任用要件が厳格化されるとともに、新たに会計年度任用職員の制度の創設など任用根拠の明確化がなされたところでございます。その中で、会計年度任用職員のフルタイム、パートタイムの定義につきましては、1週間当たりの勤務時間が常勤職員と同一である者がフルタイム職員、これよりも短い時間である者がパートタイム職員と明確に線引きがなされているところでございます。 また、フルタイム職員に対しましては、給料、旅費及び一定の手当を支給対象とするとともに、パートタイム職員に対してもフルタイム職員の給与決定の考え方を踏まえて報酬を定めることが適当であると示され、更に期末手当も支給できる旨が法律で規定されました。現在、この法改正で示された内容を踏まえまして、今後の職の位置づけや給与、手当などの勤務条件について検討しているところでございます。 引き続き、平成32年4月の改正法の施行に向けまして適切に準備を進めてまいります。以上でございます。 ○議長(井上秀作君) 建築都市局長。 ◎建築都市局長(柴田卓典君) 交通政策についてのうち、生活交通を守ってほしいという大きな市民ニーズに行政としてどう応えていくのかという御質問にお答えします。 公共交通を維持、充実させるためには市民に利用していただくことが最も重要なことであると考えており、利用促進を図るため、交通事業者に対し積極的な支援を行ってきたところです。 具体的には、JR駅を初めとする主要駅のエレベーター設置、バスの待合環境改善のためのバスロケーションシステムや上屋、ベンチの整備、低床式バスの導入、筑豊電気鉄道の低床式車両やICカードの導入などを行ってきております。また、わかりやすい情報を提供することにより、公共交通の利用を促すモビリティーマネジメントを市民に対して実施してきました。今年度からは、公共交通の利便性の高い居住誘導区域内で高齢化に対応した高齢者モビリティーマネジメントを新たに始めたところでございます。 お尋ねの地域に密着した生活交通を守っていくためには、多様な交通手段を組み合わせて使いやすい公共交通網を目指すことが重要であると考えております。現在、路線バスが廃止となった地区など7地区においておでかけ交通を運行しており、地域を主体にタクシー事業者と市が協力して事業継続に努めているところです。今年度からは、新たな利用促進策として格安の定期券や回数券の導入、更には各地区が行う利用促進活動に助成を行うこととしております。 また、採算性の課題が大きく、従来のおでかけ交通では対応が困難な地域においては、タクシーの相乗りにより、人数割程度の料金で利用でき、事業者の負担の少ない、プチおでかけ交通を導入した地区もございます。更に、BRTなど幹線バス路線に接続するフィーダーバス路線の設置や結節機能の強化について、バス事業者と協議を始めたところでございます。 今後は、交通事業者と行政の役割分担のもと、公共交通の利用促進に資する取り組みを引き続き行っていくとともに、地域の需要やニーズ、特性に応じた移動手段の確保について、地元の方々や交通事業者とともに取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。 ○議長(井上秀作君) 保健福祉局長。 ◎保健福祉局長(阿髙和憲君) 最後に、交通政策についてのうち、本市独自の高齢者へのタクシー券が必要ではないかというお尋ねについてお答え申し上げます。 市内における高齢者の交通機関利用につきましては、各交通事業者において独自の割引制度が実施されております。例えば、市営バスのふれあい定期、最大89%割引き、それから北九州モノレールのシルバーパス、これが最大75%、それから西鉄バスのグランドパス65、これが最大61%割引き、こういったものがございますが、通常より大幅に安価な料金で定期券を購入することができるということになっております。更に、議員御指摘のタクシーにおきましても、一部事業者によって高齢者に対する独自の割引制度が実施されているところでございます。 このように、高齢者の利用を増すために事業者それぞれの経営方針のもと、高齢者向けの特典や割引制度が導入されており、高齢者が外出しやすい環境整備が図られている状況にあります。 また、本市といたしましても住みなれた地域で高齢者の生活支援や社会参加、健康づくりが図られるよう、地域が主体となって買い物支援を行う買い物応援ネットワーク、それから身近な地域交流の場となる高齢者サロンの立ち上げ支援、更には市民センターを拠点とした健康づくり事業、これは地域でGO!GO!健康づくりと銘打っておりますが、こういった事業に取り組んでいるところでございます。 交通費の助成ということでございますが、他都市においても多額の事業費を要しており、高齢者交通助成制度の廃止や縮小を行った都市もあるところでございます。こうしたことから、高齢者に対して一律にタクシー券を交付するという事業を実施する考えは今のところございません。どうか御理解いただきたいと思います。以上です。 ○議長(井上秀作君) 52番 山内議員。 ◆52番(山内涼成君) まず、交通政策について、生活道路、生活路線をどう守るかという視点からお伺いいたします。 昨日の森議員の質問にも出ておりましたが、田川~小倉線についてまず伺います。 この路線は、赤字を理由に西鉄から撤退の申し入れがあり、その路線維持のために近隣市町村が赤字補填のための補助金を支出しております。その後、乗り継ぎではなく直通便の要望が出て、本市も試験運行として独自の補助金を支出していますが、その金額と試験運行の期間についてお答えください。 ○議長(井上秀作君) 建築都市局長。 ◎建築都市局長(柴田卓典君) 実証実験といいますか、社会実験という形でやるようにしております。費用につきましては550万円です。期間につきましては、今年度の10月1日から3月31日までを予定しております。 ○議長(井上秀作君) 52番 山内議員。 ◆52番(山内涼成君) 私は、生活路線維持のために、また、利用者のニーズに応えるために補助金を支出することはすばらしいと思っております。しかし、試験運行終了後、本運行になった場合、この補助金についてはどうなるのでしょうか。 ○議長(井上秀作君) 建築都市局長。 ◎建築都市局長(柴田卓典君) 今回は試験運行といいますか、社会実験という形でやりますので、まずこの社会実験に際しましては各停留所ごとの乗降客、区間ごとの利用者数、そういった部分のデータをとります。そういった中でどういう形で、例えばうまくいくのか、いかないのかという部分のところを判断していく、そのためのデータをまずとりたいということで実施します。 ○議長(井上秀作君) 52番 山内議員。 ◆52番(山内涼成君) それでは、おでかけ交通はいかがでしょうか。7つの路線全てが赤字で、路線維持のために補助金を出していますが、100%の補填ではありません。しかも、利用者数はピーク時の17万人から9万2,000人と減少しています。このままでは、いつ撤退をされても文句は言えないのではないでしょうか。そうなれば、生活交通を誰が守るのでしょうか、お答えください。 ○議長(井上秀作君) 建築都市局長。 ◎建築都市局長(柴田卓典君) おでかけ交通の経営が厳しい状況というのは非常に認識しておりまして、今運行の補助につきましては赤字の部分と収支率を掛けた形での運営補助を行っています。また、車両購入とか経営改革といいますかそういった部分についても補助をしております。 今回、今年度より格安の回数券とかそういうのを導入しまして、利用促進の活動、経営状況の見直しとかそういった部分をしていくところについて、そういうものが支援できるメニューを用意しております。 ○議長(井上秀作君) 52番 山内議員。 ◆52番(山内涼成君) 収支率は下がっておるけれども補助金を出しているということでありますけれども、これ100%の補填ではありません。100%補填してない以上は、民間事業者のもうけが出ないということについては一緒だと思います。 民間事業者は利益を出さなければならない、これは仕方のないことです。しかし、交通弱者と言われる高齢者や学生、これは公共交通がないと生活ができません。新潟市の交通政策で私が一番感心したのは、バス事業者に市街地でしっかりと利益を生み出してもらって、区単位を生活交通と位置づけて行政が赤字補填をする、バスの利用客が減り続けているバス事業者にとって悪い話ではないはずです。このことによって、市がリーダーシップをとって市全体の交通政策として確立されている、このことが一番感心すべきことであります。しかも、区単位の生活交通の利用者がふえ続けているんです。赤字だから路線が減り不便になり、そして、不便だから利用客が減るといった負のサイクルから、行政の赤字補填により路線を維持しながら、更に市民のニーズに応えられる、そうすると便利だから利用客もふえるといった交通政策への転換が必要な時期がもう来ているのではないでしょうか。 交通政策は、本市が抱える大きな市民ニーズであります。新潟市は、市長の強いリーダーシップが大きかったと聞きました。ここで市長の答弁を聞きたかったんですけれども、時間がありませんのでやめておきますが、もう一つ、新潟市の視察で印象的だったことを申し上げますと、担当の職員が生き生きとしているということであります。 市民ニーズに応えることで市民から喜ばれ、評価をされる、現場の職員にとってこれほどのやりがいがあるでしょうか。職員が元気になる交通政策、市全体、そして、議会全体としても進めていく必要があるんだと思います。以上で質問を終わります。 ○議長(井上秀作君) 進行いたします。53番 高橋議員。 ◆53番(高橋都君) 皆さん、こんにちは。私は、日本共産党、高橋都でございます。会派を代表いたしまして一般質問を行います。 初めに、土砂災害対策についてお尋ねいたします。 平成30年7月豪雨災害で甚大な被害が発生いたしました。亡くなられた方の御冥福をお祈りいたしますとともに、被災された方々にはお見舞い申し上げます。 北九州市においても、7月5日からの大雨により市内約9万7,000世帯、19万人を超える市民に避難指示(緊急)などが出され、3,415人が避難しました。8月21日までの集計で、人的被害は、亡くなられた方が2人、負傷者4人、住家被害では、全壊10棟、半壊10棟、一部損壊109棟、床上浸水131棟、床下浸水は164棟、公共施設は4棟、その他107棟、崖崩れ278カ所、その他として道路の損壊、ブロック塀の損壊、浸水による交通規制等555カ所、合計で1,374件の被害がありました。 市内には、土砂災害特別警戒区域レッドゾーンが1,216カ所、土砂災害警戒区域イエローゾーンは1,324カ所ありますが、今回土砂崩れがあったのは、8月21日現在でレッドゾーンは62カ所、イエローゾーンは60カ所、指定外区域では156カ所でした。今回、門司区奥田の土砂崩れでお二人の犠牲が出ましたが、この地域はイエローゾーンで、避難指示が出されたのは土砂崩れが起きた7時20分から約6時間後の13時15分でした。 市はこのことを受け、今回のような想定外の災害が起こる可能性があるとして、レッドゾーンに発令していた避難勧告等の避難情報をイエローゾーンや今回崖崩れの未対応で危険と判断される地域まで対象範囲を拡大すると発表しました。 そこで、4点お尋ねします。 初めに、今回の検討会で対象範囲は拡大されましたが、避難勧告等の発令は現行のとおりで、空振りを恐れず早目に出すことを基本とするとあります。私は、門司区奥田の避難された方からお話を伺いました。6時45分に道路が川のようになり、警察に通報し、7時過ぎに来た警察からすぐ逃げるように言われ、その逃げる途中、7時20分ごろ土砂崩れがあったそうです。大雨警報とメッシュ情報により区長から市長に要請し発令するとありますが、警察、消防、行政と横の連携をとり、現場の状況を共有し、より早い発令をするべきと考えます、見解をお尋ねします。 2点目に、情報伝達についてお尋ねします。 現在、テレビ、ラジオ、ホームページ、メールなどありますが、高齢者などへの避難情報などの伝達方法を考えるべきです。広報車も早くて何を言っているかわからないとの声もあります。 そこで、お尋ねします。 今、全国100近い自治体で非常時に自動的に電源が入る緊急告知ラジオが配布されているそうです、国からの支援措置もあると聞きます。本市も、住民の安全を守るためこの緊急告知ラジオの導入も考えるべきではないでしょうか、答弁を求めます。 3点目に、高齢者や障害者への支援として、避難行動要支援者避難支援事業についてお尋ねします。 この事業は、避難行動要支援者名簿を作成し、平常時からその情報を地域に提供することにより、災害時において自助、共助による避難支援の仕組みづくりを促進するものです。7月末現在で508人が登録され、209人、41.1%の計画が作成されていますが、今回の災害で17人の方が支援を受け避難所に行かれ、福祉避難所に行かれた方はゼロ人でした。 この事業の仕組みはありますが、実際には運用されていないのではないでしょうか。検証すべきと考えます、見解をお尋ねいたします。 4点目に、避難所についてお尋ねします。 今回、163施設に3,415人の方が避難されましたが、その中で避難所によって設備や備品に大きな差がありました。毛布や座布団、マットの数が足らず、かたい床に横になっている方もおられ、高齢者や足の悪い方が座る椅子がないところもありました。また、提供される食料にも差があり、今後の設備と備品の充実が求められます。 今回、平成30年7月の豪雨災害での事例のように、道路の寸断によって備品の搬送不可能な事態を考えますと備蓄倉庫をふやすべきと考えます、見解をお尋ねします。 今後、防災計画、避難所のあり方の検討も進められると考えますが、いま一度、本市発行の防災ガイドブックの見直しと全戸配布を要望します。 次に、公共施設マネジメント、門司区モデルプロジェクト再配置計画についてお尋ねします。 本市は、門司区大里地域において公共施設再配置計画を進めています。私は、2月議会一般質問において意見交換会での居住ゾーンの民間売却に反対する圧倒的に多い市民の意見や、第3回懇話会での、売却しないで広場や市民会館的なものをなど、さまざまな意見が出されたにもかかわらず、その意見は生かされず計画が進められていることを指摘しました。本市は、市民の理解を得ながら丁寧に進めるとしていますが、本当にそうなっているでしょうか。 4月25日、大里地域で行われました門司区モデルプロジェクトの出前講演でも、市の説明会では資料を配って一方的な話で意見交換の時間は余りなく、時間だからと一方的に打ち切られた、全体の計画の総仕上げが平成30年代後半なので、そこに合わせた意見集約も可能だと思う、マンションで100戸、戸建てで30戸と具体的な戸数を上げ居住ゾーン売却を急ぐのは、ここを開発したい業者が急いでくれと言っているのか、市民の財産である土地だからこそ市民の声を生かしてほしい、市の計画に一定の意見を聞きおくというレベルではなく、行政と市民が一体となって一緒になって知恵を出し合ってまちづくりをしていくスタンスになってほしいなど、多くの意見が出されました。 また、市は門司区大里地域関係校区の自治連合会の会議に出て説明し、地元の方からは一定の御理解をいただいたと言われますが、その時間はわずか10分のところもありました。これで本当に了解を得たと言えるのでしょうか。その後、町内全体に今度の計画が知らされたという話はありません。 7月26日、都市計画審議会においてこの大里公園の一部区域の変更が採択されました。その中で、審議委員から門司区の人口減をどう見るか、住宅開発より空き家対策が必要、今回の提案は公園の区域変更であって、民間売却や住宅建設などはこれから計画され、議会などで審議されるという理解でいいのかとの意見が出されました。採決では4人が賛成の意思を示さず、そのうち3人が学識経験者だったことは異例のことです。審議会での意見は重く受けとめるべきだと思います。 以前、折尾土地区画整理事業で市民の反対の声が上がり、都市計画審議会では出席した学識経験者全員が賛成の意思を示さず、その後、計画は白紙撤回され見直しされました。また、さいたま市の公共施設マネジメント計画では、住民参加による公共施設再編計画を実施しています。学生によるパンフレット作成や約100回にわたる地道な市民説明会と市民がパネリストのシンポジウムを行い、ワークショップで市民と一緒に検討し、その案を計画に反映しています。 そこで、お尋ねいたします。 門司区大里地域モデルプロジェクト再配置計画は、住民合意のもとに行うべきです。急がず、もっと市民と丁寧に意見交換会を行い、見直すことを求め、答弁を求めます。 最後に、門司港地域モデルプロジェクト再配置計画についてお尋ねします。 前回の私の地域住民や商店街との意見交換会を早急に開くことを求めた質問に、当局は場所が決まり、たたき台をつくってからと言われましたが、計画の複合施設には商業施設も併設予定になっております。駅周辺に建設されればますます商店街は寂れるのではないでしょうか。場所も含め、意見交換会を開くべきです。見解をお尋ねします。 以上で第1質問を終わります。 ○議長(井上秀作君) 市長。 ◎市長(北橋健治君) 高橋議員の御質問にお答えいたします。 土砂災害対策のうち、緊急告知ラジオの導入に関してお答えいたします。 台風、風水害など災害時におきまして、避難情報を初め各種の情報を迅速かつ的確に市民へ伝達することは防災対策の基本であり、大変重要であります。このため、本市ではテレビ、ラジオ、市のホームページ、緊急速報メール、ツイッター、自治会や市民防災会の連絡網など、さまざまな手法を用いて防災情報を提供しております。更に、今年度からは防災に特化したサイト、防災情報北九州をスマートフォン対応としたほか、LINEを活用した防災情報の発信を開始したところであります。 一方で、自治体が発信する避難に関する情報が住民の避難行動に十分つながっていないことは大きな課題であり、市民一人一人が適切な避難行動を起こすことが大変重要になってきております。 これらを踏まえ、この議会の補正予算に防災アプリの開発に係る経費を計上しております。このアプリは、避難行動のきっかけとなるように土砂災害や洪水など危険度情報をプッシュ型でお知らせすることを特徴としています。本市では、この機能を生かしてスマートフォンを持たない高齢者などにかわって遠隔地にお住まいの親族や支援者などが情報を受け取り、直接本人に連絡するといったいわゆる見守り機能としての効果を期待しております。 今後とも、議員御提案の緊急告知ラジオを含め、他の都市での取り組みなども参考にして、市民にとって丁寧でわかりやすい情報提供、そして、どうしたら適切な避難行動につながるか、引き続き検討してまいります。 残余の質問は、関係局長からお答えいたします。 ○議長(井上秀作君) 危機管理監。
    ◎危機管理監(東義浩君) 土砂災害対策のうち、3つの御質問にお答えいたします。 まず、警察、消防、行政と横の連携をとり、現場の状況を共有し、早い発令をとの御質問です。 本市では、これまでも災害が発生し又は発生するおそれのある場合においては、人命の保護を第一に考えまして早目の避難勧告等の避難情報を発令し、避難を呼びかけてきたところでございます。また、特に緊急を要する場合には、区長の要請を待たずに危機管理室の判断により迅速に避難情報を発令することとしております。 一方、消防や警察とは市の総合防災訓練などで日ごろより連携を図っておりまして、災害対策本部が設置された場合は本部へ駐在し情報共有を図るとともに、迅速な対応ができるような体制を整えております。 しかしながら、市内には土砂災害警戒区域など多くの危険箇所があり、全ての現場の状況をリアルタイムで把握し避難情報を発令することは非常に困難であることから、これまではまず土砂災害特別警戒区域、いわゆるレッドゾーンに発令しまして、大雨特別警報が発表されたときに土砂災害警戒区域イエローゾーンまで段階的に拡大していったところです。これを、今回の災害を受けまして、最初からイエローゾーンまで拡大した上で今回の豪雨により被災し、危険だと思われる箇所を加えて一斉に発令するように見直したところでございます。 一方で、土砂災害から命を守る手段として市の防災ガイドブックにも掲載しておりますが、水が濁る、小石が落ちてくるなどの予兆現象に気づいたら、周囲で情報を共有して、直ちに避難するように避難の心得を掲載しているところでございます。 また、先日行われました北九州市災害時の避難に関する検討会においても、土砂に関する専門家から同様の意見がありまして、予兆現象がある場合には避難勧告等の発令を待たず、直ちに避難し、自分の命は自分で守る行動をとることが重要であると考えております。 更に、検討会の中では、地域でルールを決め、みんなで逃げる体制づくりが必要であるという意見もございました。既に避難の際に町内の住民へ声をかけ一緒に行動することを実践している地区もありまして、このみんなで逃げる仕組みづくりを進めていくことも重要であると考えております。 今後とも、避難勧告などは空振りを恐れず迅速な発令に努めまして、警察や消防との連携を一層に密にするとともに、出前講演や防災訓練を通して自分の命は自分で守るという自助の意識の醸成、みんなで逃げるという共助の仕組みづくりにも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、避難行動要支援者避難支援事業の仕組みが実際には運用されていないのではないかという御質問です。 本市では、平成26年度から避難行動要支援者避難支援事業を開始しまして、自治会が中心となって民生委員や社会福祉協議会の協力を得ながら地域における支援体制づくりに取り組んできたところでございます。具体的には、避難の際に支援が必要な一定要件を満たす高齢者や障害者の方々の情報を御本人の了解を得た上で自治会などへ名簿として提供し、災害時にはこの名簿を活用することで適切な避難誘導につなげるといった事業でございます。 本事業は、自助、共助が基本であり、地域による特性などさまざまな課題がある中で思うように事業が進まない難しさもありますが、根気よく事業を進めているところであります。そのような中、具体的な避難についての個別計画作成率は年々増加傾向にございまして、平成30年7月現在、名簿記載者508名のうち、約41%が完了しております。 御指摘の本事業の適用について、昨年の7月の大雨の際は予定避難所への避難者が8名であったのに対しまして、ことしの豪雨の際には17名になりました。この人数で十分とは考えておりませんが、多少なりとも増加していることは地道な取り組みによるものではないかと考えております。いずれにしても、この事業の推進には自治会を初め地域住民一人一人の理解と協力が必要でありまして、今後とも防災訓練や出前講演などの機会を通じ周知を図るとともに、地域との連携を強めながら高齢者や障害者が安心して暮らせるまちづくりに努めてまいりたいと考えております。 最後に、避難所によって設備や備品、提供される食料に差があり、今後の充実が求められる、また、備蓄倉庫をふやすべきとの御質問です。 避難所は、災害の発生状況や災害種別、避難者数などを考慮した上で施設を決定しておりまして、現在、市民センターや小・中学校の体育館などを中心に開設しているところです。そのため、各施設の構造などの事情によりまして利用できるスペースや物品には限界があるものの、居住環境は重要であると考えており、現在は毛布に加えクッション性を考慮した避難所シート、また、プライバシーを確保するための避難所用パーティションの整備を進めております。 また、幾つかの避難所では施設内の備品などに工夫を凝らして就寝スペースをつくった事例などもございまして、これらを紹介することで他の避難所の居住性の向上にもつなげてまいりたいと考えております。 一方、食料は家族の状況に応じた生活必需品の一つとして非常持ち出し品として準備するように防災ガイドブックなどでお知らせしているところでありますが、急な避難などで避難者みずからが調達することが困難な場合は市が備蓄している食料を提供しております。この備蓄食料は地震などの大規模災害直後の数日間の命をつなぐための非常食と考えておりまして、今後も本市の被害想定に基づいた数量を確保してまいりたいと考えております。 なお、備蓄保管場所については、市民センター、小学校合わせて267カ所の分散備蓄と、区役所及び緊急物資輸送センターなどの合わせて9カ所の集中備蓄を併用することによりまして、被災リスクの低減と迅速な提供の両立を図っておりまして、現時点で新たに備蓄倉庫をふやすことは考えておりません。 災害から命を守るためには、自助、共助、公助の連携が必要であると考えており、今後も公的な備蓄の充実を図るとともに、市民の災害の備えが進むように啓発にも力を入れてまいりたいと考えております。以上です。 ○議長(井上秀作君) 企画調整局長。 ◎企画調整局長(大下徳裕君) 公共施設マネジメントについて2点御質問いただきましたので、お答え申し上げます。 まず、大里地域のモデルプロジェクトにつきましては、市民、議会への説明や有識者、利用者団体の代表者から成ります懇話会での意見を聞きながら基本計画を取りまとめ、昨年11月総務財政委員会に御報告いたしました。 計画の推進に当たりましては、これまでに市民との意見交換会を合計55回開催し、累計で169団体、1,318名の方に対し事業効果をわかりやすく説明する資料を用いまして広く説明を行い、理解を求めてまいりました。その結果、門司区の自治総連合会を初め地域の自治会関係者から計画に対する賛同を得るとともに、地域の皆様への説明会におきましても一定の御理解を得たものと考えており、早期の整備を求める声も多くいただいていることから、現在、事業化に向け具体的な手続を進めているところであります。 居住ゾーンにつきましては、人口減少が続く大里地域におきまして貴重なまとまった土地である競輪場跡地の一部を活用し、定住人口の増加を図るものでございます。地域の持続的な活性化や公園周辺の安全・安心の向上にも寄与するなど、さまざまな効果があると考えております。 整備手法は民間開発とし、多様なニーズへの対応や事業性の観点から、マンション、戸建て住宅を中心に、一部、地域や社会のニーズに合ったサービス機能の導入も図る複合開発を想定しております。開発に当たっては、当該ゾーンを大里公園区域から除く都市計画変更が必要でありまして、本年7月の都市計画審議会におきまして委員20名中16名の方の賛成により変更案が可決され、9月3日の告示によりまして手続が完了したところであります。 現在、公募図面の作成や土地価格の鑑定、土壌調査など、民間事業者への売却に当たって必要な作業を進めておりますが、多少時間を要している状況でございます。今後、これらの準備が整い次第、コンペ方式により民間事業者への公募を行うこととしております。 次に、門司港地域のモデルプロジェクトの再開発計画、これにつきましては中心市街地を取り巻くように点在します老朽化した公共施設を鉄道、バス等の交通利便性の高い駅周辺に集約し、利便性の向上及び市民サービスの効率化を図るとともに、地域の活性化を目指すものであります。 実行計画では、門司港駅周辺において複合公共施設が建築可能な敷地を確保できる2カ所を整備候補地として掲げたものであります。平成27年5月に計画の方向性を公表した後、これまでに門司区内では商店街や地元住民の方々と意見交換会を41回開催し、累計で979名の方に御説明し、市民意見の把握に努めてまいりました。その中で、集約場所は交通の便利な場所がいい、駐車場や交通アクセスに配慮してほしい、現在の活動を継続できる施設にしてほしいなどの意見をいただいております。また、有識者や施設の利用者団体の代表者から成ります懇話会を3回開催するなど、知識や経験に基づく専門的な意見を聞きながら、概略の整備計画づくりに取り組んできたところであります。 現在、実行計画をお示しした2つの候補地につきまして、市の財政負担、アクセス、利便性、地域の活性化などの観点や市民との意見交換会や懇話会での意見などを総合的に比較検討しておりまして、関係者との最終的な調整を行っているところであります。 なお、商業施設の導入につきましては、複合公共施設を利用する市民の利便性向上を図ることを前提に検討しておりまして、商店街への影響はないものと考えております。 いずれにしましても、できるだけ早期に計画のたたき台とスケジュールの見通しをお示ししたいと考えております。門司区の2つのモデルプロジェクトにつきましては、公共施設のマネジメントの先導的な事例となることから、今後とも懇話会での議論や市民、議会の意見を踏まえながら取り組んでまいりたいと考えております。以上であります。 ○議長(井上秀作君) 53番 高橋議員。 ◆53番(高橋都君) 第2質問に移らせていただきます。 初めに、門司区モデルプロジェクトについてです。 定住人口をふやす対策ということは大変大事なことだと思います。しかし、まとまった土地に住宅を建てることだけが最善だとは思えません。早期の整備が必要という声があると言われていますが、実際にその声は公開されているのでしょうか。都市計画審議会や、また、懇話会、市民の声というのは公表されていますが、その声が見えてきません。その点についてどうお考えでしょうか。 ○議長(井上秀作君) 企画調整局長。 ◎企画調整局長(大下徳裕君) このいろいろな御意見をいただいたといいますのは、この基本計画をつくるまでに平成28年ですけれども懇話会でいろいろ御意見をいただいてまいりました。その中でやはり大里地域の人口が減少傾向にあると、駅の海側のところには住宅はできておりますが、それも含めても市内での減少が著しいということで、こういったまとまった土地というのは貴重でございますので、それを活用して定住人口をふやすという政策は必要なものだろうと思います。 平成28年にいろいろ意見を聞きます中で、そういった人口減少のこととか、あるいは公園の整備のことなどを地元の方といろいろ話す中で基本計画を取りまとめていく段階でいろいろ御意見をいただいた、その意見をいただいて基本計画を取りまとめて、それを昨年平成29年に再度自治会に御説明を申し上げたところ、この一定の賛同を得たという経緯でございます。 ですから、反対だという一部の方はございますけれども、大きくは御賛同いただいていると私どもは理解をしております。以上です。 ○議長(井上秀作君) 53番 高橋議員。 ◆53番(高橋都君) 見解の相違というところがあるかもしれません。 門司区モデルプロジェクトの推進懇話会でも、売らずに広場や市民会館的なもの、又は看護学校が門司にあるんですけれども、そういう専門学校や介護施設など若者が集まり働く場をつくってはどうか、若者が集まる仕事とか、また、そういうふうに集まるところにしてはどうかという意見もあります。 そして、都市計画審議会の委員会からも、私も傍聴をしに行きました、その中で意見がありましたけど、推進懇話会の権限はあるのか、また、今回の提案は公園の区域変更であって、民間売却や住宅建設は今後、議会で審議されるという理解でいいのかという意見がありました。そのとき、私もとても違和感を感じたのは当局はそれが答えになっていなかったような、お尋ねに対しての答えがなかったように思うんですけどいかがでしょうか、その回答に対して。 ○議長(井上秀作君) 企画調整局長。 ◎企画調整局長(大下徳裕君) 住宅、今から公募のための手続に入っていこうということで、今手続を進めておりますけども、当然売却をするに当たりましては、市有財産ですから市の予算を通っていきますし、それに当たっては議決等は必要になってまいります。 ○議長(井上秀作君) 53番 高橋議員。 ◆53番(高橋都君) そのときの都市計画審議会の中で、委員の方からここで決定したからといって用途とかそういうものが決定するわけではないんですよねという問いかけがあったにも、それが答えられなかったということと、その中でまちづくりというのはやはり住民の協力がないとできない状態であり、今そういうふうに反対の声があるということは新旧住民の争いになる可能性もあるのではないか、余りにも簡単にここは公園にしないという決定だけですと言って、これからの流れ、それがどういう位置づけになるかということをちゃんと考えた上でないと議決がとれないのではないかという意見もありました。 そういう中で、やはり都市計画審議会、これの役割、位置づけを考えますと、都市の方向を決める大切な機関だと思います。形だけのものではないと思いますので、それを軽んじることなく、市民の意見や、また、推進懇話会の意見、そして、都市計画審議会の学識経験者の意見を無視せずに計画に反映させていただきたいと思います。居住ゾーンとしての民間売却を一時中止して、今後の活用策を考えていただきたいと思います。以上で終わります。 ○議長(井上秀作君) ここで15分間休憩いたします。                  午後2時59分休憩                  午後3時16分再開 ○議長(井上秀作君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 一般質問を続行いたします。50番 柳井議員。 ◆50番(柳井誠君) 皆さんこんにちは。日本共産党柳井誠でございます。会派を代表して一般質問をさせていただきます。 初めに、熱中症予防のための対策について伺います。 この夏、最高気温35度以上の猛暑日が続き、熱中症での救急搬送者数は過去最高となりました。日本救急医学会熱中症に関する委員会は、本夏の熱中症患者増加に対し緊急提言を発表しました。提言は、小児や高齢者、持病のある方を熱中症にかかりやすい熱中症弱者と位置づけて、気温や温度などから算出される暑さ指数、すなわち熱中症にかかるリスクをあらわす指標を意識して、運動や作業中止を適切に判断することなどが必要だとする内容です。 本市の熱中症による救急搬送者数は、9月2日時点で昨年より約2割増の576人、そのうち約半数が高齢者で、室内で発生した数が約3分の2となっています。今後の猛暑に備える対策が必要です。 そこで、まず低所得の市民に対する支援についてです。その中で特に心配なのが、経済的理由でエアコンが設置できない世帯や、電気代を気にして冷房使用をためらう人の存在です。厚生労働省は、ことし4月以降、新規に生活保護申請をした人などに対して条件つきでエアコン購入費を認める通知を出しました。本市でも、8月末までに24世帯に購入費が支給されています。しかし、通知では3月までに保護を利用し始めた人は対象外となっており、内容が不十分です。また、捕捉率が2割程度にしか満たない生活保護制度ではカバーし切れていない低所得者がいることも事実で、そういった方への対策も必要です。 東京都荒川区は、65歳以上のみの世帯、未就学児がいる世帯で自宅にエアコンがない場合を対象に助成を始めました。福島県相馬市は、通知対象外となる生活保護利用者と、65歳以上の高齢者がいる住民税非課税世帯に助成を始めました。 そこで、第1に、生活保護利用者へのエアコン設置の補助について伺います。 本市は、国の通知対象外となっているエアコン未設置の世帯に対する補助制度の創設を国に求め、当面の対策として本市が補助すべきではないでしょうか、見解を伺います。 また、エアコンが設置された場合でも、高額の電気代を負担できない保護基準額の低さと今後の引き下げが問題です。生活保護利用者の市民団体から、夏季加算創設を市から国に求めるべきとの要望が出されています。本市から国に夏季加算創設に向け働きかけるべきではないでしょうか、見解を伺います。 第2に、生活保護利用者でない低所得者に対するエアコン設置と電気代の補助が必要です。本市の高齢者の居室のエアコン整備率、利用状況の調査、室内の暑さ指数の調査も必要です。今後の取り組みを強く要望いたします。 次に、学校における熱中症の予防対策についてです。 北九州市教育委員会は、先月校長向けの熱中症対策研修会を開き、熱中症指数モニターの導入を働きかけるなど対策を周知したとのことです。暑さ指数に応じた注意事項では、指数31度以上で運動は原則中止、28度から31度で激しい運動や持久走は避けるなど、学校ではこれまで以上の注意が必要な内容です。 そこで、第1に、特別教室、体育館のエアコン設置について尋ねます。 教育委員会は、特別教室のエアコン設置のあり方について今後検討するとしています。私は、この間の議論に加えて、熱中症対策としての特別教室、予定避難所の体育館のエアコン整備が必要と考えております。2019年度文部科学省概算要求では、学校施設は児童生徒の学習、生活の場であり、災害時の避難所として極めて重要な施設であるとして、近年の厳しい気象条件に対応した教育環境を確保するための空調設置を求めています。 普通教室のエアコン設置が終わる段階で、特別教室と体育館のエアコン整備計画の方針を出すべきではないでしょうか、教育委員会の検討状況について伺います。 第2に、熱中症予防対策として、教育委員会はホームページ掲載の暑さ指数により、毎日学校ごとに判断するとしています。また、7月30日付事務連絡で市販の熱中症指数計で計測できると紹介しています。現在、多くの学校が1個ないし2個の指数計を購入又は購入予定です。しかし、暑さ指数の時間帯での変化、特別教室、体育館等の場所による変化を的確に把握するには不十分です。熱中症指数計を各学校の各階、体育館、特別教室、給食調理場など注意を要する場所に十分な数を配置することが必要です。高温多湿の職場環境である給食調理場は、暑さ指数測定による熱中症に注意した働き方が必要です。 各学校の予算に任せるのではなく、全ての北九州市立学校に十分な数の指数計を配置できるよう予算措置すべきではないでしょうか、見解を伺います。 次に、経済的格差による健康格差の対策について伺います。 健康寿命とは、健康上の問題がない状態で日常生活を送れる期間のことです。第二次北九州市健康づくり推進プランでは、健康づくりスローガンでオール北九州で健康(幸)寿命をプラス2歳へ延伸すると掲げ、取り組みを進めています。しかし、健康寿命は貧困が生む経済格差に影響されている状況があるのではないでしょうか。厚生労働省は、2022年度までの国民健康づくり運動プランに所得や地域差などを要因とする健康格差の縮小を初めて明記しています。 そこで、第1に、がん検診受診率の引き上げについて伺います。 本市の各種がん検診受診率は、胃がんで平成34年10.0%の目標に対して平成28年2.7%で、指定都市比較で上から17番目、肺がんで同じく10%の目標に対して3.3%、指定都市比較で上から18番目、乳がんで22.0%の目標に対して14.3%、指定都市比較で上から18番目などとなっています。しかも、過去3年間の受診率が下がってきております。平成29年度の実績において全額公費負担、すなわち無料の受診者は、胃がん検診で38.6%、大腸がん検診で50.4%などで、検診の種類によって違いはあるものの受診料の低さが検診率の引き上げに効果があると考えます。 そこで、がん検診受診率促進の見通しと、そのために受診料の引き下げの検討を求めます。 また、女性の乳がんは、転移の起こる前の早期発見と定期的な受診が大切です。乳がん検診には超音波エコーとマンモグラフィーの2種類の検査があります。超音波エコーは若年者の検診に有効であり、熟年者は両方の検査が有効と言われています。福岡県内市町村の乳がん検診では、60自治体の全てがマンモグラフィーを実施していますが、更に超音波エコー検査を6市15町で行っています。若い世代の受診率引き上げにつながる超音波エコー検査の導入について見解を伺います。 第2に、生活保護利用者の健康対策について伺います。 本市の平成28年度の国保の特定健診は受診率35.8%です。また、各種がん検診もそれぞれ現状から5ないし12%引き上げる目標に向けて取り組まれています。 一方、生活保護利用者の国保特定健診に相当する基本健診は、平成29年度の受診者67名、受診率0.34%となっています。また、同じく各種がん検診の受診率も同様の傾向となっています。生活保護のしおりでは健診の種類と説明が省略されており、生活保護利用者には説明が不十分で低い受診率の原因となっているのではないでしょうか。 生活保護利用者の健診の受診勧奨を進め、健康づくり推進プラン同様の目標を持ち、予算を確保して対策をとるべきではないでしょうか、見解を伺います。 3つ目に、学校健診後の未受診について伺います。 全国保険医団体連合会の調査によると、学校の歯科健診で治療が必要とされながら歯科未受診の子供は、小学校で52%、中学校で67%でした。窓口での自己負担の重さも影響していると考えられます。本市教育委員会は、要治療の対象の児童生徒のうち、要保護、準要保護世帯に学校保健安全法医療券を発行していますが、平成29年度の利用は43.5%にとどまっています。また、児童生徒全体の治療の把握はできておらず、課題があります。 そこで、校医と連携して要受診者への受診勧奨を後日校内で行うこと、また、医療券による受診勧奨の効果的な対策が必要と考えます。見解を伺います。 次に、国民健康保険の都道府県化の課題について伺います。 本年4月から国民健康保険の都道府県化となりました。新制度のもとでは保険料の額の決定と収納は本市の仕事で、県は財政の管理、自治体の国保料の算定式や集め方、医療給付費の水準について意見を述べる権限があります。具体的に県は福岡県国保運営方針を定めています。その眼目の一つは、赤字削減という法定外繰り入れの解消です。 一方、保険料の高さは限界であります。福岡県でも給与年収400万円の4人家族の国保料は年間40万6,000円であり、協会けんぽの20万7,000円と比べて約2倍です。 本市の平成30年度の国保料率は、医療分、支援分、介護分とも前年より下がりました。県の運営方針では、平成32年までの3年間は県繰入金、追加公費等を活用し、制度変更による市町村の実質的な財政負担の上昇を抑える激変緩和を実施することとしています。しかし、その後の激変緩和措置が検討課題です。また、医療費が高騰する場合、保険料引き上げとならない市の対応が求められます。 自治体独自の保険料引き下げのための法定外繰り入れについては、2015年4月17日の衆議院本会議などでの政府答弁は自治体の判断との見解です。国への財政支援の要望を含め、十分な市の対応を要望します。 そこで質問は、第1に、本市の独自減免の拡大について尋ねます。 本市の平成29年度の保険料減免条例適用実績は6,600世帯、減免金額3億5,000万円で、そのうち子供2人目からの多子減免は3,576世帯、1億3,954万円です。指定都市の比較では、18歳未満被保険者がいる世帯を減免する仙台市での実績は3万202世帯、減免金額8億500万円、19歳未満被保険者がいる世帯の減免をする横浜市での実績は4万3,093世帯、減免金額14億4,500万円、そのうち子供のいる世帯への減免は3万1,900世帯、10億7,800万円、障害者・寡婦低所得世帯の減免をする名古屋市での実績は8万6,245世帯、減免金額9億1,100万円などとなっています。 本市で、更なる子育て支援のために、子供のいる世帯への条例減免拡充を検討できないか、見解を伺います。 第2に、滞納者対策に関する資格証明書の交付についてです。 資格証明書は、1年以上経過する前年度の滞納があり、かつ窓口での納付相談に応じていない世帯に正規の保険証にかえて交付されるもので、医療機関を受診した際に10割を負担し、後日精算する仕組みです。本市の滞納世帯に対する交付割合は昨年6月1日で26.3%で、県内で上位にあります。新制度の保険者努力支援制度の採点表では、特別な事情の有無を十分確認した上で交付するとなっています。 資格証明書の世帯員が医療を受ける必要が生じ、かつ医療費の一時払いが困難である申し出を区役所窓口でした場合は特別な事情に該当することから緊急的な対応として短期保険証を交付する運用を徹底させるべきですが、窓口での運用及び資格証明書交付の際の被保険者への周知徹底について伺います。 次に、太陽光発電の設置に関する規制について伺います。 本市の太陽光発電設備の10キロワット以上の大きな規模の設備は、平成29年3月末、1,729件です。国内有数のカルスト台地、平尾台で最近、業者による太陽光パネルが設置されました。周辺住民は景観保護や騒音による住環境悪化の解決を求め、規制条例制定などを市議会に陳情しています。陳情内容は、町内会や専門家の意見も反映しているとのことです。私も現地を調査に行きましたが、景観上の問題、交流電流の変換器の騒音を確認しました。また、豪雨災害時の土壌流出の懸念を持ちました。 資源エネルギー庁が昨年3月策定した太陽光発電事業計画策定ガイドラインでは、適切な事業実施のために必要な措置として事業計画作成の初期段階から地域住民と適切なコミュニケーションを図ること等を求めていますが、平尾台の太陽光発電施設ではこのような地域住民との関係構築の手順を踏んでおらず、本市環境局も事前に情報を把握していませんでした。全国各地でも同様の問題を受けて太陽光パネル設置に関する資源エネルギー庁ガイドラインを補完する条例及び指導要綱を策定するケースがふえています。栃木県の指導要綱では、県立自然公園の普通地域は太陽光発電施設の立地を避けるべきエリアとされるなど、自然環境との調和を図るよう指導しています。 本市での太陽光発電建設による紛争を防止するための規制条例及び指導要綱の策定の必要性について、見解を伺います。 また、平尾台の太陽光発電設置による景観及び騒音の対策などの事業者への指導を要望いたします。 最後に、市民センターの長寿命化対策について伺います。 市民センターは、耐用年数を60年とすれば、今後40年間で75館が建てかえ時期となり、その他の61館も大規模な改修が必要となります。公共施設マネジメントの平成33年までの5カ年計画では、長寿命化等により計画的に改修及び維持補修を行い支出の平準化を図るとなっています。現時点で建築後30年を経過し、大規模改修が必要な館が14館あり、今後5年で更に10館ふえることになります。 市は、現在のような毎年1ないし2館の大規模改修のペースでは間に合わないとして、事故防止のための外壁、屋上防水、エアコン改修を最優先して長寿命化につなげるとの見解です。建物の長寿命化のためには、建築後20年で外壁、屋上改修が必要とされています。今後、集中的に工事を進める計画の費用、施設数について、また、長期的な計画の長寿命化計画策定について伺います。 以上で私の最初の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 ○議長(井上秀作君) 市長。 ◎市長(北橋健治君) 柳井議員の御質問にお答えいたします。 まず、国民健康保険の都道府県化の課題であります。 本市の国民健康保険におきましては、子育て支援の観点から、加入する多子世帯の保険料負担の軽減を図ることを目的に、平成20年度から多子減免制度を導入し、平成24年度には所得制限額を引き上げる拡充を行っております。この制度の対象世帯は、国保に加入する世帯が18歳までの子供を2人以上扶養し、世帯の前年の総所得金額が300万円以下で、所得割額が賦課されている世帯であり、所得割額を減免することで保険料の負担軽減を図るものであります。 このように、多子世帯への負担軽減で子育て世帯への支援の取り組みを進め、本市の保険料収納率を高い水準で維持することにも寄与するなど、多子減免制度は大きな役割を果たしております。 平成30年度から県が市町村とともに国保を運営する国保の県単位化が始まり、県が財政運営の責任主体として安定的な財政運営、効率的な事業の確保など、事業運営におきまして中心的な役割を担うことになりました。そのため、福岡県では平成27年9月、県と県内市町村とがともに協議を行う場として福岡県国保共同運営準備協議会を設置し、これまでにさまざまな協議を行ってきました。この協議を受けて、国保の運営に関する統一的な方針として福岡県国民健康保険運営方針を策定しております。今後は、県と市町村の共通認識のもとで保険料の県内均一化の方向性や事務の標準化などを進めることになっております。 ことしの8月には国保共同運営の円滑化、事業運営の効率化を図ることを目的に県と市町村で共同運営会議が設置され、保険料の均一化を初め、国保の共同運営に当たってのさまざまな課題について協議していくこととしております。 減免について、本市に限らず各市町村において独自に実施されておりますが、保険料の県内均一化に向けある程度の独自性を認めるのか、統一した制度に集約するのか、これについてはこれからの検討課題であります。当面は、現在の多子減免制度を維持していきたいと考えております。 次に、太陽光発電の設置に関する規制について御質問がございました。 太陽光発電事業につきましては、平成23年に成立した法律に基づき、経済産業省が事業者みずからが策定する事業計画について、自然公園法、景観法など関係法令の手続状況、設備の維持管理方法などを確認した上で、規模にかかわらず事業の認定を行っております。 こうした中、FIT法による固定価格買取制度の導入に伴い太陽光発電事業者が急激に増加し、一部には施工に関する安全性の確保、維持管理が不十分な事例が見受けられ、地域住民が環境破壊や災害発生への懸念を示す事例も発生しております。 国は、このような問題を解消し適切な事業運営を促すため、平成29年3月に事業者が遵守すべき事項や努力すべき事項を盛り込んだ太陽光発電事業計画策定ガイドラインを策定いたしました。このガイドラインには、関係法令の遵守や発電施設の適切な保守点検、維持管理体制の構築などの遵守事項が示され、違反した場合にはFIT法に基づき改善命令や認定取り消しの措置が行われます。 また、努力義務としては、事業の初期段階からの地域住民との関係構築や事業の概要などに関する説明会の開催など、事業について地域住民から理解を得られるよう努めることなどが示され、怠った場合には指導、助言の対象になります。 更に、経済産業省は地域住民とのトラブル発生事例の増加を踏まえ、ことしの7月から事業者名や発電施設の設置場所、出力規模など事業者に関する情報をデータベース化し、オンラインで閲覧できるシステムを自治体向けに整備し、情報共有を進めております。これにより、自治体は申請段階から計画を把握し、事業者に対してタイムリーにガイドラインの遵守等を求めていくことができるようになったところです。 なお、太陽光発電施設の設置をめぐる問題については、環境省も課題として認識しております。8月30日、太陽光発電施設等に係る環境影響評価の基本的考え方に関する検討会、座長は浅野直人福岡大学名誉教授でありますが、この検討会を立ち上げまして、年度内を目途に太陽光発電の環境影響評価法、いわゆるアセス法の対象事業への追加について議論する予定であります。アセス法の対象事業とされた際、その手続の中で地域説明会の開催や住民などからの意見聴取が義務づけられることとなり、自治体も環境保全の見地から意見することができるようになります。 議員から規制条例及び指導要綱の策定の必要性についてのお尋ねでありますが、本市としましては今後、環境省における議論を注視するとともに、経済産業省のガイドラインの徹底を図ることを通じて事業者と地域住民が良好な関係を築けるようにしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 残余の質問は、関係局長からお答えさせていただきます。 ○議長(井上秀作君) 保健福祉局長。 ◎保健福祉局長(阿髙和憲君) 数点、御答弁申し上げます。 まず、熱中症予防のための対策でございますが、生活保護を利用中でエアコンが設置されていない世帯への補助制度創設を国に求めるべきということ、それから、もう一点、夏季加算の創設を国に働きかけるべきと、あわせて御答弁いたします。 国は、近年の猛暑を受けて、熱中症予防が特に必要な方がいる世帯で最低生活に直接必要な冷房器具の持ち合わせがない世帯に対しまして、冷房器具の購入に要する費用を支給する制度の見直しを行いました。今回の見直しは、平成30年4月1日以降に新たに生活保護を開始した方、それから、転居の際に現に所有しているエアコンを移設できない方、こういった方を対象としております。 この見直しによりまして、本市の冷房器具購入費の支給対象となる世帯は平成30年8月31日現在で、先月末ですが38世帯、これは確認しております。このうち24世帯につきましては既に認定を終えて、残りの世帯につきましても速やかに冷房器具が設置されるようケースワーカーがそれぞれ働きかけているところでございます。 一方で、扶助の対象者や加算の創設などの生活保護の基準につきましては、生活保護法第8条において要保護者の年齢や世帯構成、地域の生活水準などを考慮しまして全国一律の考え方に基づいて国が定めるものとされているところでございます。したがいまして、本市といたしましても国が定める基準に従い、保護の適正実施に努めることとしておりまして、保護基準や夏季加算の新設ということについて国に要望するということは考えておりません。 なお、冷房器具購入費の支給に係る見直しに関しまして、今回の見直しの対象となっている世帯と対象とはならない従前から生活保護を受給し続けている世帯、この間で取り扱いが異なることとなります。そうしたことで何らかの対処が必要であるのではないかということで、政令市の間でも実は協議を継続しているところでもあります。意見がまとまれば、国に共同で申し入れをするということにもなろうかと思います。 今後も、ケースワーカーが定期訪問する際に熱中症予防のチラシを配布し生活保護受給者の熱中症予防に取り組む、こういったことのほか、冷房器具購入費の支給対象となった方には速やかに冷房器具が設置できるよう迅速に対応するなど、現行制度の中で適切に対応してまいりたいと考えております。 2点目でございます。経済的格差による健康格差の対策というその中でがん検診受診率促進の見通しと、そのために受診料の引き下げの検討を求めるという質問でございました。 本市の死因第1位であるがんの早期発見、早期治療につながる検診受診率の向上は、健康寿命の延伸に重要な課題と認識しております。本市では、8月に開催いたしました健康(幸)寿命プラス2歳北九州サミットにおきまして、経済団体、職能団体、地域団体、それから、NPO、こういったところと健康寿命の延伸に官民一体となって取り組むことをともに宣言し、各がん検診受診率を10%以上増加するということを2022年までの目標の一つといたしました。 本市のがん検診の自己負担額は、肺がんは無料、大腸がんは500円、胃がん、乳がん、子宮けいがんは1,000円、この金額を原則といたしまして、最も検診単価が高い胃がん内視鏡検査では1件当たり約1万8,000円の公費助成を行っております。胃がん内視鏡検査は1万9,000円、実際はかかるというところでございます。 また、低所得者対策といたしまして、市民税非課税世帯、生活保護世帯、それから70歳以上の高齢者の受診料を無料にすることなど、検診受診についての経済的負担の軽減に取り組んでまいりました。 平成28年度北九州市健康づくり実態調査では、40歳以上の市民に検診を受けないその理由を尋ねましたところ、何らかの病気で既に医療機関で受診しているという方が23.5%、特に理由はないという方が20.3%という結果がございまして、これに対し検診料が高いから行かないんだというふうなことをおっしゃった方が3.2%という状況でありました。 自己負担額と受診率の関係につきましては、ほかの政令市と比較しますと、まず胃がん検診につきまして、本市より自己負担額が低い2市ありますが、いずれも本市より確かに受診率は高くなっております。ただ、その一方で、大腸がん検診につきましては、本市より自己負担額が低い市があるんですが、その市は受診率も本市より低いという状況になっております。必ずしも自己負担額の引き下げが受診率の向上につながるとは言えないと考えております。 がん検診の受診率の向上には、市民一人一人に検診の重要性を理解していただくことや受診しやすい環境をつくることが優先課題と考えております。具体的には、企業、事業所を通じた啓発チラシの配布、福岡県企業と協力したがん啓発セミナーの開催、事業者団体と協力したがん検診の実施、こういったことなどについて引き続き取り組んでまいりたいと考えております。 今後、更に効果的な啓発方法について他都市の事例を研究するとともに、職域団体や地域活動、医療機関や検診機関を通じた受診促進の強化によりまして受診率向上に努めてまいりたいと考えております。 3点目です。乳がん検診について、若い世代の受診率引き上げにつながる超音波検査の導入について御意見がございました。 国は、市町村が行う死亡率減少を目的としたいわゆる対策型がん検診、これにつきまして平成20年3月に策定いたしましたがん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針というものがありますが、これで検診の種類、検査項目、対象者、判定方法というのを定めております。平成28年2月に改正されました現行の指針では、乳がん検診はまず検査項目は問診とマンモグラフィーを原則とすること、それから、対象年齢は40歳以上とすること、3つ目に受診間隔を2年に1回とすること、こういう3つの柱が定められておりまして、本市ではこの指針に基づきましてマンモグラフィーによる乳がん検診を実施しているところでございます。 乳がん検診の超音波検査につきまして、国のがん検診のあり方に関する検討会、ここでは平成27年に中間報告書の中でマンモグラフィーと併用した場合にがん発見率において有用性が認められ、将来的に対策型検診として導入される可能性があるとしております。 しかし、その一方で対策型検診の目的である死亡率減少効果や、検診を受けることで死亡率が下がったというそういった効果のことですが、検診機器の使用や検査方法、読影技術や診断基準の標準化など評価体制や実施体制につきまして引き続き検証していく必要があるということにされております。乳がん検診は、マンモグラフィーによる検診を原則とすると結論づけられております。 したがいまして、乳がん検診の超音波検査の導入につきましては、厚生労働省研究班が平成30年3月にまとめた報告書の中でも死亡率減少効果については現在研究が行われているとされておりますので、まだ結論が出ていないということから、本市としては引き続き国の動向を注視してまいりたいと考えております。 4点目でございます。生活保護利用者の健康対策につきまして、生活保護受給者の健診の受診率を向上させるべきではないかというお尋ねでございます。 本市の生活保護受給者の基本健診の受診率は低い状況であります。これは、受給者の約9割が持病などで医療機関を既に受診されておられまして、治療や必要な検査を医療機関で受けておられるということも要因の一つではないかと考えております。生活保護受給者は、糖尿病、高血圧症、脂質異常症などを発症した方が多く、健康に向けた食習慣や運動習慣、生活習慣の改善に向けた支援が必要な状況でございます。生活保護受給者の自立を図るためには、まずは健康状態を良好に保つことが大切であることから、生活習慣病の発症や重症化の予防も重要だと認識しております。 このために、本市では、糖尿病を初めとする生活習慣病の治療を行っている生活保護受給者を対象にしまして、健康管理支援事業を実施しております。具体的に申しますと、専任の看護師とケースワーカーが連携して、糖尿病の治療に係る医療費が高いケースや食生活の改善指導が必要な受給者の中から対象者を抽出しまして、適切な食習慣や運動習慣の指導をしております。 こうした取り組みに加えて、健診受診につきましては、新規保護開始時及び年1回、全世帯に生活保護のしおりを配布しまして、健診受診の周知をしております。更に、通常のケースワークで医療機関未受診者、医療機関にかかっておられない方で健康に対する意識が低い生活保護受給者に対しましては、健診受診の助言、こういったこともやっております。 今後もこれらの取り組みを継続するとともに、生活保護のしおりの記載内容の見直しを含めまして周知方法を検討して、健診率の向上に努めてまいりたいと考えております。 最後に、5点目ですが、これは国民健康保険の関係ですが、滞納者対策に関する資格証明書の交付について、窓口の運用及び資格証明書の交付の際の被保険者への周知徹底について伺うという御質問でした。 災害など特別な事情がないにもかかわらず保険料を滞納されておられる世帯には、国民健康保険法の規定に基づきまして資格証明書を交付することとなっております。これは被保険者の負担の公平を図るという観点から設けられた制度でありまして、資格証明書の交付事務を通じて被保険者との接触の機会を確保いたしまして、納付相談や納付指導を推進することを目的としております。 資格証明書の交付につきましては、平成20年12月の厚生労働省通知によりまして資格証明書の交付までに可能な限り短期保険証というものを活用して滞納者との接触の機会の確保に努めるということとされました。これに伴い、本市でも平成21年度から、まずは有効期限4カ月の短期保険証を交付しまして納付相談を促し、それでも滞納保険料の納付や納付相談がない場合に限り資格証明書を交付しております。 更に、平成22年7月からは、法改正に基づきまして、高校生世代以下の子供につきましては世帯主の滞納状況に関係なく保険証を交付しております。また、特別な事情がある場合には資格証明書ではなく短期保険証を交付しておりますが、この特別な事情につきましては世帯ごとにいろいろ事情が異なりますから、個別の納付相談などを通じて初めて把握できるということになっております。 そこで、従前から区役所では督促状の送付、電話や文書による催促などさまざまな手段を使って納付相談のために来庁していただけるよう、再三にわたり促しております。区役所窓口での納付相談におきましては、滞納保険料の一部を支払っていただくことが保険証発行の前提ではございますが、事情をよく聞き、特別な事情に当たれば短期保険証を交付しているところでございます。 今後も、資格証明書の発行につきましては適切な運用に努めてまいりたいと考えております。以上です。 ○議長(井上秀作君) 教育長。 ◎教育長(垣迫裕俊君) それでは、教育関係の3点の御質問にお答えいたします。 まず、学校におきます熱中症予防のための対策のうち、特別教室と予定避難所であります体育館のエアコン整備計画についてのお尋ねであります。 教育委員会所管の学校の特別教室は、小学校で1,149教室、中学校で823教室ありまして、このうち全ての学校のパソコン教室と図書室、そして、住宅地に隣接しているなどの事情により一部の中学校の音楽室にはエアコンが設置されておりますが、理科室、家庭科室、図工室、美術室などは原則として未設置となっております。特別教室のエアコン整備につきましては、今年度で普通教室のエアコン設置が終了することから今後進めていく必要があることは認識しておりますが、多額の費用が必要であり市の単独事業では実施が困難なことから、国の補助事業を活用していく必要があると考えております。 一方で、この6月に大阪で発生しました地震によるブロック塀の倒壊事故を受けまして、学校施設におけるブロック塀の安全点検の調査を行った結果、多くの学校でブロック塀の撤去等の安全対策が緊急的に必要であると、これに多額の費用が見込まれることがわかっております。 こうした状況を踏まえまして、本市の学校の特別教室のエアコン整備につきましては、国の補助事業の状況やその他の学校施設の整備との優先度なども考慮しながら検討してまいりたいと思います。 次に、体育館へのエアコン設置でありますが、避難所としての学校体育館利用に係る熱中症対策でありますが、まず特に気温の高い夏休み、夏季休業期間中でありますと、緊急事態でありますからエアコンが整備された普通教室などで避難された方が利用できるような、そういう配慮が可能であります。それから、夏季休業期間の前後でありましても図書室、パソコン室などエアコンが整備された特別教室を利用していただくことは可能であると考えております。 こういったことから一定程度の対応が可能であり、体育館へのエアコン整備は当面考えていないところであります。 次に、全ての市立学校に十分な数の熱中症指数計を配置できるような予算措置をという点でございます。 これまでの対策でありますけども、熱中症予防対策は非常に重要でございますので、例えば保健室への冷凍庫の設置、それから経口補水液、塩分を含んだタブレット菓子などの配置、更には保護者、児童生徒向けの保健だよりなどの配布、児童生徒向けの指導実施、こういったことを対策として行ってまいりました。 ことしの夏は例年にない猛暑でありまして、特に注意を要したことから、市の熱中症情報のホームページなどにより暑さ指数を把握の上、活動内容や時間を検討すること、それから部活動、体育学習などにおける教職員の監視体制を確保すること、終業式や始業式の実施方法について柔軟に対応すること、こういった児童生徒の安全確保の観点から対応すべきポイントを幾つか具体的に示しながら、教育委員会から12回にわたって学校に通知を行っております。 そのほか、教員向けの研修ウエブサイト、kitaQせんせいチャンネルというのがございますが、その中で熱中症研修DVDを新たに配信しております。更に、8月7日には校長向けの研修会を臨時に実施し、医師の方から熱中症の注意ポイント、経口補水液のつくり方などについて指導を受けております。 そこで、熱中症指数計の配置でありますが、暑さ指数については各学校においてこれまで市の熱中症情報のホームページや気温と相対湿度などから暑さ指数がわかる早見表、こういったことで状況を把握していたわけでありますが、今回、熱中症指数計の導入を働きかけたところ、現時点では約8割の学校で導入済み又は導入予定となっております。更に、残る2割の学校についても来年の夏、できれば梅雨入り前が望ましいと思いますが、それまでに導入するよう改めて推奨したいと思います。 熱中症指数計の個数でありますけども、学校によっては複数個導入しているところもございます。しかしながら、熱中症指数計は12~13センチ四角の軽いものでありまして、携帯性にすぐれ持ち運んで校内各所の状況把握は適宜可能でありますし、また、1個が3,000円から4,000円と聞いておりますので、個々の状況に応じて各学校の判断により必要台数を導入することを基本に考えております。今後とも、児童生徒の健康と安全確保の観点から学校と連携しながら熱中症予防対策に取り組んでまいりたいと思います。 最後に、学校での歯科健診後の未受診、未治療の子供への受診勧奨の点でございます。 本市におきましては、学校保健安全法の第24条に基づきまして、感染症や学習に支障の生じるおそれのあるう歯、いわゆる虫歯でありますけども、虫歯など6種の疾病について学校から治療の指示を受けた小・中、特別支援学校の要保護、準要保護世帯の児童生徒に対して医療券、これは自己負担がなく治療を受けられる券でありますが、医療券を発行しております。 この医療券の使用状況でありますが、昨年度は発行件数が4,960件、そのうち使用されたのが2,157件、使用率、つまり治療率が43.5%となっております。多くの児童生徒が夏休みを利用して治療を受けるということがありますので、例年、夏休み明けに学校に対して未受診者への受診勧奨を依頼しております。 今年度は特に学校に対して医療券発行対象者の治療状況を随時確認すること、また、治療してない子供がいる場合には児童生徒だけではなく保護者に対しても積極的に受診勧奨を行うことということについて、改めて通知をしたところであります。 医療券の発行対象はそのほとんどが99%が虫歯でありますけども、使用率向上のためには治療の重要性について理解を深めてもらうことが重要であります。市の歯科医師会と連携して、子供と保護者が一緒に読める歯と口の健康づくりに関する啓発チラシというものを今年度新たに作成いたしまして、入学式あるいは定期健康診断後の治療勧告の際に配布をしております。このチラシには、虫歯を放置した際に発生する二次的な健康被害について写真入りで掲載するなど、早期治療の重要性について啓発を行ったところであります。 今後は、こうした取り組みの結果を見ながら未受診者に対して更に医療券の使用期限前に再度受診勧奨することも考えたいと思います。また、学校が保護者に向けて発行します保健だよりに歯科医師会の協力を得ながら治療啓発の記事を掲載するなど、未受診者の受診率向上に努めてまいりたいと思います。以上でございます。 ○議長(井上秀作君) 市民文化スポーツ局長。 ◎市民文化スポーツ局長(久保山雅彦君) 最後に、市民センターの長寿命化対策について、外壁、屋上防水工事を今後集中的に進める施設及び費用、及び長期的な長寿命化計画の策定についての質問にお答えいたします。 市民センターは、これまでおおむね30年を迎える時期に老朽化などを調査した上で外壁や屋上防水の改修、施設機器の更新、レイアウト変更を伴う内装改修などをまとめて行う大規模改修工事を年に1~2館実施をしてまいりました。 しかしながら、今後大規模改修が必要となる市民センターは数多く残っており、現在の改修ペースでは間に合わないことから、改修内容に優先順位をつけ、大規模改修のメニューの中からまずは安全性を優先して外壁及び屋上防水工事を当面の間、実施することとしたものであります。現時点で建築後20年を超えて外壁、屋上防水工事に未着手な市民センターは55館でありまして、予想される工事費は約11億円と予定しています。 長寿命化計画策定の必要性についてでございますけれども、建物を長期にわたって良好な状態で使い続けるためには建物全体の長寿命化を図り、適切に維持管理していかなければなりません。そこで、全ての市民センターにおきまして、国が定めたインフラ長寿命化基本計画に基づいた中長期保全計画を施設ごとに作成することといたしております。 今後も公共施設マネジメント実行計画に基づき、計画的な予防保全を進めることで市民センターの長寿命化を図り、市民が安心して利用できるよう長期にわたり維持していきたいと考えております。以上です。 ○議長(井上秀作君) 50番 柳井議員。 ◆50番(柳井誠君) 答弁ありがとうございました。 それでは、第2質問をさせていただきます。 特別教室へのエアコン整備なんですが、確かにブロック塀の危険な箇所の改修費用などが発生することは理解します。しかし、それは本市だけの話ではないわけで、全国的に同じような状況がある中での防災拠点としての、また、学習拠点としての学校の環境整備、エアコン整備の概算要求が出されているわけですから、概算要求もはね上がっていますので両方しっかり受けとめて計画的にやっていくのが必要なんではないかと。 前回の議会の議論で大都市の調査もやるという答弁がありましたので私も可能な範囲で問い合わせしてみましたら、福岡市は中学校の音楽室は全てエアコン整備しておりました。進んでいるところもあります。本市がおくれているというならば、普通教室で段階的に中学校、小学校を数カ年かけてやってきたように取り組んでいけばいいのではないかと、そしてまた、制度の改善、補助率の改善の要求も政令市一緒になって国に対して上げていくということも必要ではないかと思います。これについては、時間の関係もあって強く要望しておきます。 1点聞きたいのは、確認なんですけども、先ほど御答弁で熱中症指数計は1個か2個という状況から必要な個数を配置するという答弁でありました。私が例示したように、各階に1個あったって、それを今誰が持っているか、同時に使いたいときはどうするのか、日中の温度変化にどう対応していくのかということから十分な数が必要と判断した場合は、それは学校の判断できちっと購入する、また、学事課に配置を要求するということでよろしいんでしょうか。答弁。 ○議長(井上秀作君) 教育長。 ◎教育長(垣迫裕俊君) 現時点でも8割の学校が既に導入済み若しくは導入予定なんですが、学校によっても実は個数も結構ばらばらであります。2~3個でいいというところもあれば、もう少し多いところもあります。それは、例えば教室にそれぞれつけたとしても、結局見に行かなければいけないわけです。軽いものですから、見に行くのであれば、それを持っていってそこではかっても、もうすぐ反応しますので、そういうやり方もあるということを学校で判断すれば少なくて済むかもしれません。そこは学校にお任せしたいと思っています。以上です。 ○議長(井上秀作君) 50番 柳井議員。 ◆50番(柳井誠君) 学校に任せるということで、必要な数を学校の判断でつけるという確認を私なりに今答弁から聞き取りました。 それから、生活保護利用者の健診のことについては、健康づくりプランを見る限り、国保の健診目標は特定健診目標はあるんですけども基本健診の目標はない、しかも健診率100分の1ぐらいの非常に低い状況になっておるわけで、プランの健診の目標において生活保護利用者の受診は目標の対象外なのか、あるいは対象内なのかお答えください。 ○議長(井上秀作君) 保健福祉局長。 ◎保健福祉局長(阿髙和憲君) 当然、それは対象の中に入っていると考えております。 ○議長(井上秀作君) 50番 柳井議員。 ◆50番(柳井誠君) それならば、今基本健診の目標、生活保護受給者のがん検診の目標は見たことがありませんけれども、健康づくりプランの目標と同じということでよろしいのでしょうか。 ○議長(井上秀作君) 保健福祉局長。 ◎保健福祉局長(阿髙和憲君) 当然、生活保護を受給されておられる方も含めた市民全体の目標ということでございます。 ○議長(井上秀作君) 50番 柳井議員。 ◆50番(柳井誠君) 私は大きなテーマで前置きで経済的格差による健康格差の問題を指摘いたしました。よく考えてみると、協会けんぽにしても本市の国保にしても後期高齢者医療にしても健診の案内、特定健診、後期高齢健診、それから、がん検診、節目年齢の歯科歯周病検診、こうしたものは文書で案内がされます。それに対して、基本健診の生活保護受給者だけは口頭説明、先ほど言いました国保のしおりでも健診という単語が入っているだけで何の説明もありません。そこを文書でもってきちっと、できれば保存版チラシで説明をし配布する、それから、しおりの内容も改善するということでよろしいんですか。 ○議長(井上秀作君) 保健福祉局長。 ◎保健福祉局長(阿髙和憲君) 確かに周知の方法というのはいろいろあるわけでございますが、生活保護受給者の方というのはケースワーカーが1人ずつついて生活のこと全般についてアドバイスを差し上げているわけです。その中で必ず健診の受診というのは促しているということでございますので、今のところはそれで十分事足りているはずだという思いでやっているわけでございます。 確かに議員御指摘のように受診率は国保加入者と比べれば100分の1という状況でございますので、これからもより受診率を高めるための工夫はしていく必要があるとは思っております。以上です。 ○議長(井上秀作君) 50番 柳井議員。 ◆50番(柳井誠君) 100分の1というのは、経済状況を見たら客観的に健康格差と見られます。その努力を今まで口頭でしていたかもしれないけれども、がん検診のチラシにはこういう言葉で、早期受診、早期発見、早期治療により治癒率は高くなります、あなたの笑顔を見ていたいから定期的にがん検診を受けましょうと、こんな説明をしていますか。ちゃんと同じようなチラシを配ったら、それはどんな効果があるか、口で年1回言うよりもわかるわけですから、やったらどうですか。 ○議長(井上秀作君) 保健福祉局長。 ◎保健福祉局長(阿髙和憲君) そういったこともやらないよりやったほうがいいんじゃないかという御意見だと思います。ただ、我々といたしましては、ケースワーカーは生活保護受給者に対しまして家庭訪問したり、あるいは窓口に来られることもあります、相対しまして直接健診も受けなきゃいけないということを催促しているわけで、それも有効だと思っているということでございます。 ○議長(井上秀作君) 50番 柳井議員。 ◆50番(柳井誠君) そういうことは否定しておりません。加えてチラシを要望します。 そして、国保の資格証明書について、私聞いたのは、緊急対応で一時払い、窓口払いが困難なときに特別な事情の認定をするという対応が、これは麻生内閣のときの共産党の質問主意書で閣議決定されているんです。その内容で運用しているということでよろしいんですか。 ○議長(井上秀作君) 保健福祉局長。 ◎保健福祉局長(阿髙和憲君) きちんとそういうふうにやっております。 ○議長(井上秀作君) 50番 柳井議員。 ◆50番(柳井誠君) そういう内容は知らされてないんです。国保運営方針の中でも、神奈川県の国保運営方針には一部負担金支払い困難との申し出は特別な事情に準ずる状況と判断するということが明記されております。これは県の運営方針ですから、神奈川県の全市町村の確認事項になっているんです。本市も協議会に参加するんだったら、本市がそういう認識であるならば、意見を上げて福岡県にも書くように言ったらどうですか。答弁。 ○議長(井上秀作君) 保健福祉局長。 ◎保健福祉局長(阿髙和憲君) 協議会の中でさまざまな議論はしてまいりたいと思います。 ○議長(井上秀作君) 本日の日程は以上で終了し、次回は9月18日午前10時から会議を開きます。 本日はこれで散会いたします。                  午後4時16分散会...